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3.愚者

 その日、この街の双子の女神教会は大騒ぎとなった。

 自分の教会が主催する学校からナンバーズを排出することは、大変名誉なことだ。なにせ神の目に叶う才能を事前に看破したことの証明なのだから。ユースグリット先生やファルの母親は涙を流して喜んでいたものだ。

 しかも、ファルが覚醒したのは、ナンバー『12』。【 恋人ラバーズ 】のゼルク・ネクスト。

 このカードはこれまでも歴史上何度も出現したことのある有名なもので、怪我や病気を癒すスキルを手に入れることが出来ると知られていた。まさに慈愛を司る双子の女神の寵愛を受けるに相応しいカードだと言えた。


 【 恋人ラバーズ 】に選ばれたファルは、その日から《 聖女 》ファルカナと呼ばれるようになった。教会の奥でスキルを磨く修行を開始し、大事に育成されることになったのだ。いずれ全国の教会によって集められた他の″ナンバーズ″たちとパーティを組み、双子の女神教会の代表──《 聖戦士 》としてとしてダンジョンに挑むために。


 修行に入る直前、ファル──いや、《 聖女 》ファルカナは、街の中でお披露目されることになった。

 つい先日まではあか抜けない田舎娘だったファルカナが、お化粧をして綺麗な巫女服を着させられ、神輿に担がれ照れながら街をパレードする姿はなんだか非現実な光景に見えたものだ。


 パレードの最後に、俺とアトリーはなんとか時間を作ってもらいファルに会うことができた。

 教会によって《 聖女 》に飾り祟られたファルは、以前と変わらない笑みを浮かべながら、「私が最初だっけど、ちゃんとナンバーズになれたよ? 次は……ウタくんの番だね」と言った。


「ああ、そうだな。次は俺の番になる」

「ファルカナはナンバーズの12番だったから、ウタくんは11番とかになったりするのかな?」

「11番ってアンノウンじゃなかったか? まぁいい、俺はナンバーズになれさえすれば別に番号なんてどうでもいいしな。それよりファル、修行大丈夫そうか? お前、体あんまり丈夫じゃないだろう? 修行自体もなんだか大変だって聞いたし」

「うーん……。でも大丈夫だよ。修行は大変だしウタくんたちに会えないのはちょっぴり寂しいけど、いつか三人で旅立つ日を夢見て、あたし頑張るから!」


 ファルは一瞬だけ顔を曇らせたものの、すぐにまたいつもの笑顔に戻る。やせ我慢していることはすぐにわかった。だけど、ナンバーズに目覚めてしまったものに、もはや甘えは許されない。それが分かっているからこそ、ファルは気丈にふるまった。

 だったら、俺たちは笑顔で送り出してやらなければいけない。


 お互いに笑いながら手を振ってファルを送り出したあと、横で目じりに涙をためたアトリーがぼそっとつぶやいた。 


「ねぇウタくん、僕たちもファルに負けないようにがんばろうね。きっとナンバーズになって、いつの日か一緒に冒険の旅に出ようね」

「……ああ、そうだな」


 ──だけど俺は、ファルとの約束を果たすことができなかった。

 ──神は俺に、とてつもなく残酷な試練を与えたんだ。


 忘れもしない、十五歳の誕生日。俺は、無事にネクストカードを手に入れることができた。

 本当にきっかけなどなかった。朝起きた時にもやもやとした違和感があり、そのもやもやの正体を脳裏にイメージしてみたところ、不意にカードが手に具現化したのだ。感動もへったくれもあったもんじゃない。


 だが、手にしたカードを見て俺は首をひねる。何かがおかしい。カードに妙な違和感を感じたのだ。

 おかしい理由はすぐにわかった。どんなカードにも付いている星のマークがどこにも見当たらないのだ。ナンバーズの特徴である数字はともかく、星すらもないネクストカードなど聞いたこともない。


