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インセクト・ウォー  作者: 総督琉
軍隊蟻殲滅戦編
53/136

第53話 裏切り者

僕はカーマに質問した。


「カーマ。君は二日前の朝、グレン隊長に召集された後、どこにいた?」


「ああ。ボクはブルーレンズ班長とともに銃の訓練をしていたよ」


カーマは女だが、一人称がボクである。


「そうか…」


(カーマはあまり動揺していないな。裏切り者の可能性は薄いな)


「それよりさ、その質問って健康観察に関係なくない。それに書く物とかも用意してないし…」


僕はバレると思い、すぐに別の質問をした。


「じゃあお腹の具合が悪いとか、頭が痛いとか、そういうのは無い?」


「ああ。まだないね」


するとポールが帰ってきた。そしてポールが僕の耳元で他の者に聞こえないように小さな声で言った。


「ブルーレンズは…裏切り者の協力者かもしれない」


そしてポールは部屋から出た。だから僕もポールの後を追うように、ブルーレンズの班の部屋を出た。


(だが、何でブルーレンズが協力者なんだ?)


「なあポール。どうしてブルーレンズが裏切り者の協力者だと思ったんだ?」


「あいつは…グレン隊長を殺そうと俺に言ってきた」


(な!?)


ポールはダテマルのところへは行かず、ブルーレンズを監視するため、一日中ブルーレンズの後をつけた。


僕は夜になっても帰ってこないポールを探しに行こうと思い、自分の班の部屋を出た。するとダテマルの後ろ姿が見えたので、僕はダテマルの後を追ってみることにした。


ダテマルは片目を失っており、目を眼帯で塞いでいる。


ダテマルは図書室に入った。


(何をするつもりなんだ?)


そして10分ほど経って、ダテマルが図書室から出た。だがダテマルは本を一冊持ち出している。


遠くからでは分からないが、大きく"聖なる武器について"と書かれてある。


僕はダテマルが裏切り者だと確信し、ダテマルの尾行を開始した。するとこんな夜遅くに巣の外に出た。そこはスカーレットが死んだ場所だ。


すると、反対側からブルーレンズと思われる蟻がダテマルに向かって歩いてくる。


「なあダテマル。君たち侍蟻はすでに戦闘の準備はできているか?」


ブルーレンズがダテマルに話しかけた。


「ああ。そして戦闘開始の合図はこの銃声が鳴ったとき」


するとダテマルは協力者であるブルーレンズに銃を向けた。


「おいお前。何をしようとしてるのか分かってるのか?」


ブルーレンズは混乱している。きっと裏切り者に裏切られるのは予想していなかったのだろう。


「俺はただ邪魔者を排除するだけ。だからこの銃声とともに貴様には消えてもらわなければならない」


そしてダテマルはブルーレンズに銃弾を放った。

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