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百八十九話

 休息ポイントで休みながらメモを記入しつつ、次がどんなモノかを確認しておく。

 上空では、襲撃こそ無いものの鳥が集まっている状況に変化は無い。できれば何処か去ってくれれば良かったけど、そんなに甘くないという事か。

 そして本編だろうアスレチックはと言うと、俺からすればヌルゲーか? と思ってしまうモノだ。

 何せ、ロープが大量に吊るされている状態。これはロープを掴んで行き、次へ次へと進めって事なんだろう。そして、両手がロープで塞がっている状態で鳥の襲撃を受けるのだろうな。


「ただ、双葉が居るから予測できるモノの殆どが対処できるよな」

「んー!」


 まかせて! と、ファイティングポーズをとる双葉。実に心強い返事だ。

 まぁ、実際に双葉に結構頼る事になる。鳥の襲撃に関しては、双葉が対処してくれば俺はロープに集中出来る。

 それに、こういったモノでのトラップとなると、握って引っ張ればロープが落ちるか、全体重をかけた場合ロープが落ちる……まぁ、基本ロープが落ちる。

 その手のトラップだったのならば、双葉の蔦を使い違うロープに括りつければ良い。

 それ以外でも結局の所は、ロープを引っ張る事で何かが起きるパターンが多い訳で、基本的にその瞬間に警戒をしておけば、大体の事は対処出来るだろうな。


 一応他のパターンも考えておくか。

 とはいっても、引っ張る事で物が落ちてくる……結局落ちネタだ。まぁ自分が落下しないだけで、頭上注意と言うやつだな。

 横から投石や矢が飛んでくる。まぁ、鳥の襲撃が有るだろう時点で注意するのが当然だ。

 これで、上と左右に後方は危険と……前方は目視出来るから良いとして、下から来るぞ! と言うパターンは有るだろうか?

 まぁ、足場が無いという意味では危険だが、それはロープを掴んで渡って行く時点で、当然の話だから置いておく。

 下からモンスターが飛びついて来る可能性は……まぁ、落下する高さ的にみてジャンプした所で届かないだろう。飛行できるモンスターだと、既に鳥が上空に陣取って居るんだよな。

 まぁ、急降下攻撃の後に上空へと戻る際、下から襲撃するパターンは有るかもしれないか。ただ、下が川とかになって無いので、動きはまだ見える。


「って、これ全方位危険って事じゃないか」


 その危険の理由の殆どは鳥なんだけど。まぁ、その鳥さえ注意すれば割りとクリアしやすいか? 兎に角どれだけ素早く次のロープを掴んで、移動して行けるだろうかって事かな。


「しかし、ブランコの橋で足を使った後は、ロープで手を使えって事か……これ、装備持ちながら出来ないから、相当面倒だよな」


 まぁ、パーティーで来た場合だと……この階層で言えるのは、遠距離攻撃で援護しながら移動して貰うしかないって事だろうか。

 何せ、全てのアスレが一人ずつ挑戦するしかない。余っている人間は基本待機だ。全員が、テンポ良くリズムを合わせて飛べるなら別だろうけど……無理な話だろう。

 なので少しでも成功率を上げるためには、鳥達を撃ち落す。これをやってもらうに限るだろう。


「しかし、垂れるロープを見る限りターザンごっこは出来なさそうだな」


 それをやってしまえば問答無用で落ちるか、先にあるロープに絡まって動けなくなりそうだ。まぁ、片手を伸ばしてロープが掴める距離だからな。割と密集して居ると言っても良い。

