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インセクト・ウォー  作者: 総督琉
軍隊蟻編
50/136

第50話 スカーレット。

スカーレットは女郎蜘蛛を一撃で消滅させている。


「スカーレット。それほどの力を使えば…」


僕の声はスカーレットには届かない。多分このままではスカーレットは自分の炎で燃え尽きて…死ぬ。


ーアリムラ。私はさ、君が優しくしてくれて嬉しかったんだよ。君がスイーツが好きだって聞いて、すごく嬉しくなったんだよ。

だから…もう私は死んじゃうけど…またスイーツを食べる時には私を思い出してくれないかな?自分勝手かな?ワガママかな?

それでもさ…私は君をいつまでも思ってる。たとえ生まれ変わったとしても…。


「スカーレットーー!」


スカーレットは全ての女郎蜘蛛を燃やし、力尽きた。


(なぜこんなに苦しい。なぜこんなにも生きてて欲しかった? 敵なのに…)


ー私はイチゴのケーキが好きなんだ。


僕の心にスカーレットとの思い出が流れた。


僕は苦しさで胸が破裂しそうな。心の中の何かが暴れるような。そんな感覚だった。


もっと力があれば護れた。もっと勇気があれば護れた。


そこに重火器部隊を引き連れたポールが戻ってきた。


(そうか。逃げたんじゃなくて重火器部隊を呼びに行ってたのか!)


もし重火器部隊が速くついていたら…スカーレットは死なずに済んだのではないか?


「皆さん。もう大丈夫です。重火器部隊を呼んできました」


皆は絶望から安堵(あんど)の表情に変わる。だけど…僕は悲しみに犯されたままずっと苦しい。


重火器部隊がタランチュラやカニグモを次々に焼き払った。大砲やマシンガン。バズーカにライフル。様々な武器で蜘蛛からの恐怖を消していく。


すると落ち込んでいた僕に、ポールが優しく話しかけてきた。


「どうしたんだ?」


「スカーレットが…死んだ」


「そうか…」


ポールはその一言で言葉を失った。ポールもしばらく考えている。


「なあアリムラ。スカーレットは…最後に何て言ったんだ?」


「第一○一大隊を…護りたい………」


そう言うとポールは少し嬉しくなっていた。


「そうか~」


「なあポール。僕は弱かった。だから護れなかった。だから僕ってさ…みっともないよな」


「ああ。だからって止まっていい理由にはならないだろ。だから進め。スカーレットの死を無駄にしたくないのなら」


僕はスカーレットの死を見て思った。


(もしも虫の世界が平和であったなら。もしも虫どうしが協力し合える関係にあったなら…。それはきっといい世界なのだろう)

・死亡者

スカーレット

…死亡理由、仲間を護るため、命を炎に変え、燃え尽きた。

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