第31話 作戦会議
僕たちは爆弾蟻の巣に来た。ここの檻にアーチャーが囚われているらしい。
(でもまず侵入できないと。どうするんだ?)
妙月は爆弾蟻の、要塞のような巣の裏側に回った。
(ここは檻の真後ろだ。だけどその変わり超頑丈に出来てる。どうするというんだ?)
「月が出てるな」
妙月はつぶやいた。
「影月。始めてくれ」
影月は壁に触れた。
「月光影揺」
すると鉄やコンクリートで固められたはずの壁が形を変え、穴が開いた。
そして妙月は開いた壁を通り、檻に囚われていたアーチャーに事情を話し、錠を外して外まで連れ出した。
「こんなあっさり行くのかよ!」
僕は驚きのあまり、その言葉を口に出していた。すると妙月は元気良く言ってくれた。
「まあたまには楽に行こうぜ」
(確かにな。戦うのは疲れるからな)
そして僕たちはアーチャーを椿蟻の巣まで連れていった。
その後僕たちは弓蟻を仲間にするため、作戦を立て直した。
「弓蟻の王は話を聞いてくれますかね?」
アカマルは心配していた。
(こいつは自分の巣に戻らないのか?)
「多分聞いてくれる。アーチャーの見回りでアーチャーがいないんだ。その後シャーロットたちが交渉するんだ。だから大丈夫だよ」
妙月の言うことは一理ある。だが弓蟻の王だけに会うのは…。
「明日、爆弾蟻、弾丸蟻、弓蟻の連合が再びアリクイの森に行くらしい。だからもうチャンスはそこしかない」
「妙月さん。私は反対です」
「なぜだ? ランスロット」
「ロット王は我々が来るのを予想している。だから今度はロット自ら迎え撃って来るでしょう」
(確かに。このまま戦えば犠牲者は増えるだけ。円卓城で多くの犠牲者を出した。この状況でさらに兵を失えば…)
「安心しろ。作戦はパーフェクト。それに忘れたか? 椿蟻の能力を」
その場にいた誰もが希望を抱いた。
「それに敵は遠距離攻撃。近距離攻撃はいない。だから勝てる…」
妙月は急に焦った表情となった。
「どうした?」
「爆弾蟻、弾丸蟻、弓蟻の連合が…もう動き出した。アリクイの森に!」
(速い!奴ら…何をするつもりだ?)




