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三百三十五話

 さて、面倒な屋敷を目の前に俺達は突入するべきか否かを悩んでいる。

 とは言え、出口が無いのだから突入しか選択肢が無いのだが……出来れば他のルートが欲しいと言うのも事実。


「屋敷に突入した際に無事戻れるのかってのも問題だしな」


 屋敷から漏れている圧力が半端ない。例えるなら、あのオーガと出会った時と同じ雰囲気とでも言えば良いだろうか。

 勝てる要素が無い強者に遭遇した……そんな気配だ。


「ただ、他に出口が無いんだよね? だったら入るしかないけど……何か他に攻略する手段は有るかな」

「うーん……他に方法かぁ……」

「た、例えば……ほら! 屋敷を焼いちゃうとか!」


 何とも過激な発言を。

 とは言え、外から攻めるのは有りか。こう四方八方から一気に攻撃を仕掛けて、相手が出れない様にしながらなら……可能性は有るか? いや、普通に考えて其れで倒せる訳が無いか。


「オークの時に水攻めをしたよね? その時キング化した奴と他数名が生きてたんだけど、其れと同じで倒しきれないと思うよ」

「うーんダメかぁ……」


 それに、そもそもこの屋敷内のモンスターが何かの確認をしていないからな。火で強化するような奴だったら燃やすのは不味いだろう。


「ここで考えられる選択は二つだろうな。食料の余裕がある内に屋敷の調査をするか、それとも別の出口が有るかどうかを探すか」

「……それ、実質選択肢は一つじゃない?」

「いや解らんよ? もしかしたら他にもダンジョンの出入口が有るもしれないからな」


 とは言え、実際に可能性は限りなく無いと思うけどね。




 そんな訳で、少し時間を掛けてどうするかを話し合い、結局突入しかないのではと言う答えを出した。

 ただ、そうなると問題になるのは、屋敷内でどう行動するかだ。何せ、屋敷の中ともなれば行動は制限される。風なんて一番その制限が大きいだろう。


「まずはどういう感じで攻めるかだけど……イオと双葉の組み合わせはいつも通りとして……」


 このペアはもう固定だよな。恐らく屋敷内でも縦横無尽にイオが駆け回ってくれるはずだ。そして、其れを双葉が蔦の鞭や彼女用の銃で上手い事フォローしてくれるはず。


「で、風なんだけど……室内次第では色々と厳しそうだから、基本美咲さんの肩にでも乗って風魔法の固定砲台かな? 後ろなんか警戒してくれると楽かもしれないね」

「あ、それなんだか鷹匠みたいだね」

「そうだね。魔法を撃つ鷹って言うのも凄いけど。もし突撃をするなら美咲さんの判断でゴーサインを出せばいいと思うよ」

「だって! 風ちゃんがんばろうね」

「ピュィ!」


 さて、最後尾は何時もながら俺が務めるとしよう。


「次にだけど、突入する際どうするかだな……個人的にはドアをぶち壊しておきたい」

「退路の確保って事?」

「そうそう。扉が閉まって不思議な力で開ける事が出来ませんとかってパターンは嫌だからね」

「でも、そういう場合だと扉とか壊せないんじゃない?」

「かもね。ただそうじゃないかもしれないから、突入前に破壊出来るならって事……ただ、その際下手をすれば屋敷の主がぶち切れそうだけど」


 退路の確保は重要だ。逃げた結果実はもう……なんてパターンはよくある話で、と言うか、もう既にダンジョンに捕まってるんだよな。

 とは言え、屋敷内と迷うとは言え森の中では移動出来る広さが違いすぎる。広く木々によって視界が遮られると言う森の中は、逃げる事だけを考えればそれだけ生存率は上がると言う訳だ。

 だが、此処で美咲さんに言ったように、其れを行えば最初から屋敷の主が激怒してくる可能性が有る訳で。

 どちらの可能性を取るかと言う話を皆で決めようと言う訳だ。


「うーん……扉一つで怒るなら、屋敷に入って色々やった時点で怒らないかな?」

「ぷんぷんするとおもうの! だから、最初からこわしても問題ないの!」

「まぁ、ゲーム的考えを持ち出すのもあれだけどさ、大抵こういう時のお約束って屋敷内にボスを弱体化させるアイテムが有ったりすると思うんだけど……探索をしない方針で行く?」