「ど、どういうことだ? まさか……星の数が0だというのか?」


 知らないうちに声が震える。戸惑う俺の目が捉えたのは、カードに記載された名称。

 俺のネクストカードのには、こう書かれていた。


愚者フール


 と。




 フール。愚か者。なんという縁起の悪い名前であろうか。

 一般的にネクストカードには、そのカードが持つ能力を説明する文章が必ず書かれている。実際【 愚者フール 】のカードも例に漏れず説明文が書かれていた。その文面はただ一行、こうだ。


『汝は愚か者。ただ愚直なるもの。』


 どうやらこのカードは俺のことをバカにしているらしい。

 どうせ俺は愚か者だよ、悪かったな。今ならそう悪態をつける。だけどあのころの俺にはそんな心理的な余裕などなく、悪意の塊のように不吉で不穏な一行の文にただ言葉を失っていた。


 誕生日の朝に部屋から起きてこない俺を心配した両親が、ベッドから身を起こしたまま震える手でカードを一心に見つめる俺を発見した。左右からカードを覗き込む両親。その期待に膨らんだ表情が凍りつき、苦悶が浮かび、やがてこの世の終わりのような表情に変わる様子を、俺は茫然と眺めていた。


 それでも最初は、もしかしからこのカードに何か秘密があるのではないかと考えた。両親や教会──なにより俺が、このカードの存在を、すぐに現実として受け入れることができなかったのだ。

 なにせ星がないカードなどというものは、前代未聞の存在だ。ネクストカードについてのあらゆる知見を持つプリ・エレ教会ですら『星の数が0』のカードの情報を持ち合わせていなかったくらいである。

『星の数が0のカードなど考えられない! 何か秘密があるに違いない!』

 俺たちは、藁にもすがるような気持ちでその考えにしがみついた。そうでもしないと、期待が大きかったぶん、まともな精神が保てなかったからかもしれない。


 だが、砂糖菓子よりも甘い俺たちの願望は打ち砕かれ、すぐにこれが絶望という味の劇物であるという事実を容赦なく突きつけられることになる。


 結果として、【 愚者フール) 】のネクストカードは、何の能力も持っていなかった。

 いや、正確には一つの能力を持っていた。だけどそいつは、もはや呪いとしか思えないような代物だった。


 星なしのこのネクストカードが持つ、実に致命的な問題ギフト

 俺は、”能力ゲート”を”装備”することができなかったのだ。



 ◇



 この世界では、天啓ネクストとは別に《 能力ゲート 》という力を手に入れることができる。

 ゲートとは、全般的な才能であるネクストに対して、個別具体的な能力であることが多い。そのため、ネクストは才能、ゲートは技術と考える人もいた。


 ゲートもネクストと同様、カードという形で手に入る。この二つの決定的な違いは、ネクストが一人1種類で生涯変わることがないのに対して、ゲートは後天的に、かつ複数手に入れることが可能だという点だ。

 赤く縁どられたこのカードは、ネクストカードとは分別して、″才覚の扉を開く″という意味で《 ゲートカード 》と呼ばれていた。

 類似のもので、魔術を使うための《 魔術マギナカード 》や、物がカード化した《 物品コムカード 》などもあるが、ここでは説明を割愛させてもらう。


 ゲートカードは、″装備″することで様々な能力を発揮できるようになる。装備するにはカードとの相性があって、自身の才能ネクストに合わないゲートは拒絶されることが多い。またゲートは能力や貴重さによってランクがSS、S、A、B、C、D、Eの7ランクに分かれていた。

 ちなみにゲートもネクストと同様に15歳以上でないと″装備″できない。理由は不明だが、牧師からは「ゲートとは、ネクストに覚醒したもののみに、双子の女神様が追加で与える能力である」と教わった。


