第69話 近いようで遠かった心の距離
僕たちは円卓城の地上が騒がしいと思い、巣の外を覗いた。そこには、昨日軍隊蟻の巣にいた万を越える蜂の群れ。更に万を越える蜘蛛の群れ。
「一体何が始まろうとしているんだ!?」
「第三次昆虫戦争」
混乱している僕に、シャーロットが言い放った。
「過去に、軍隊蟻が九十九同盟と蜂万同盟の勢力を返り討ちにした戦いがあった。その戦いで軍隊蟻は30万から10万になり、九十九同盟と蜂万同盟は100万以上の戦力を失った。それが第二次昆虫戦争」
(軍隊蟻ってそんなに強いのかよ!?)
「そして、また戦いが始まろうとしてる」
「でももう軍隊蟻はいないんだぜ」
「彼らの狙いは軍隊蟻じゃない。彼らの狙いは…侍蟻」
シャーロットは最初から分かっていたのだろう。それにシャーロットは織田丸から聞いていたのだろう。
「ねえ。侍蟻は何を始めようとしてるの?」
僕は聞いた。だがシャーロットにも分からないらしい。でもシャーロットはこれだけは知っていた。
「侍蟻は…彼らを滅ぼそうとしている」
「あの勢力をか!? 普通に殺り合えば負ける」
「確かにね。蜂万同盟と九十九同盟の合計戦力は30万。どう殺り合ったって勝てない。だけど侍蟻には秘策はあるらしい」
(この数を殺れる秘策? そんなものあるわけ…)
「聖なる武器と同等の強さの武器の量産」
僕は驚いた。だって聖なる武器は神の子が力を失ったときしか現れない武器。だからそんな武器と同等の力を持つ武器を創ることは不可能なんだ。
「もしかしたら……!」
シャーロットは何か閃いたらしい。僕はシャーロットに何が閃いたのか聞いた。すると恐ろしい答えが返ってきた。
「多分侍蟻は…この世界の全ての虫を……消すつもりだ」
(バカな!? この世界には虫がどれほどいると思っているんだ。さすがにそれは無理に決まっている)
「シャーロット。なぜ彼らは…虫を消そうとしているんだ?」
「分からない。でも…織田丸を従えている者は…虫を憎んでいるようなんだ」
(虫を憎んでいる!? まさか…虫に殺されて転生したのではないか?そうだとすれば…)
「シャーロット。トカゲを用意しろ」
そんな時、アカマルが僕たちに報告してきた。
「椿蟻が…全員いません」
「何だって!?」