「むむ……ゲームってのがわからないの!」

「あー……ちょっとした昔のお遊びだよ」


 ただなぁ……自分で言っててどうなんだとは思っている。何せ此処は試練のダンジョンで無い可能性が高い。

 データに合った高難易度ダンジョン……侵入者を確実に殺しに来ると言うダンジョンの可能性が高いんだ。

 であれば、そんなお助けアイテムが有るとは思えない訳で……まぁ、俺の発言は一種現実逃避に近いモノでも有ったりする。と言うか、望みだよな。


「まぁ、確証が無い物だしそれにすがる訳にはいかないけどな」

「手持ちで何とかするしかないって事だよね。うーん……それなら……先ずはちらっと屋敷の中を覗いてみるとか?」

「……試練のダンジョンならそれも有りだけど、此処が高難易度であればそれは危険かもな」


 扉を開ける事でトラップが発動して落とし穴が発動したり、毒矢が飛んで来たり、爆発が起きるなんて可能性は十分にある。

 読んだ情報によると、二層に突入した瞬間際、すぐ落とし穴が有って数名が落ちて行ったなんて話も有った。

 であれば、ドアなんてものは要注意と言っても良いだろう。


「面倒だな! やっぱ吹き飛ばすか」

「えぇぇぇぇ!? 結局そうなるの!?」

「トラップの事を考えたり、退路の事を考えたりすると破壊するのが一番早くないか?」

「確かにそうかもしれないけど……それで良いの!?」

「偉い人は言いました、「トラップは破壊して進め」と言う事で、アンチモンスターライフルで一気に吹き飛ばす! っと、その前に、屋敷をぐるりと見て回ってからにしようか。他に入れる場所とかあるかもしれないし」

「あ、うんそうだね」


 考えすぎても仕方ないからな。とりあえず色々調査をするとしましょうか。




 ぐるりと屋敷を一周してみる。

 それで解った事はと言えば、屋敷はそれなりに大きい……とは言えそれなり程度だ。まぁ、二階建ての洋館だな……屋根裏部屋も有りそうだけど。

 で、何と言うかお化けでもでそうな雰囲気。うん、廃墟だね。とてもじゃないが手入れが行き届いているようには見えない。

 となるとだ……出てくるモンスターは何だろうか。


「レイス系? もしくは骨かリビングアーマーか? 腐敗臭はしなかったからゾンビとかは無さそうだな」

「オークやコボルトやらゴブリンも無さそうだよね。窓から少しだけ見えた感じからして、あれは廃墟を拠点として利用している感じも無かったし」


 ただ、もう一つの可能性は口に出すか悩む。何せ、美咲さんが物凄く嫌がるだろうからなぁ……まぁ、あれだあれ。虫系モンスターの拠点になっている可能性。

 森の中でこれだけ虫が出て来たんだ。であれば、このダンジョンの主は虫系である可能性が高い。

 蜘蛛の巣にゴブリンやらオークが捕獲されていただろうって? そんなもの……ダンジョンの外に出て来ている可能性だってあるし、ダンジョン内で〝食用の家畜〟として作り出されている可能性も有るからな。

 もしかしたらダンジョンとか関係なく、モンスターたち自身が人間が豚や牛を飼育するみたいにやって居る可能性もあるし。


「さて、とりあえず他の出入り口は無かったと。まぁ、窓と言う侵入経路は有るけど……」

「他にも有りそうだけど見つからなかったからね……やっぱり扉を破壊するの?」

「それが楽じゃないかな……という訳で、ドーーーーーーーーーーン!」


 美咲さんの反応を待たずにアンチモンスターライフルでなくグレネードを扉へと投げつける。


「ちょっと!?」

「さて、それじゃ美咲さんとイオ達は少し木に隠れておいてね。先ずは反応を見るよ」


 さてさて……屋敷の中は一体何があるかな? 双眼鏡を用意して、カメレオンコートを深くかぶってから木に密着っと。


「おや? おやおや? 扉は破壊出来たみたい。だけどモンスターは出てこないね」

「そうなの? 良かったぁ……で、屋敷の中はどんな感じ?」

「えっと……うげ、まじかぁ……」

「え? 何? 何なの?」


 これ、美咲さん嫌がるだろうなぁ。言わなくても結局見れば解っちゃうんだけどさ。

 屋敷の中……蜘蛛の巣だらけだ。これ、間違いなく大きい蜘蛛的なモンスターが居るよね。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます!!


おいおい結弥……其処で短絡的に行動するのかよ! と言いたくなりますが、えぇ、彼もまたダンジョンに閉じ込められたことと虫ラッシュで精神が摩耗した結果、強引にいっちゃえ! となったようです。

とはいえ、隠れて様子を見る判断は出来たようですが……まぁ、嫌ですよね。虫の破片やら汁が体中に着くの。SAN値も削れると言うモノです。

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