 ネクストを補佐する役割を持つこのゲートカードを手に入れるには、一般的に二つの方法が知られている。長年の修業や運命的な出来事の結果として自分で手に入れる方法と、もうひとつはゲートカードを買って・・・装備する・・・方法だ。

 父親と教会が試したのは後者だった。教会は、騎士や聖職者たちに与えるために蓄えていたゲートカードを俺に身につけさせようとしたのだ。父親に至っては、生活費を削って蓄えたなけなしの大金をはたいて貴重なゲートカードを手に入れたりもした。


 だが、先にも言った通りゲートカードには相性のようなものがあり、人によっては装備できたりできなかったりする。そして俺の場合、ありとあらゆるゲートカードを装備することができなかったのだ。


 理由は分からない。だけどどんな人でも装備可能と言われている最低ランクのEランクのゲートカードですら、この体は受け付けることはなかった。

 俺の身体から無情にもはじき出されたゲートカードを見たときの、父親の絶望感たるやいかほどのものだっただろうか。


 そして、この話には続きがある。

 俺は、これまで死ぬ思いで体が覚えてきた技術さえも使えなくなっていたのだ。


 父親に教わった剣の流れをなぞろうとすると、体が拒絶する。剣を使って身を守ろうとすると、体がしびれて動かなくなる。酷い時には手にした剣を取り落としてしまうほどに激しい拒否反応が起こった。

 【 愚者フール 】に目覚める前には、ユースグリット先生から「たとえナンバーズになれなかったとしても、まず間違いなく剣術がらみの何らかのゲートは発現するだろう」と言われていたにも関わらず、なんのゲートも手に入らなかった。それどころか、まともに剣を握ることすらできなくなってしまったのだ。

 これまでできていたことができなくなることの恐怖たるや、理解してもらえるだろうか。


 事ここに至り、ようやく俺は一つの事実を受け入れる。

 俺が獲得した【 愚者フール 】は、”他のあらゆる才能ゲートを拒むもの”なのだと。


 無残なまでの現実を突きつけられ、基本的には楽観主義者である俺もさすがにひどく落ち込んだ。

 だけどショックを受けていたのは、両親や教会の関係者も同じだった。


 教会関係者は、手のひらを返して口々に俺と俺のネクストを罵った。

「あの子供は呪われている。双子の女神の祝福がなされなかったのだ!」

「ウタルダスは神に見捨てられたに違いない。そうでなければ、あのようなカードの存在は認められない」

「あれは双子の女神が遣わしたネクストではない。悪魔が遣わした呪いのカースカードだ」

 やがて、ファルを見出した功績で昇進したユースグリット大司教・・・の名のもと、教会も公式に俺のカードについての見解を発表した。『愚者のカードは、他のゲートを一切開花させない呪われた異端のネクストである』と。その日のうちに俺は教会から破門されることになる。


 プリ・エレ教会から下された、無慈悲な宣託。

 この瞬間、俺は『神に見捨てられた存在』となった。


 教会の宣託を受け、両親の態度も変わった。

「なぜあいつは俺の息子なのに、あんな呪いのようなネクストに覚醒したんだ! 俺の息子なら【 剣術 】に目覚めたに違いない! これは全部お前のせいじゃないのかっ?」

「あなたの育て方が間違っていたのではありませんか! だからあの子は神に見捨てられたのです!」

 父と母との間で毎夜交わされる、聞くに耐えない罵詈雑言。教会からは教育費こそ請求されなかったものの、無駄になったゲートカード代を請求されて、我が家の家計は火の車になっていた。


