第13話 敵を見つけろ
「護衛くん。蟻村さんを護って」
「了解です。女王さん」
僕が弓矢で射たれたことにより、戦っていたアーサーとガヴェインもすぐに辺りを見回す。
「敵は逃げたみたいです」
護衛は力を使って確認したらしい。
「よし。速やかに円卓城へ向かう。急ぐぞ」
女王さんが呼び掛け、皆が円卓城まで急ぎ足で移動する。僕はガヴェインに背負ってもらって、円卓城まで移動する。
そして朝日が出てきた頃。
「着いた!」
僕たち剣蟻は円卓城に到達した。みんなヘトヘトだった。
円卓城は思っていた以上に立派で、巣ではなく、もはや城だった。そしてその周りに広がる街。まるで城下町。ここは戦国時代かと間違える程だった。でも上は土で覆われているので少しガッカリ。
「よし。じゃあ剣蟻専用の巣まで行ったら各自自由に休憩だ。あとは何してもいい」
そして皆が剣蟻専用の巣に行き、すぐに寝た。巣といっても見た目はまるでホテル。
「じゃあ蟻村さんもゆっくりと休んでください」
僕は女王さんに優しくされ、本来女王さんが使う部屋で休まさせてもらった。
そして女王さんはアーサーとどこかに行き、話しているようだ。
「女王さん」
「ああ。また彼らだ。多分今回の円卓会議で何か仕掛けてきてもおかしくないな」
「そこは我々剣蟻騎士団にお任せを」
「だがなぜこのタイミングで? それに情報は漏れてないはずです」
「いや。奴らならそこら辺の蟻を捕まえて、拷問して情報を吐かせているだろう」
「では来ている可能性が高いですね」
「だから我々三種族は手を組み、奴らを討伐するのだ」
「ですが…今回飛んできたのは弾丸ではなく…矢でした。なのでもしかしたら…弓蟻が彼らに味方している可能性が…」
「心配するな。弓蟻は絶対に味方だ。多分弓を奪って弓蟻の仕業にしようとしてるだけだ」
「そうですね。では私は見回りに行って参ります」
「いや。休憩しておけ。この先、キツくなるぞ」
「…。分かりました。ではお言葉に甘えて」
アーサーは剣蟻専用の巣に戻った。そして一人になった女王がボソッと呟く。
「今回の円卓会議。何か嫌な予感がする」
そして円卓会議が始まった。




