第37話 謎の蟻の正体
僕たちは椿蟻の巣に戻り、今後について話し合った。
「円卓城を襲った謎の蟻。あれについては見当はついている」
「本当か? 妙月」
僕は慌てて聞いた。
「ああ。彼らは兵器を使う。なら兵器を使う蟻はあいつらしかいない」
「あいつら?」
「奴らの名は…軍隊蟻。過去に、アリクイの森のアリクイを何匹も殺すほど狂暴で強い」
「…おい。そんな奴らに勝てるのか?」
怯えた蟻がつぶやいた。
「まあこの戦力じゃ無理だ。あいつら軍隊蟻は10万、対して私たちは剣蟻、椿蟻、弓蟻、槍蟻勢力を合わせてたった2000。さすがにこの戦力差は埋められない」
「絶望的だな…」
誰もがそう口ずさんでいた。
(確かに10万の敵に2000じゃ勝てるわけがない。勝てたとしても僕が人間だった場合のみ。だけど今の僕は蟻。あいつらを踏み潰すことなどできはしない)
「だから、私たちは逃げることにする」
椿蟻が言ったことを、誰も理解できなかった。
「どういうことだ?」
僕は聞き返す。すると椿蟻は答えた。
「一旦逃げて勢力を拡大する。そしてここに帰ってきたら、軍隊蟻をブッ倒す。だから今は逃げよう。じきにここもバレるから」
皆納得した。
だって、それしか方法がないのだから。
「でも、行く場所はあるんですか?」
僕は心配そうに聞いた。だって行く場所が無ければ、たださ迷うだけ。一日じゃ、ろくに巣も創れない。
「ああ。場所は…」
「爆弾蟻の巣か?」
椿蟻の言葉を遮り、シャーロットは聞いた。
「シャーロット。もしかして…」
「今は少しでも仲間が必要でしょ。だから…仲間にしよ。だって…あいつら強いから…」
(シャーロット…!)
「そうだよ。今は仲間が多いほうがいい。だから行こうぜ。爆弾蟻の巣に残された蟻を仲間にするために」
僕はシャーロットのため、皆に言った。
「まあね。私も賛成かな」
妙月も賛同してくれた。すると一斉に…
「確かにな」
「まあ仲間は多い方がいい」
「弾丸蟻とか爆弾蟻って強かったからな。だから仲間になったら僕たち軍隊蟻を倒せるんじゃない」
「そうだよ」
そして妙月が手を叩くと、皆は静まった。
「じゃあ用意しろ。全員で爆弾蟻の巣まで行く」
こうして、僕たちは爆弾蟻の巣に行くことになった。




