第74話 お姫様
蟻村幸太郎は侍蟻の城に侵入していた。
「敵だ。敵が侵入しているぞ」
侍蟻たちは僕に一斉に襲いかかってくる。
「僕を…蟻村幸太郎を簡単に倒せると思うなよ」
僕は聖銃を使い、襲いかかってくる侍蟻に銃弾を何発も撃っていく。
「そこまでだ」
一匹の侍蟻が僕の鼻先に傷をつけた。
「わいの名は徳川丸。お姫様を護る10名の大名の一匹だ」
僕を襲いかかってきた侍蟻は、名乗れとも言っていないのに自分から名乗ってきた。
「お姫様…って誰だ?」
僕はお姫様が侍蟻の重要な存在であると察し、お姫様の情報を聞き出そうとした。
「姫はな、我々をここまで強くしてくださった方。つまり我々が仕えるべきお方な…」
「不死鳥の炎」
僕は思わず銃弾を放った。そして徳川丸は丸焦げになった。
「何だ。案外弱いじゃねーか」
僕は十名しかいない大名だから相当強いのだろうと思っていたが、銃弾一発で死んだので期待外れだった。
「おいおい。いきなりは卑怯じゃねーか」
ボロボロの体の徳川丸は立ち上がった。しかもやけどの傷がほとんど治っていた。
「お前も…龍の刀を持っているのか?」
「わいの刀は再生龍から創られている。つまり、傷を一瞬で治すことができる。それに腕が斬り離されようとも…すぐに治る」
徳川丸は自分の腕を斬って、再生して見せた。徳川丸は腕を斬るとき一切表情を変えなかった。
(こいつは…無敵か!)
「蟻村幸太郎。お前がどれだけ攻撃してこようとも、わいを殺すことはできない。だってこの刀は心臓すらも再生させてしまうのだから」
徳川丸を殺すことはできない。
「徳川丸。僕はお前らのお姫様に会いに来た。だから僕をお姫様のもとに連れていけ」
(会えればいい。ただ徳川丸に会えればいいんだ)
だが徳川丸は僕をお姫様のもとに連れてくれはしなかった。
「蟻村幸太郎。お前には地獄を味わってもらう」
徳川丸はワクワクと気の毒の間の心情で、僕を鉄で囲まれた檻の中に容れた。ここは鉄にカビやコケが生えてきており、どこかからか、光が差している。
(シャーロット…。あとは任せた)




