ひいてしまった話
「ひいちまった……」
男は頭を抱えてしまった。
「そんなつもりは無かったんだよ!急にアイツが出てきやがったんだ!」
『……それが言い訳になるとでも?』
そんな男に対しての彼の台詞はあくまでも冷徹だった。
「そりゃ、この陽気で気を抜いたのかも知れないけど……ついウトウトしちまったタイミングで現れるとは思っていなかったんだよ!こっちは被害者なんだよ!」
「ひいておいてその言い種……最低な奴だな」
「止められなかったんだよ……」
「言い訳はいい。とっとと自首しろ」
「助けてくれよ!同じ同期じゃないか!」
「その……」
「なんだ?」
「その同期と一緒に立ち上げたプランのプレゼン当日に風邪引いて寝込んだ馬鹿はどこのどいつだ!しかも風呂上がりに飲み過ぎてまっ裸で寝こけたってのが阿呆過ぎるわ!」
「いやぁ、庭の夜桜がキレイでつい……。ふ、ふ、……ふえっくしょん!!」
『とっとと治して課長にありのままを自白するんだな』
「え?それは昨日すでにハデにゲロぶちまけちまったから━━」
ぶつっ。つーつー……。
「あ━━っ!ジョーダンだから!切らないで~~げほげほっ」




