第43話 第一○一大隊
僕は軍隊蟻の巣で起きた。幻覚はまだ解けていないらしい。
(実際幻覚いらないんじゃないか?とか思ったが。念には念を入れ、幻覚をかけてもらった)
「ポール。聞きたいことがあるんだが…」
僕はポールに質問しようとした。ポールに食事フロアで話そうと言われた。
そして僕は食事フロアについた。そこはまるでバイキングのようで、好きな食べ物を自由にとるという豪華な感じだ。
(うらやましいな。円卓同盟はそんなに食糧が有り余ってないからな)
そして好きな食べ物をとって、空いていた席についた。
「で、質問とは何だ?」
「グレン隊長ってどんな方何ですか?」
「あの方は英雄と呼ばれている。なぜならたった一匹で千を越える蟻を倒したからだ」
「そんなに!?」
僕は驚きのあまり、立ち上がって大声で叫んでいた。僕は周りに会釈をし、静かに座った。
「それで、他になんかないか?」
「ああ。グレン隊長は俺たち第一○一大隊の隊長だ。本来、大隊には200匹の蟻が必要だ。だが今の第一○一大隊には20名ほどしかいない。しかもその内の10名ほどが新人。俺はグレン隊長の過去に何かあると思ってる」
ポールはグレン隊長についてすらすらと語った。グレン隊長は謎が多い感じだ。
そこにソフィアとタエとスカーレットがやってきた。
「何で先に行っちゃうのよ」
僕たち五匹は同じ部屋だからいなくなって心配したらしい。
「それよりお前らも食べろよ」
ポールが言うと、ソフィアは迷わずポールの隣に座ってきた。するとソフィアはポールに接している。
「ねえポール。あんたは昔から意地悪なんだから。私たちは5匹で一つなんだからね」
「分かってますよ~」
「それにグレン隊長が皆を召集してたよ。もう終わっちゃったけどね」
ポールとソフィアはすごく仲がいい。
するとタエが隣に座ってきた。
「ねえ」
「何だ? タエ」
「気を付けな。グレン隊長の仲間はほとんどが死ぬらしいよ。だからあんたも殺されないよう頑張りな」
そう言うと、タエは食べ物を取りに行った。そこへ、スカーレットが食べ物を持って戻ってきた。ほとんどがスイーツだ。
「スカーレットはスイーツが好きなのか?」
僕がスカーレットに聞くと、スカーレットは恥ずかしそうに下を向きながら答えた。
「うん」
「そうか。美味しいもんな。実は僕もスイート大好きなんだ」
「そうなの!私はイチゴのケーキが好きなんだ」
スカーレットは目を光らせながら言ってきた。きっと同じスイーツ好きがいて嬉しくなったんだろう。
(スカーレットとは…戦いたくないな)
僕はここに来たせいで悩みが増えてしまった。




