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夏の風  作者: 常盤夢人
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あの頃

人ごみをぬう様にして4人で食事できそうな店を探した。

どの店も家族連れやカップルで溢れていた。みんなで昼ご飯を食べたら、もうすぐ花火だ。

以前の花火大会には、中学の時まで毎年とは行かないまでもよく行っていた。初めて花火に行ったのは家族とである。友達ともよく行ったのを家族連れやカップルを見て司は思い出した。1番印象に残ってるのは?って聞かれたら何だろうか。やっぱり、初めて花火を家族でみに行ったのか初めて女の子と2人で出掛けた中学1年のやつだろう。

女の子と言っても誘ったわけでも、誘われたわけでもない。たまたま家族と行ったらあいつも家族と来ていたのだ。あいつは、小学校は違っていた。俺の通っていた中学はほとんどが地元の小学校からの持ち上がりだ。あいつは、中学から引っ越してきて同じ中学のしかも同じクラスになった。

今、思うとあいつは最初はクラスに馴染んでなかったのかもしれない。ただ最初は、みんな警戒してか知らないが小学校から仲が良い奴らが固まっていたからかも知れない。また、俺もその1人だったかもしれない。あいつとは、同じクラスってだけで仲が良いわけでも悪いわけでもなかった。ただ、互いに顔と名前は知っていた。

母親同士は、最初のPTAで意気投合したらしい。

だから、あの時も家族とは別れて

「2人で見に行ってらっしゃい。」なんて言われて当惑する俺を残して置いていってしまったのだ。突然、2人にされたって気まずいだけだった。

「ほら、せっかくだから見に行こうよ。」

俺は、小学生のこの花火大会が初まった時からほとんど欠かさず見に来て見飽きていた。初めて見に行きた時の様な感動や新鮮さが失われていたからかもしれない。花火は、まるで夏に咲くヒマワリの様に見えていた。ヒマワリは、夏に咲くのは当たり前だし、見てもさほど感動はしないだろう。それに、見に行かなかったのは家族旅行をしていた小3、夏の風邪を引いていた小5の時だけだ。

しかし、俺のそんな意向を無視して、彼女が手を引っ張って俺を連れていった。おかげで、しばらくは学校では2人が付き合ってるって噂される羽目になった事、そして、俺が必死に疑惑を全否定した事も言う必要はないだろう。


「ほら、行くよ。」


今日もあの時と同じ様に歩に引っ張られて花火大会へと向かう事になりそうだ。

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