 しかし……だれか、リアルにシフトボタンを下さいっと思ってしまうな。押しっぱなしにしてれば、最悪落ちる事が無いから。まぁ、ゲームの中でなんだけど。


「さて、馬鹿な考えは横に置いておくとして、そろそろ行こうか」

「ん!」

「おう、双葉には後ろや横を任せたぞ」


 それじゃ、双葉も蔦を出して準備も終えたみたいだし、さくっとクリアして次へと行きますか。




 ヒョイヒョイと右手でロープを掴んでから、左手のロープを放して次のロープを掴む。それを交互に繰り返しながら前へと進んで行く。

 ダンジョンが出現する前だったら、こんな事出来ただろうか? いや、少しは進めたかもしれないが、途中で力尽きていただろうな。そう思うぐらい腕力だけで移動している。

 両足でロープを挿めば少しは楽ではあるんだけど、それをやっていると鳥が何処からか襲撃をして来る。まぁ、双葉が迎撃してくれているので、余裕が無い訳じゃないが……移動をとめれば襲撃数が増え、防戦になってしまう可能性がある。


「そうなると、双葉が居ない人達はどうしようもないからな!」


 双葉が居たとしても、それは一時的に防戦出来るだけで、長期戦となれば抵抗が出来なくなるのは目に見えている。

 なので此処は、動きを止めずに次へ次へと移動するのが正しいだろう。……ブランコの時と何も変化が無いな!


 そして、道中予想してた通りというべきか、ロープを掴んで引っ張れば、ロープがスルリと落ちていったり、上から石や岩が落ちて来たりと、なんら面白みの無い仕掛け。

 当然だが想定していた事なので、焦る事も無く次のロープを掴み移動しながら回避を、双葉の蔦を使い石や岩を打ち払うなど、問題が起こる事無く対処をした。うん、予想できていれば如何にでもなるって事だな。

 そして、それは鳥に関しても同じで、しっかりと双葉による迎撃が機能した状態だ。まぁ、双葉には下にも注意が必要だと言っておいて良かった。

 急降下した後の鳥が、戻るついでに突撃をして来るからな。とは言え、そう多い数では無いみたいだけど。


 それにしても、片手をロープから離した瞬間に、掴んでいるロープが落ち始めるのはヒヤッとするな。

 たしかに全体重かけたら落ちるのも有るんじゃないか? とは思ったけど、実際にあると予想していても心臓に悪い。

 いきなり、ズルリとロープが落ちる音がして、掴んでるロープごと落ち始める訳だから仕方ないけど。

 ただ、そうなってもロープを直に放して違うロープを掴む事で、落ちずに済むんだけどな。今の所は無いが、これがロープを掴んだ位置がギリギリだった場合は、寿命が縮む思いを感じるんじゃないだろうか。

 まぁ、掴みそこなった場合は落ちてしまうから、怪我をしてリタイアか、アスレやり直しって事なんだけどな。


「とは言え、前半二つよりは楽だな! 双葉は大丈夫か?」

「んー!」


 元気の良い返事と共に、ビシッ! と鳥を打ち落した音が響き渡った。うん、双葉は鳥の打ち落としを堪能しているみたいだ。これなら、ゴールに着くまで鳥に襲われる事は無さそうだな。




 そんなこんなで、結構な距離が有っただろうロープコースを難なく渡りきった。それと同時に、鳥の襲撃が……増した! なんで!?


「やばいな! 双葉迎撃続行で! とりあえず、前に進みながらだから、後ろは任せた!」

「んー!!」


 後ろから追撃してくる鳥達を双葉に任せて、前方から来る鳥を散弾魔法や盾を使いながら迎撃しながら、前へと進んで行く。と言うか進むしかない。


「これだと、まるで時間制限有りのゲームで焦らされてる気分だな」


 もし今回のコンセプトがそれだとすれば……此処からあるのはトラップコースか? とは言え、迎撃しながら走りつつ、トラップの種類を考えるなんて厳しいぞ。

 それに、十フィート棒が使える状況下じゃない。なので足元の危険を探す事が出来ずにいる。これはかなり厳しいな。

 そんな中、足元でカチッと言う音が聞こえてしまう。


「やば! なんか踏んだ!!」


 しかし、踏んだ瞬間に起動しなかった? となると時間差か、それとも足を離した後に何か起こるパターンだろうか? なら、話は早い!

