Road4 敵に対する容赦なし
1年以上の空き投稿、正直文章書くこと自体がなかったので文章力の低下が乏しいェ
せめて月1投稿くらいにはしたいところデス
家を後にし、人に見つからないように城下外の門の馬車まで移動をしていた。
しかし、ただ隠れながらの移動だけではなく自分の偽物が犯したことによる街の影響の確認も目を向けていた。
町の人達の様子を遠目からうかがってみると、やはりいつもとは様子が違う。
普通に動いているようだが、ところどころ動きがぎこちない部分が見える、目の前の仕事に集中しておらず、別の何かに気を向けている感じがするのだ。
明らかに不自然なのは人々の目がみんな生気が宿っていないことだ、先ほどは咄嗟のことだったために細かい動きまでは把握できなかったがアルターはこの人々の現象に見覚えがあった。
「あの野郎、片っ端から洗脳してやがったか…」
城で洗脳された兵士も洗脳されたときに目から生気がなくなり、こちらを始末することのみに意識をむけていた。
そんな人々の状態を察するに彼らが向けている[別の何か]は間違いなくアルター・ロードの偽物を探している。
洗脳がかかっていたのは少なく見ても50人は超えている。城から城下外門までの人間は手当たり次第に洗脳されているようだ。恐らく、洗脳される人間はこれからも増え続けることだろう。
「町の全員が敵とか、容赦なさすぎねぇか…?」
すでに町のいたるところにアルターは指名手配されており、偽物がやってきたであろう罪は全部本人に擦り付けられていた。
町には兵士たちも駆り出されており、普段はあまり見ることもない戦闘状態で行動している。
偽物の徹底的な行動に対して、流石のアルターも身震いした。
町の様々な裏道を使いながらようやく馬車までたどり着いた。馬車には異常がないか警戒しながら確認すると城の兵士の姿が見えた。
「お、やっと来たか」
ーッ!
声に気を留めず、直感的に兵士に向かって銃と剣を構えるアルター。本来なら兵士であっても少しは警戒してしまう状況、先手を取って構えたアルターが有利であるはずだ。
しかし、兵士は臆することなく向かい一瞬のうちに銃を奪い、剣をはじき、流れるようにアルターを組み伏せ、銃口を向けた。
その流れる攻撃を受けた時、ようやく兵士の正体に確信を覚えた。
「ったく、味方に武器を向けるなんてどんな了見だよ…アルト」
兵士にしては情熱が薄く、普段からやる気のなさそうなダウナーな口調、そのわりには戦闘経験が特出して高く、そして自分をアルトと呼称する赤髪の人物。
自身の師であり、アルターから言わせれば給料泥棒である城の門番、リュウガであった。
「いてぇな…仕方ないでしょう。城の兵士なんてみんな洗脳されてるもんだから、そりゃ警戒もしますって。逆にアンタが洗脳かかってないことのほうが不思議でならないですよ。」
崩れ敬語で悪態を付きつつ、なぜリュウガだけは洗脳にかかってないのかの疑問を投げつけた。
「ちょうど休憩時間で城門にいなかったんだよ。
んで、生意気なガキが王様に不敬かましてないか様子を見てたら今回の事件を知って、偽物に見つかるより先に城を出てたってワケ。そして、さっきお前の母親に連絡入れた時に馬車の手配頼まれて今に至る。OK?」
「OKっす、攻撃に関してはすいませんでした。・・・いい加減、放してもらっていいすか?」
やや悪態を付きながら回答するリュウガ、謝罪はするがいつまでも組み伏せられていることには不満のアルター。
気を取りなおし、二人は馬車に乗り込み出発する。
「冒険譚とかなら[ある程度の年齢になった日に、見送られながら外へ飛び出す。]って王道の出発になるところなんすけどねぇ~」
「まぁ[国に追われて外に逃げ出す]って展開も、そう珍しくはないと思うけどね。」
確かにそうすねと返し、黄昏れながら目的地の町まで進攻していく二人。このまま安全に着くかとおもっていたが・・・
[ヴォォォォ・・・]
まだ昼時というのに不気味なうめき声が聞こえてくる
声につられ、前方をみると10は超えていると思われる数の敵に遭遇する。
すでに向こうはこちらを見つけており、一目散に近づいてくる!
