第59話 それでも僕は…
「ソフィア。ポール。カーマ。僕たち円卓同盟に入らないか?」
僕はソフィアたちを見捨てる選択はできなかった。
「アリムラ。お前は円卓同盟からのスパイだったのか?」
「ポール。騙しててすまない。だけど…僕はお前たちを救いたい。だから僕たちのもとに来てくれないか?」
(僕は自分勝手だ。だから何が悪い。だから何がいけない。護りたいものを護って何がダメなんだ)
「アリムラ。俺は無理だ。俺はグレン隊長について行きたい。たとえここで死ぬとしても」
ポールは真っ直ぐな眼差しで言ってきた。
「アリムラ君。私はポールについて行きたい。だから…私もゴメン」
ソフィアはポールのことが好きなんだ。だからソフィアはどんな道であろうとポールについていくんだろう。
「アリムラ。ボクも無理かな。ボクは軍隊蟻の先輩方にお世話になったから。だからボクは軍隊蟻として戦い、軍隊蟻として死にたい。だから…ゴメン」
カーマにも覚悟はあった。
(そうだ。戦う覚悟の無い奴は死ぬ。なら…こいつらは生きてくれる。きっと…。きっとだ…。だから…)
「僕も決めた」
(たとえ間違っていたとしても…)
「僕は円卓同盟の蟻村幸太郎。だから…僕は君たちの敵だ」
僕はポールたちから離れようとした。
「アリムラ。生まれ変わったら…その時はよろしくな」
「ポール…」
(やめてくれ…)
「アリムラ君。私はアリムラ君の戦う姿を見て、勇気が湧いてきたんだよ。だから…アリムラ君は止まらないでね…」
「ソフィア…」
(やめてくれよ…)
「アリムラ。ボクは…君みたいになりたかったよ。君みたいに信頼される奴に。だから…神様に頼もうと思う。生まれ変わったら君の近くに生まれたいって。だから…また会おうぜ……」
「カーマ…」
(どうして最後だって言うんだよ。逃げたら生き残れるじゃねーかよ。それなのに…何でお前たちは…戦おうとしてるんだよ…)
僕はとうとう涙をこらえることができなくなっていた。そして僕は無言で走り出した。
「アリムラ君。行っちゃったね」
「そうだな…」
「何でポール泣いてるの?」
「泣いてねーし」
「ソフィアこそ目が真っ赤だぞ」
「カーマちゃんも目がはれてるよ」
彼らは心の底から苦しかった。仲間と別れることが。だけど…彼らは戦うしかなかった。それがシナリオなのだから。
ーさようなら。アリムラ




