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三百九十二話

 戦闘が始まってから結構な時間が経った。もうどれだけ戦ったか解らない状況。まぁ、体力自体は回復魔法で何とかなっている。魔力も時々ドリンクやら飴やらを口に含んでチャージ。

 ま、この飲み食いで魔力だけじゃなく精神的疲労も少しは回復させているけどね。


 最初は良かった。うん、止まっているタクシーやバスをグレネードで破壊した後、何処からともなくバスやタクシーが出現して突進して来たけど、それらに対処するのは簡単ではあった。

 現れた敵を全滅させると次の敵が現れる……まぁ、ウェーブ形式な感じで連続して戦闘。まぁ、それだけなら問題ないんだけど、ウェーブを重ねるごとに敵の数や種類が増えて行くという何ともまぁ面倒なステージ。

 しかもだ! 相手は車と言う訳で……ハンドガンが通用しない。タイヤ・エンジン・給油口を狙うと言う手段もあるけど、相手もそれらには対策しているみたいだ。


 例えば、タイヤを撃ったところでバーストが起こらない。何故だろう? と思ったら何と現実的にはありえない空気圧を入れないやつ……ファンタジータイヤかよ! と叫びたくなる仕様だな。だから撃っても意味が無い。

 エンジンはと言えば、其処を守る素材がくそ硬い。ボンネットに撃ち込んだ弾丸は弾かれるか少し埋まる感じ。……あれか? 埋まった弾丸を狙って行けと言う事だろうか。

 給油口を狙うのも至難の業だな。戦時に戦闘機乗りが零戦で狙撃した事が有るなんて話を聞いた事が有るけど……まじか? これ、車相手でも相当厳しいんだけど。映画とまでも割と簡単に狙撃してるけど、かなり大変だろうと言いたい。まぁそれに、給油口自体もボンネットと同じ素材なのか、命中させても簡単には貫く事が出来なかった。


 という訳で、此処でハンドガンの出番は無い。メインはグレネードや魔法になるのだけど……それすらも知った事か! と言わんばかりの車体が登場し始めた。


「なんでブルドーザーや消防車まで出て来るんだよ!!」

「働く車が押し寄せて来るよね! 消防車とか凶悪すぎるよ!?」


 消防車から放水される水。まぁ、ただの放水では無く地面を粉砕すらできるレベルの水圧。……まぁ、地面自体はダンジョンだから直ぐに修復されるようだけど、あんなの喰らったら死にはしないだろうけどダメージは受けるし、面倒なのは水で視界が埋まると言う事だ。

 其処に突進してくる多種多様な車たち。中にはクレーン車もあって……ブンブンとハンマーみたいに振り回さないでいただきたい!


 と、そんな中、更に新しいゴーレムが現れた。


「って、今度は車じゃないのかよ!」

「マネキンさんはやっぱり来るんだね……ただ、サイズが違うけど。でもなんだろう、色々な服を着ていてずるく無い?」

「ファッションショーかよ……と、まぁ、あのマネキン自体は服を売る為に作られた様なものだしなぁ」


 とある通りにある巨大マネキン。アレをダンジョンがコピーしてゴーレム化したのだろうか、巨大マネキンが隊列を組んで押し寄せて来た。……これ、フィールドが夜中だったらホラーだよな。

 まぁ、今更マネキン? と思うかもしれないが、このマネキンがまた恐ろしい機能を持っていたり。

 こう、鼻から霧を大量に射出、腕やら顎やらがビョーーーーーーーーーン! と伸ばしながら攻撃と、まぁこれだけなら問題無いんじゃないか? と思うかもしれない。

 だが、この霧により車が見えなくなるんだ。霧の中から突如現れる車体……うん、魔力探査が出来なければ間違いなく轢かれるだろう。

 で、部位が伸びて来る攻撃だけど、これも単体だったら問題無い話。でも奴等は隊列を組んでいて数が揃っている。其処に突撃してくる車や放水してくる消防車だ。戦術的にバランスが良すぎるんだよ!


「マネキンの癖に! 嫌な所を補ってきやがるな!」

「車が突っ込んだ後、向きを変える為に行うターンを埋める様に攻撃してくるよね……これ、先ずはマネキンを壊すべき?」

「ただ、マネキンに集中すると働くシリーズがフリーになるんだよなぁ」


 という訳で、此処は一つカードを切らねばなるまい。




 さて、唐突だけどここで自分の防具についてお浚いしてみる。

 俺の防具は美咲さんのアラクネアーマーと比べ、随分と初期に設計作られていた魔導AI搭載フルプレートから変化している。

 手甲と足甲にちょっとした胸当て以外は、研究所のとんでも技術によって作られた、ファンタジー金属製の糸で作ったフード付きのコートが主体だ。うん、俺の要望であるガチャガチャと音が鳴らないようにしてくれと言う注文に全力で答えて貰ったという訳だな。

 ただ一つ言いたいのは、ゴーグルだけはいただけないのでは? と思う。うん、サバゲーでやるゴーグルなんだよねぇ……美咲さんはカッコいいバイザーだと言うのに。いや、もう少し形を変えて貰えばゴーグルでも良いんだけど、こう、一昔前の水中ゴーグルみたいな感じ? あのシュノーケルが付いてるちょっと丸っこい感じのやつ。まぁ、これは急遽作った奴らしいからその内変更される予定らしいけど。


 と、まぁ、そんなゴーグルだけど機能自体は完璧だ。マップ・暗視・魔力チェックなどなど美咲さんのバイザーとなんら変わらない機能を搭載している。

 それと同時に、ハンドガンのリロードが簡単になっていたりする。腰に四つホルスターが付いているんだけど二つは空きの状態。で、其処に打ち切ったハンドガンをしまうとあら不思議、勝手にリロードされているという仕様。ただ、そのリロード時間を埋める為にハンドガンは四丁ホルスターも四つと、交換しながら戦闘するという訳だ。……まぁ、今回は使えないけど。