「はぁ、虚偽者の群れかぁ・・・何事もなく通りたかったのに、めんどうだなぁ」
リュウガがつぶやいた虚偽者。一見すると人の形をしている姿が多いが攻撃によって形を変え、普通の打撃を使うのが主ではあるが手足を伸ばしたり、または飛ばしたりするなどで中・遠距離にも対応している。
耐久力と速力は弱いが、反面で攻撃力はとても高いため並みの兵士程度では食らっただけで致命傷になるほどの強敵である。
さらに基本群れで行動することはないので単体であれば先手を打てば倒せるが、群れになると敵を囲い込んで順番に絶え間なく攻撃してくるため、群れのときには戦闘職であってもそれなりの味方がいなければ即時に肉塊と化してしまう。
「アルト、虚偽者は前に少し戦わせたことあったろ?俺は馬車守ってるから、敵の相手は任せるねぇ~」
「アンタ俺に死ねっていうのか!?」
めんどくさがって弟子に全部任せようとするリュウガにアルターは崩れ敬語さえ取っ払って猛抗議する。
そもそもアルターが前に戦ったといっても、そのときは単体であった上に、不意打ちありきで戦闘したものなのでまともな戦闘になったこと事態が少ない。
その程度の経験しかないアルターにとってこの状況を始末しろというのは死ねというのも同じである。
「やだなぁ、考えなしには言ってないって。そもそも君、武器以外で使える物あったろ?」
その言葉を聞いて自分が持っている物を思い出したアルターは渋々と敵の方向に向き合った。
「[新しい力は試すべし]ってのがアンタの教えだけど、ちょっと試す相手にしてはキツいでしょ・・・まぁいいや」
そうつぶやき、空色の石を取り出し砕き割った・・・
「せっかくだからな、相手してもらおうか!」
強化結晶を砕き、まずは敵に銃を向ける。空色の結晶を砕いたことによりアルターの感覚はいつもの数倍鋭くなっていた。
ひぃ、ふぅ、みぃ……4体がこちらに気付き、向かってきている敵数だ。向かう敵に対して銃を構えるが、不規則に動き回る敵を殲滅するにはいささか厳しい。
確実に狙って倒せる敵に照準を合わせなおし、まずは敵がこちらに到達する前に、敵の頭数を減らす算段にでた。
「コイツと、ソイツと、アイツも行けるな。」
動いていない敵に対して次々と発砲していき、弾丸は敵の弱点を正確に打ち抜いている。銃撃に気付いた敵が遠距離攻撃を使ってくるが、余裕ある表情でかわし、一匹ずつ確実に対処している。
敵の数も半数を撃破したところで弾は切れてしまい、到達してきた敵に接近戦を余儀なくされるが、まるで読んでいるかの如く攻撃を流し、無駄のない攻撃を当てていく。
敵の遅い攻撃には当たる前にこちらから攻撃し、速かったり威力の高そうな攻撃には、躱し受け流しで同士討ちを狙いながら、次々と敵を無力化していく。
無駄なく、動きも少なく、疲れを少なくするように戦って、アルターは効率よく敵を残滅していた。
そう長くない時間で全ての敵を殲滅し、あとは何事もなく馬車に戻っていく・・・はずだった。
「あ、れ?感覚、が・・・」
そうつぶやき、馬車にもどる途中で倒れこんでしまった。
(なんだよこれ、頭が割れそうだ・・・)
そのままアルターは気絶してしまった。
「まぁ初戦じゃこんなもんかな、むしろ途中で倒れないだけで上出来としとこうか。・・・さすがに強化結晶の副作用に慣れるのはまだ時間かかりそうだけど」
気絶したアルターを抱え、馬車へ戻りまた進み始めた。
「・・・んぅ、あれ?」
あれから時間が経ち、空はもう紅く染まっていた。
「あ、やっと起きた?気分は?」
「・・・まだ頭痛い。最悪ですよ。」
気絶から覚めても副作用はまだ残ってる。正直二度寝を決め込みたいアルターであったが、リュウガに話があると言われ眠るのを我慢した。
「もう少しで町に着くけど、町に着いたらここからは僕は別行動をとるよ。僕の役割は今回の事件の周囲喚起だからね。」
それは承知していた。いざという時のために味方として付いていてほしいと思ってはいるが、リュウガ自身には別で任務がある。名残惜しいが自分のためでもあるので駄々をこねるなどはしなかった。
「それともう一つ、今の[アルター・ロード]って名前がもうすでに城の外に漏れていても不思議じゃない。だからここからは偽名を使って旅をしてもらうよ。」
そう言われ、一枚の身分証を投げ渡された。その身分証の名前にはこう記載されていた
【アルト・ファクティス】
「なんか、名前のほうでバレそうですけど」
「呼ばれたことのある名前のほうが認識しやすいだろ?」
それもそうかと納得し、身分証をしまった。町の入り口も見えてきたところでリュウガはアルトに師弟同士の確認をとる。
「さて、ここで一旦お別れになるんだけど・・・最後に今まで教えたことの基本を復唱しようか」
「んぁ?なんでまたそんなことを・・・」
いいからと催促され、渋々ながら声に出す。
「一つ・新しい力はまず試せ!」
「二つ・敵対しても余裕を持て!」
「三つ・魂のかぎりをつくして世を楽しめ!」
よし!と満足そうにリュウガは満足そうに微笑んだ。アルトは何がしたかったのかと呆れていた。
「そっちの仕事、頼りにしてます。」
「任せなさいな、そっちも道中でへばんないでよ。」
町に着き、ふたりは軽口で別れを告げてそれぞれの方向へ足を向けていった
主人公の改名、アルト・ファクティスですが、ファクティスはフランス語で「まがいもの」を意味するそうです。
名前に[偽]と近しい意味のものをつけたくてこの名前にしました。