第62話 彼の野望
「おいおい。派手にやってくれたな」
レオニダスは僕を睨み付けてきた。
「地要塞」
レオニダスが地面に槍を刺すと地形がどんどん変わっていき、まるで荒れ果てた山脈のようになった。
そしてカノンやガンナー、アーサーたちと分断され、軍隊蟻の巣の三段の壁すら壊れている。きっとこの壁はレオニダスの武器の聖槍で創ったのだろう。
「さあ。この地形では我々トカゲに乗った兵のほうが確実に有利だ。逃げ惑え。雑魚ども」
この発言から察するに、トカゲに乗っていない兵はいらないってことだろう。
(なんてクソ野郎なんだ)
だが、周りが地面の壁で覆われていて、逃げるにも道が一本しかない。もしここで敵に遭遇したら終わりだ。
「いたぞ」
トカゲに乗った兵が僕を見て叫んだ。するとトカゲに乗った槍を持った兵が5匹現れ、一斉に僕を襲う。
「湖鮫」
水の中が現れ、トカゲに乗った兵を噛み砕いた。
「大丈夫ですか?」
ランスロットがギリギリのところで僕を助けに来てくれた。
「ありがとう」
「剣蟻の王よ。私のそばから離れないようにしてください」
「分かった」
僕はランスロットから離れないように歩いた。敵が来てもランスロットが一瞬で倒してくれる。
歩いているとシャーロットの声が聞こえた。
「輝光線」
すると放たれた光が遠くの木々を破壊していく。
(さすがの破壊力だ!)
僕たちは光が放たれた場所に急いで向かった。そこにはシャーロットがいた。シャーロットはレオニダスと戦っている。
「地棘」
地面から棘が生えてきて、棘がシャーロットを襲う。
「輝光衝」
光の衝撃が周囲を破壊していく。そしてシャーロットを襲う棘を破壊した。
「レオニダス。軍隊蟻はもう終わりだ」
「バカか。私の野望はまだ達成されてない」
そう言ったレオニダスの背後に、シャーロットがいた。
「ど…どういうことだ!?」
「輝光屈折。この技は自分の姿をどこにでも出現させることができる」
そしてシャーロットはレオニダスの心臓に剣を刺した。