 前者ならダッシュで駆け抜けるしかない。後者なら……重い物を乗せれば良い!


「魔法の出番だな! 土魔法で足元を固定してやる!」


 踏んだ位置を固定して、スイッチが戻らないようにしてから、一気にダッシュ! これで、どちらのパターンでも回避できるはずだ。

 うん、踏んだ瞬間に起動するタイプじゃなくて本当に良かった! しかしこの手のトラップが出てきたって事か。

 起動した状況は見てなかったから、内容は解らなかったけど足元にあったし、恐らくは地雷タイプだろうな。だとすると、下手をすれば即死か運が良くても足が一本失ってしまう、そんな感じだろうか。


「……いきなり難易度と言うか、危険度が上がった感じだな!」

「んー! んんーー!!」


 双葉が何かを叫んだ瞬間に、鳥が地面へと突撃した。

 そして……鳥の運が無かったのだろう。突撃した場所には先ほど俺が踏んだ物と、同じトラップと思われる物。

 そして、地面に激突した鳥が復活し、再び空へと飛び上がろうとした瞬間に大爆発を起こし、鳥は爆発四散。それと同時に、その爆破で石が飛ばされ、その石によって更に鳥が打ち落とされるという、なんとも言えない光景。


「って、こっちまで石が飛んでくるじゃないか!」


 飛んでくる石の勢いがいい為に、当たってしまえば怪我をしてしまう。ただ、爆破により鳥の行動が停止した状態なので、ここは一旦立ち止まって、盾を構えて飛んでくる石や砂に備えておく。


「あぁ! 地面で跳ねる石が盾の隙間から足とかに掠る!」

「んー!!」


 タワーシールドじゃないので、全てをガードできる訳じゃない。土魔法で壁を造るべきだったが、咄嗟の事で先に盾を構えてしまった。此処ら辺は要反省点だろうな。

 そして、俺が壁を造る前に双葉が蔦で盾の周りを覆い、蔦によるタワーシールドを作り上げた。


「おー……双葉ありがとう!」

「ん!」


 ぐっと、ファイティングポーズをとる双葉。実に頼もしい子だ。

 この蔦によるタワーシールドが、かなり頑丈だったのか飛んでくる石等からしっかりとガードをし、抜けてくる物が無くなった。


 そうして、安全を確保した状態で爆破をやり過ごし、動けるようになってから周囲を確認してみる。


「あらあら……クレーター出来てるよ。これ、まともに食らったら即死じゃねーか」


 うん、踏んだ瞬間に焦って足を離さなくて良かった。もし、足を離していたらこの威力を受けてた訳だからな。

 それにしても、周囲の魔力が乱れている……となると、これは魔力的な爆破だろう。少し魔石を暴走させて爆破させた時に似ている感じがするな。


「ん? って事は、これを何処かで見た自衛隊の人が魔石爆弾を思いついたのか?」


 うちの村だと、研究してたら偶然発見したって感じだった記憶があるけど、偶然が無い場合だとこの現象を見たから、其処から発想したってのはありえそうだな。

 ただ、その場合だと誰かが、もしくはモンスターが踏んで爆破したって事何だよな。うん、あまり考えないようにしよう。


「それにしても、大爆発が起きたからか鳥が一気に減ったな」

「んー!」

「あー……そうだな。今のうちに周囲を調査しながら先に進んだ方が良いな」


 現状だと鳥達は爆破で即死したか、石や衝撃を受けたため生きてはいるが目を回している状況だ。

 なので鳥による突撃が無い今なら、地雷を探しつつ先へと進む事が出来るはず。

 十フィート棒を取り出して、周囲を調べながら前へと進むとしますか。あー……それに、魔力的な爆発と言う事は、魔力探査にも引っ掛かる可能性が高いな。よし、そちらも確りとやって行くとしよう。


ブックマーク・評価・感想・誤字報告ありがとうございます!!


書きつつも、アスレゲーげやりたいという衝動が抑えれないw

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