 それまでは俺のことを尊敬のまなざしで見ていたエジルとパーリーの態度も急変した。誕生日を迎えてネクストに覚醒したとたん、二人は俺をあざ笑いに来た。

「ようウタルダス! お前、女神様に見捨てられたんだってな? 前からムカつくやつだったが、ざまーみろだぜ。……ん? なんだその反抗的な目は?」

「エジル、こいつなんか生意気だよ? 僕たちのほうが上の存在だって思い知らせてやろうよ!」

「まったくだ。よしパーリー、こいつの身体にしっかりと叩き込んでやろうかね。俺たちの持つ”神の寵愛ネクスト”ってやつをさ」

 何のネクスト能力ゲートも持たない俺は、なすすべもなく二人にボコボコにされる。

「くくく、力の差を思い知ったかウタルダス? 分かった今後は俺たちに逆らうなよ!」

「じゃあねー、神に見捨てられたウタルダスくん。あははっ」

 全身ズタボロになって帰宅した俺の姿を見ても、両親は何も言わなかった。


 俺の周りから、徐々に人がいなくなっていった。ユースグリット大司教の破門宣告を受け、教会からも放逐された。

 俺の存在が、空気以下へと変わってしまった証拠だった。


 もはや自分の夢を叶える息子どうぐではなくなった俺に対して、父親は以前にも増して厳しく当たるようになった。


「このクズがっ! なんてネクストに目覚めがやるんだ!」

「これまでさんざん期待させておいて、その結果がこれかっ! ふざけるなっ!」

「貴様が……貴様さえ生まれてこなければ……」


 様々な暴言を言われては、剣で打ちのめされた。怒鳴り散らしながら、俺に感情と剣をぶつけてくる父親。もはやそれは訓練といった域を超えていた。

 だが躱そうにも、【 剣術 】的な動きをしようとすると、呪いネクストが邪魔をした。まともに剣を握れない俺は、さやに入れたままの剣を盾にしてなんとか逃げ回ることしかできなかった。

 俺は、無様に毎日打たれた。エジルやパーリーの仕打ちがマシに思えるほど、酷い目に遭った。


「騎士道にも劣る、クズがっ! 手塩にかけて育ててきたというのにっ! こっちはたまらんぞっ! 俺の期待を返せっ!」


 まったく、なにが騎士道だ。堪らないのはこっちのほうだ。勝手に期待して勝手に失望しやがって。

 倒れ伏した俺を見下す父の酒に汚れた目を睨みつけながら、俺は心の中でつぶやいていた。

 そして、否が応でも悟らざるを得なかった。ああ、どうやら俺は、本当に神に見捨てられちまったみたいだな、と。



 この時期を境に、ファルとも疎遠になった。

 原因はファルのほうではなく、俺のほうにあった。


 教会が大騒ぎした挙句に破門したりなんかしていたから、実情はおそらくファルの耳にも話は入っていることだろう。つまり、俺が呪われた"星無し"の存在だと、あいつは既に知っているはずだ。

 一緒にナンバーズになろうという約束を、俺は守れなかった。あいつは、約束を破った俺のことをどう思っているだろうか。

 そう考えると会わせる顔がなかった。だから、破門されたことを言い訳にして、俺の足が教会に向くことはなかった。


 多くの人がいなくなったり疎遠になる中、ただ一人、アトリーだけは離れることがなかった。というより、アトリーは俺がどうなろうと以前と変わらず接してくれた。


「みんなひどいよね、勝手に怒ったりひどいこと言ったりして! ウタくんはなにも悪くないってのにさ!」


 そう言って本気で怒ってくれていたあいつは本当にいいやつだと思う。実際、教会に対する不信感から、アトリーが教会に顔を出すこともほとんど無くなっていた。

 当時14歳で、未だネクストに目覚めていなかったことも大きかったかもしれないが、アトリーの存在が当時からの俺の心の救いになっていたのは間違いなかった。


 だけど、そのアトリーもネクストに目覚めてしまった。

 しかも、《 ナンバーズ 》というオマケ付きで。



 ◇



 そうか、ついにアトリーもネクストに目覚めたか。しかも、まさかの《 五つ星ゼルク・ネクスト》。

 アトリーが持つカードには、輪っかを持った美しい女性の姿が描かれていた。記載されていた名称は【 運命の輪ホイールオブフォーチュン 】。刻まれたナンバーは『4』。

 ……って『4』!? う、うそだろう?