 と、防具について語ったのは何故かと言えば、今から使う新兵器に関係しているから。……決して美咲さんのアラクネアーマーばかりが注目されていて俺の方がスルーされていたからでは無い。


 ウェポンバックからがさりと取り出したのは、見た目バズーカーといった感じのモノ。ただ別にこれはグレネードやロケット弾を射出するものでは無い。


「まずは……コネクト!」


 シュルリと飛び出して来たコードを魔導AI搭載の防具へ繋げた。瞬間、ゴーグルから映し出される情報が変化。


「えっと……結弥君、その武器なに? 初見なんだけど」

「秘密兵器の一つ。ま、その性能は実際に見るのが早いかな」


 美咲さんに返答しながら、ゴーグルに映し出される情報に向かって目で追う。

 すると、魔導AIがその視線に籠められた魔力を感知し、情報に対してピピピピっと音をだしながらカッコで情報を囲っていく。よし、準備は完了だな。


「それじゃ、いっちょ行きますか! マルチロック終了! 行け! スプリット型マナミサイル!!」


 トリガーを引くと、見た目バズーカーから巨大な魔力玉が射出。

 射出された魔力玉は途中で爆発したかの様に分裂。その後小さいミサイルみたいな形に変形し、ロックした車やマネキンに向かってバラバラな軌道を描きながらホーミングし着弾し……あちらこちらで魔法のミサイルが大爆発した。


「ええええええええええええええええええええ!? 何ソレ!! 聞いてない!!」

「うん、言って無いからね。まぁ、美咲さんがアーマーの調整をしている時に研究者達と悪乗りして作った武器だから」


 なんて事は無い。この武器は研究者達の暴走に俺が付きあわされて作った代物。ただ……こいつには大きな欠点がある。


「そんな武器があるなら、もっと使って行けば良いじゃん」

「いやいや、これ……問題が有るんよ、一発使えばクールタイムが必要だと言うのと、使用魔力が半端で無いんだ」


 このとんでも魔法を撃ち込む為に、このバズーカーは一度使うと高熱を帯びる。その為に連続で使用が不可能だ。

 そして、使用魔力の方は……まぁ、威力だけでも結構な量を使うのだけど、実は他で使う見えない消費魔力がデカい。

 何せ、AIの制御に使う魔力が莫大だ。……この武器を使った特殊な魔法でAIが担当している部分は、マルチロックとホーミング。その制御はロックする数が増えれば増える程負担が増えるのは当然。

 で、AIはその機能を十全に使う為に必要としているものが魔力だ。パソコンでいう電気だな。

 ただ、パソコンの様に積んでいる魔石バッテリー……では、このオーバーな処理を行うのは厳しい。魔力不足という奴だ。だからこそ、この制御の為にも俺自身が外部バッテリーとして魔導AIにも魔力を送り込んでいる。

 結果、俺が負担する魔力はこの特殊魔法武器に使うモノ全てと言う訳だ。


「ま、試作品だから仕方が無いんだけどな……此処から量産用にと調整されていく訳なんだけどね」

「試作かぁ……」

「そ、まだこの武器用のバッテリーカートリッジとかも作られてないからね……負担が凄いんだよ」


 恐らく、俺の持っている魔力の三割から四割持って行くんじゃないかな? 威力自体は申し分ないけど、そうおいそれと使えるような代物じゃないって事だな。


「って事で、武器の冷却もだけど俺自身の魔力チャージも必要だから、少しメインを任せたよ」

「アレかな? 遅延行為をやれば良いんだよね」

「そうそう、少量残して倒し切らない様にしながら戦闘ね」


 ウェーブ制ぽいからね。しかも時間制限は無いみたいだし……なので、回復の時間を無理やり作るという行為が出来る。

 モンスターを一体だけ残して、それを相手に防御メインで行動するだけ。まぁ、これはレベル差が有る程度有るから出来る内容なので、相手にするモンスターを選ぶ必要はある。が、美咲さん達なら大丈夫だろう。


 とは言え、新兵器を使ってみたけどまだまだ改良点が有りすぎるな。まぁ、戦闘データ自体はAIが記録してくれているのでメモを取る必要は無い。うん、実に良いモノを婆様達は作ってくれたな。

 さて、この後何が出て来るかだけど……巨大マネキンが出て来た時点で、車縛りで無いのは解った。となると、後は何が有るだろうか? 中央のオブジェが気になるけど、動く気配は無いからなぁ。


「グレネードや魔法が通用する相手なら良いんだけどね」


 ま、まだ俺には精霊憑依もあるし、美咲さんはユニゾンを残している。イオ達も普通に戦っている所を見ると、リッチとの特訓の成果は伏せている模様。

 カード自体はまだあるか……それならある程度なら大丈夫だと思うけど、出来ればそろそろ終わって貰いたいところだな。

 体力は大丈夫でも精神的疲労は蓄積されるんだよ……甘いモノで誤魔化しているけど、それも有限なんだから。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます!!


って事で、いきなり新兵器登場! ま、ハンドガンと言うか実弾が通用しなくなった敵が大量に出てくるシーンで出す予定ではあった武器です。

そして、前回言ってたのは某人形。よく変化するアレですね、真面目な話、顎がびよーんと伸びて地面を貫くような表現があったり、鼻息ぶしゅー! をやったりと、中々面白い事をされてますよ。

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[一言] そのうち、複数個のデータをリンクして射撃統制出来るようになるのでは? この調子だとCIWSやイージスシステムまで作りそうて怖い・・・
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