表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/17

Road3 前門の虎後門の狼 

期間を開けての3話投稿です。偽物が現れてしまい、洗脳とかいうわけわからんチート使われて何とか逃れた主人公。彼はこれからどう行動していくのか?ぜひ、ご期待ください…

「…にしても、ちょっとばかし調子に乗りすぎたな。」

逃げる際に兵の攻撃をかすめてしまい、少しばかり出血してしまっていた。傷を隠しながら街中を歩き、ようやく自宅が見えてきた。


「ただいま。」

城から逃げ出し、やっとの思いで家にたどり着いたアルター。家に帰った少年を迎える母からは「お帰り」


・・・ではなく『昇竜拳』をたたきこまれた。


綺麗に空中へ飛ばされ、地面に落下していった息子を前に淡々と確認をとる母。

「ねぇ、家から出かけて今までどこにいってた?何をしていたの?」


地面に仰向けになりながら質問に答えた。

「城にいた、書を受け取ろうとした、面倒なことになった。」


説明をだいぶ端折って話す。母の鋭い目つきは未だにとれていない。


「取り合えず、確認の前に手を挙げるの勘弁してくれよ。面倒ごとの部分が割と緊急事態なんだ。」


ようやく家の中に入り、傷の手当てをしながらこれまでの経緯を話した。


 自分の書が盗まれていたこと、自分の偽物が現れて人を洗脳できる能力をもっていることを話し、母からはその偽物が町中で窃盗を働いていたことを聞いた。


「つまり俺の偽物が、街で悪評を広めるために動いていた。でもってある程度広まったあたりで王に洗脳を使って俺を始末しようとした…」


「そうなるね。多分向こうは本物を始末した後で、書の所有権を完全に自分の物にする算段だったんでしょう。悪評を垂れ流し、アンタを自由に動けなくして、片が付けば洗脳で元通り…って感じか。」


アルターが出来事を結び、スロウが偽物の目的を考えていた…


長く頭を悩ませている中で、スロウが口を開く。

「これからどうするつもり?家に居座ってても追手がくるだけでしょう?」


「どうもこうもないな。今から戻って取り返す…なんてのは自殺行為に等しいし、かといって取り返すのをためらって力を付けられたり国外に逃げられるとアウトだ。」


タイムリミットはある、しかし現状では実力が足りない。


絶体絶命とも言えそうななかで、アルターは答える。


「とりあえず、いろんな場所に行って協力をもらってくる。幸い、洗脳前に王サマが出した伝令で状況が伝わってる所もあるだろうしな。」


城下町をでて、各地に協力要請しに出かけようとするアルター。しかし外に出るにも鬼門があった…


「今のアンタのステータスで、まともに生きていけるの?」


そのとおりだ。書が奪われて職にも就けていないこの有様で外に出ることも自殺と同じである。

城下町の囲いを抜ければ敵がたくさんのファンタジー世界。血生臭さと理不尽あふれる危険区域。

戦闘職ではない者がいたずらに乗り出せば、身を滅ぼすほどに非情な世界。


そしてもう一つ、外で例え死んでしまっても『冒険の書』があれば復活は可能だ。しかしアルターには現在、復活するための書は盗まれてしまっている…

戦闘職ではなく、モンスターとの実戦経験もなく、一度でも力尽きれば即終了の崖っぷちにアルターは立たされていた。


「詰みすぎでしょう、これは。」

「…進んでも戻っても死ぬとか、冗談キツいぜ。」


冗談ではありません。現実です。これが現実…ッ!


「それでも、仕方ないものは仕方ねぇさ。リスク無しで上手くいくなんて、虫が良すぎる話だからな。」


そう告げると席を立ち、出発の準備に取り掛かる。

着ていたスーツを脱ぎ捨て、動きやすいジーンズとインナーシャツに着替え、グローブを身につけ、少し丈夫なジャケットを羽織る。小物が多少入るベルトポーチに少量の金銭を詰め込んだ。

そして

「まともにやりあったら殺される外の世界。死んだら終わりの俺に、使える武器なんざ限られてくるな。」

使われてなかった片手銃と、まともに握られていない短い片手剣を装備して準備を完了する。


「そんな装備で大丈夫か。」


スロウが出発前のアルターに対し、確認する。

どうでもいいほどの余談であるが、この世界の武具屋は客に必ずと言っていい位このセリフを使ってくる。


「大丈夫じゃない、問題だ。」


そりゃそうだ。まともな実戦経験が少ないにしても少しの戦闘訓練は受けていたアルターだったが、武器をまともに握った経験はない。今の前衛に出られないアルターはそれを選ぶしかないと分かっていたとしても、技術面に大きな問題があった。


「まぁ、こんな状態じゃまともな武器は持てないか…なら、これを持っていきなさい。」

そう言ってスロウは様々な色の石を複数手渡した。

「何これ、石?」


強化結晶(小)(バフストーン)、砕くと効果を発揮しするの。一時的に対応した色の結晶によって自身を強化してくれるわ。でも、効果が切れた途端に使った分に応じて疲労やダメージが襲ってくるから、重複や乱用は避けてつかいなさい。」


緑が回復、赤が筋力、黄色が防御力、青が速力、空色は集中力といった具合に割とわかりやすい色と強化内容をしている。

さらに(小)(ストーン)とあるように上位種の(中)(ロック)(大)(クリスタル)も存在しており、大きさに比例してメリットもデメリットも大きくなる。


「…使わねぇに越したことはないけどありがとう、助かるわ。」

結晶の力に耐えれるかすら危うい体だが、何もないよりは遥かにありがたいので受け取ったアルター。


 そしていよいよ別れを告げる。


「すこし…いや、すごい長い散歩に行ってくるわ。偽物のツラをぶちのめしたら、必ずここに帰ってきます。」


「そうね…準備中に門前の馬車に話は通しておいたよ。気を付けて、いってらっしゃい。」


「あぁ、行ってきます!」


出かけの挨拶を交わし、門前の馬車に向かう少年。少しずつ遠くなっていく我が家を背にし、過酷になろう旅路に足を踏み出す。

趣味の一つとして執筆しているライトノベル…

その趣味に割ける時間がない! 日中は学校なのはいいとして、放課後は毎回周6でバイトはちょっと無いわ~ しかもバイト休みだったとしても平日にバイト休みだから休める時間すらないよ。

就職時に願うものは週休2日制です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