 俺の記憶が正しければ、今までナンバーズの4番は未発見のはずだ。そういえば、【 運命の輪ホイールオブフォーチュン 】なんてネクスト、聞いたことがない。

 まじかよ、こいつは今まで見つかったことのない未確認番号アンノウン・ナンバーズじゃないか。


「ウタくん、びっくりした?」

「……ああ、まさかアトリーがナンバーズになるとはね。しかもアンノウンじゃないか」

「んもう、そっち?」


 拗ねたように頬を膨らますアトリー。おいおい、なんだよその可愛らしいしぐさは。


「ってかなんで拗ねるんだよ。アンノウンに覚醒したって聞いたらふつう驚くだろ?」

「別にいいけどさー。ウタくんってほんっと女心が分かってないよねぇ」


 何が女心やねん。お前は男だろうが。

 アトリーの戯言は無視して、とりあえずカードを確認させてもらう。間近で見るナンバーズのカードは、うっすらと虹色に輝いて見えた。

 すごいな、これがアンノウンカードか。教会で教わったことを思い返すに、たしか未知の番号アンノウンナンバーの確認は10年ぶりくらいだったはずだ。いやー、すごい瞬間に立ち会ったもんだ。

 ふとアトリーと視線が合う。俺を見ながらニコニコとしていた。そういえばまだこいつに祝福の言葉を言ってなかったっけ。


「アトリー、ナンバーズへの覚醒おめでとう。これでお前も英雄伝説の仲間入りだな」

「……へぇぇ」


 なぜかアトリーが不思議そうな目で俺のことを見つめてくる。なんとも気持ちが悪い。


「なんだよアトリー。俺、なにか変なこと言ったか?」

「ううん、ただウタくんってやっぱりすごいなーって思って」


 俺が、すごい? なんで? 意味が分からずに思わず首を横に捻る。


「だってさ、普通は友達がナンバーズになったりしたら、嫉妬したりするじゃない? なのにウタくんってば、そんなそぶりも無くお祝いしてくれるんだもん」

「いや、そんなの当然だろう? なにせ友達がナンバーズになったんだからな」

「それでも普通は素直に祝福の言葉なんて言えないものだよ。特にほら、ウタくんはネクスト絡みで酷い目に遭ってるしね。だから……やっぱりすごいんだよ」

「んなの買いかぶりすぎだって。なにせ俺は星無し価値なしスキルなしの【 愚者フール 】なんだぜ?」


 俺がおどけてそう言うと、アトリーは諦めたかのように小さくため息を吐く。なんだよ、せっかくお祝いしたんだから素直に喜んでくれや。


「……なんにせよありがとう。ほかでもないウタくんに祝福してもらえて嬉しいよ。でもね、ウタくん。そんなに卑屈にならないで」

「いや、卑屈も何も事実だしさ」

「ううん、そんなことない。ウタくんなら大丈夫。すぐにちゃんとした・・・・・・ネクストに目覚めるから」


 思いがけない魔法の言葉は、何の前触れもなくアトリーの口から発された。

 あまりにも無防備で、自然で、つい聞き流してしまいそうなさりげない口調で。

 だが言葉は確かに俺の心に引っ掛かり、強く心を揺さぶった。


「──おいアトリー、今なんて言った?」

「ボクには分かるんだ。そのカードはまだ本当の力に・・・・・目覚めてない・・・・・・よ」


 どくん。胸の鼓動が高鳴る。忘れかけていた何かが、心の奥底でちりりと動く。

 アトリーは手にした【 運命の輪ホイールオブフォーチュン 】のカードをくるくると回すと、絵柄を指で示しながら俺に突き出した。


「だからね、ウタくん。ボクといっしょに運命を・・・変えよう・・・・よ」





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