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Schneiden Welt  作者: たる
第三幕
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館の一幕

私ヘレナ ユスティアは今日は異民保護対策局本館と呼ばれる古い洋館のお掃除のお仕事があります。まあ本館と言ってますけど別に別館が存在している訳ではないのですけどね。


今日は局長を務めておられるラザァさんも、同じく掃除や洗濯等の雑務担当のミラさんもいないので元々寂しい館の中がさらに寂しいです。守衛として数人いるパイリアの衛兵さんと雑務担当の女性1人とここ1カ月の異民の保護記録を書類にまとめている方が2人しかいません。


私自身大人数でわいわいするのも嫌いな訳ではないのですがこういう静かな環境も嫌いではありません。


ただ最近、というか数日は例の襲撃事件のせいでこの館の中もなんだか慌ただしいです。ラザァさんも何故かその打ち合わせがどうこうと言いながら城に行ってしまいましたし。


本来なら事件解決とは関係の無いラザァさんが呼び出されたという事は立場に関係なくラザァさんが関係あるという事、つまり3カ月前のテロ事件、正確にはテロ未遂事件と今回の事件が関係しているという事なのでしょう。ラザァさんは詳しくは話してくれませんでしたがそこまではなんとなく予想がつきます。


3カ月前の事件


実を言うといつもよく話す面々、ラザァさん、ミラさん、エリーさん、レスフォードさん、ウェルキンさん、エリダさんの中で唯一私だけ3カ月前の事件とは関わりが無いんです。まああの事件のせいでウィズ家からこの異民保護対策局に転職することになったと言えばそうなんですが直接犯人と戦ったラザァさんミラさん達や誘拐されたエリーさんのように濃密に関わっていません。なんだか軽い疎外感です。


どうでもいい話かも知れませんがエリーさんとは子供の頃からの付き合いなのでさん付けするかどうか結構悩んでいます。


そんな訳で館の中だけでなくお城の中や一部の市街地もなんだかピリピリしていて居心地が悪いです。





コンコン






ちなみに今は館の一階にある雑務担当用の部屋で休憩していたのですがそのドアがノックされた音です。


同僚ならあまりノックとかはしないですしお客さんならばそもそもこの部屋に来る理由がわかりません。


不審に思いながらも不審者ならば館の入り口でウェルキンさんに止められているでしょうし特に警戒せずにドアを開けました。


「あれ?どうされたんですか?」


そこに立っていた人物に声をかけました。それもそのはずです、彼女はノックをする必要の無い人間。同僚なのですから。


「ミラさん?」


なんとなく暗い表情のミラさんにもう一度声をかけました。

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