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夏の風  作者: 常盤夢人
3/13

集合!

目覚めは最悪だった。うるさいし、暑かった。何の音だろうと司は思う。携帯のアラームを設定した覚えはなかった。

とりあえず、枕もとにある陽気な音を奏でる携帯を手に取った。

「司、今どこなの?」

詩織のよく聞き覚えのある声がした。司は、何の事だろうと思ったが、すぐに謎は解けた。今日は、8月2日。つまり、みんなで花火に行く日である。シマッタと思うのと同時に目が完全に冴えわたった。

詩織に言い訳してもすぐにばれる事は分かっていた。だから、素直に謝って駅前まで急いだ。

詩織は、俺が寝坊するのが分かったのだろうか待ち合わせの30分前に電話をくれたから何とか間に合った。

どうせならもっとはやく起こしてくれと言おうとしたが、中学2年の時の約束に遅刻してビンタされたのを思い出すと言わない方が懸命だろうという事が、寝起きの頭でも即座に理解出来た。

待ち合わせ場所にはすでにみんな着いていた。

「セーフ」

2分前に駅の東口に着いた。

「遅いぞ」

彰が言った。

「司ちゃんらしくて良いんじゃない。」

この声は久しぶりに聞いた。歩の声だ。海でも行ったのだろうか夏休み前より肌が小麦色に焼けていた。

「感謝してよね。あたしのおかげで遅刻しなかったんだから。」

詩織が得意そうに言った。

「ありがとう。じゃあ、行くか!」

「お前が言うなって。」

すかさず、彰がつっこんでみんなに笑いがひろまった。電車で1時間半近く行った所が花火大会の会場だ。昨年まで家の近くの湖が会場だった。今年から場所を変えて大々的にやるって市の図書館の掲示板にポスターが貼ってあったのを思い出した。

何で花火を見に行くのに午前中に集まったかというと、詩織がみんなで最近できた大型ショッピングモールに行こうと言い出したからだ。新しいもの好きの詩織らしい提案だった。

「何、ぼーっとしてんのよ。」

詩織に促されて駅の近くのショッピングモールへと3人を追いかけて入って行った。

夏の爽やかな風が司の背中を押した。やはり、空は晴れわたっていた。

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