第21話 生かしたい気持ち
大勢の弓蟻、爆弾蟻、弾丸蟻は動き出した。
「まさか…もうアリクイの森に行くんじゃ」
シャーロットは複雑ば表情を浮かべている。
(どうする。どうすれば。このままじゃ彼らは死ぬ。帰れたとしても生き残るのは数匹だ)
「僕たちも、着いていこう」
「幸太郎。何を言ってるの!?」
「シャーロット。僕は君の昔の仲間を救いたい。もしこのまま彼らを生かせれば…あいつらは死ぬ。それじゃ誰も得をしない。だから…助けるとかじゃない。ただ着いていくだけ」
僕の意見にしばらくの沈黙。
(気まずい)
「幸太郎がいいなら、私は行く。アーサーたちは来なくてもいいよ」
「いいえ。私たちは女王様を剣となるのが仕事です。だから、我々も連れてってください」
「ありがとう。アーサー。ガヴェイン。ランスロット。あなたたちに出会えて、良かった」
シャーロットは笑った。
「シャーロットちゃん。僕はどうすれば?」
アカマルは悩んでいた。それもそうだ。まだ若いし、戦いの経験も無い。そんな奴がアリクイの森で生き抜くのは厳しい。
「アカマル。君にも着いてきてもらいたい」
(えっ!? )
「シャーロット。本気か!?」
僕が言うよりも前に、ランスロットがその言葉を口にしていた。
「ああ。だってアカマルは、強いから」
(危険すぎる。こんな幼い子を。だけど…信じなきゃ。だって今の僕は、人間だった時よりも強いから)
「幸太郎。いいですか?」
「ああ。アカマルを信じている。だが、さきばしらず、必ず僕のそばにいろ」
「はい」
「いい返事だ」
そして僕たちは大勢の弓蟻、爆弾蟻、弾丸蟻の連合が向かったアリクイの森に足を運んだ。




