第32話 よもや彼らは蟻を蟻とも思わない
(だがなぜこんなに速く彼ら連合が動くんだ?)
「…。弓蟻の王が…なぜかアリクイの森に……来てる…」
妙月は青ざめた顔で言った。
「まさかあいつら!」
「ああ。このままでは弓蟻が全滅させられる」
弓蟻を仲間に出来ると思ったそのすぐ後にこのピンチ。やはりロットはふさわしい。二種の蟻の王の座に。
「すぐに作戦を開始する。作戦に同行するのは……」
ーそしてアリクイの森にて
「ロット様。まだこの森には剣蟻や槍蟻の姿は見えません」
爆弾蟻がロットに報告をした。
「そうか。では罠を発動しろ」
弓蟻はひとまとまりに動いていた。
落とし穴をあらかじめ布で固めておき、落とし穴に弓蟻全員を落とした。そして動くものがいれば、容赦なく銃弾が放たれる。
「さあカタパルト。始めようか。デスゲームを」
弾丸蟻と爆弾蟻の王。ロット。
弓蟻の王。カタパルト。
この二者の戦いが始まる。
「デスゲームとは何だ?」
カタパルトは腕に装着されてる弓をロットに向け、質問をした。だがロットは動じず、質問に答えた。
「ボクとお前の戦いだ。ボクはこの剣戦おう。お前は何を使ってもいい。そして先に死んだら死んだ方の種族は全滅だ」
カタパルトは動揺を隠せずにいた。だがカタパルトは戦うことを決めた。
「やってやる。いいんだな?殺しても」
「ああ。来い。弓蟻の王よ」
カタパルトは距離を開け、ロットに矢を一発放った。
「ふっ」
矢は剣で斬られた。
「やるな。なら…」
カタパルトは矢をロットに向け、連射した。ロットは全ての矢を剣で斬った。
「これはバケモノだな!」
カタパルトが驚いていると、ロットは一瞬で間合いを詰めカタパルトに斬りかかる。
カタパルトは瞬時に腕の弓を向け矢を放つが、ロットはかわし、カタパルトの腕に着いている弓を壊した。
「くそっ!」
「月暴風」
ロットが軽めに剣を振るうと、カタパルトは暴風で吹き飛び、後ろの木に思いっきりぶつかった。
「なあ。まさか弓蟻の王ともあろう方が、この程度で終わりなんていうんじゃないだろうな?」
ロットはカタパルトの首に剣を当て、カタパルトを挑発する。
「まだ…。仲間が…」
カタパルトは仲間のため、限界の体で立ち上がった。
「まだ…。俺はまだあ……」
「威勢が良いのは嫌いじゃない。さあ来な。その威勢をぶち壊してやるから」
カタパルトは落ちていた木の枝を握りしめ、ロットに殴り掛かった。




