第14話 円卓会議が始まった
円卓会議が始まった。
僕はなんとかこの会議に出席した。肩を負傷しただけだから、特に問題はない。
「ではまずは我々槍蟻から挨拶をさせてもらいます」
慣れた感じで話を進めたのは槍蟻の王だ。
「我々槍蟻は、未だに果たせていない目標のため、弓蟻と剣蟻に力を借りたいとこの同盟を持ち出しました。ですので、ぜひ協力をお願いします」
「では次に私が」
この男は弓蟻の王。
「私は自分の領土に入ってくる者を許しません。ですのでこの同盟で我々は共通の敵を始末したいと考えています」
そして僕が話す番が来た。
「我々は剣蟻は皆さんと協力的関係を永遠に保持していきたいと思っております。ですので我々の共通の敵を倒してもなお、一層の関係を築いていく次第ですので、どうかご理解いただけますよう、望んでいます」
僕は途中から自分でも何言ってるか分からなくなっていたが、難しい言葉でなんとか切り抜けた。
「では挨拶はこれまで。ここからが本題です」
槍蟻の王がふつうに話しているので、この中では槍蟻が主導権を握っているのだろう。
「今回は、我々の共通の敵を倒すため、皆に集まってもらいました。そしてその共通の敵というのが、弾丸蟻です。弾丸蟻には二種類が存在します。四足歩行型と我々と同じ二足歩行型」
(へえ。僕でも知らないことなのに! 戦ったことあるのかな)
「そして四足歩行型は背中に銃が付けられていて、そこから弾丸を発射します。たいして二足歩行型は銃を腕で持ち、引き金を引き、発射します」
(普通の銃と同じか)
「彼らはあまりの強さに蟻を次々に狩っていきました。そして次は我々です。ですので我々は手を組み、弾丸蟻を倒そうではないか」
この同盟の主旨はだいたい理解した。でも火蟻よりは明らかに強いのだろう。
「そして我々は円卓騎士団を創ることにしました。円卓騎士団は全ての蟻が入団し、絶対に勝つための騎士団。それが円卓騎士団です。我々槍蟻は700の兵を円卓騎士団として戦わせます」
「なら弓蟻は400の兵を」
「なら私ら剣蟻は800の兵を」
女王さんが宣言した。でも剣蟻騎士団の数は800。つまり全軍をつぎ込むということだ。
「じょ…女王さん!?」
「安心しろ。この戦いの最中、特に他の敵は来ない。だから剣蟻の巣にいる奴らは大丈夫だ」
僕は女王さんを信じた。
「では、これから…」
何か言い欠けた槍蟻の王は矢で心臓を射たれた。
(嘘だろ!?)
するとすかさず槍蟻の女王も射たれる。だが槍蟻の女王は腹を射たれただけなのでまだ息はある。
僕は矢が飛んできた方を見る。
「お前ら。どういうつもりだ」
射ってきた奴は、弓蟻の王。
「今からお前らを一匹残さず駆除してやる」
・死亡者
槍蟻の王シルバーランス
…死亡理由、弓蟻の王に心臓を矢で撃たれる。




