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Schneiden Welt  作者: たる
第三幕
100/109

暗躍者

標的を取り逃がした腹いせにパイリアの衛兵を2人ほど惨殺した後、全身黒マントの魔法具に身を包んだ男は地下水道の隅にある小部屋に降りて行った。


そこはどうやらアジトになっているらしく、壁際には銃や弾薬、刃物の類が置かれ、中央のテーブルにはパイリア全域の地図が広げられており数人の男が取り囲んでいた。


「ボス!どうでした!?」


黒マントの男が部屋に入るとそのうちの1人が駆け寄ってくる。


「取り逃がした。」


「……そうですか……」


黒マントの声に男はうなだれる。


「こちらについては何も情報を持っていなかったようだし、致命傷ではない。次の作戦に移るぞ。」


黒マントはそう言うとテーブルの淵まで行き、地図を見渡す。


「いいかお前ら、次の作戦こそが今回の最重要点だ、これを成功させれば目的の大半を達成したと言っても過言じゃない。」


その声で部屋の中が静まり返る。そこまで確認すると黒マントは壁のドアに向けて「入ってくれ。」と声をかけた。


ギギィ


軋んだ音とともにドアから現れたのは数人の男だった。いや、正確には女の可能性もあった。


なぜならその者たちは皆顔を包帯でぐるぐる巻きにしていたからだ。かろうじて目と口がわかる程度に。包帯が途切れる首のあたりには焼け爛れた皮膚が覗く。彼らは真っ直ぐに歩いて黒マントの後ろに並んだ。


「今回の作戦を実行し、国に命を捧げる勇気ある者たちだ。」


黒マントはそう言うと包帯を巻いた人間の一人一人の肩を叩いて周り、彼らはそれを受け入れる。


「お前らは今回は裏方での情報操作に努めろ。」


黒マントは振り返り、テーブル周りにいたマントの男達に声をかける。


「はっ!」





「決行は明日の夕方、警備は厳重だろうが派手に暴れろ。」


黒マントは手の下にある地図をなぞる。


「そこにある武器は全て自由に使ってくれて構わない。弾も惜しみなく使ってくれ、ただし……」


「ただし、自決用の爆弾だけは必ず予備も含めて持ってくれ。これは絶対だ。」


その言葉にどこからかゴクリと唾を飲む音がする。


「これが作戦の要だからな……」


黒マントの声にもわずかに悲しそうな響きがあった。


「この醜い姿の我々に生きる意味を下さったのはあなたです、そして国のために戦うという任務まで下さった。あなたが悲しむ必要なんてありません。」


顔に包帯を巻いた男の1人が黒マントに近寄り声をかける。


「そうか、お前がこの中では1番背が高いな?」


黒マントはそう言うと懐から紙で包んだ小さな物を取り出す。大きさは縦横ともに数センチ程度だろうか。


「これはお前がつけろ。」


そう言って男に渡す。男は紙を少しどけて中身を確認するとハッとしたように目を見開き、それを左の胸に押し付けた。


「このような大役を仰せつかり、有難き幸せです、なんとしてもこの作戦を成功させたく思います。」


そう言って膝をつく。


「よろしく頼んだぞ。なんとしても成功させるのだ、この……」


そこで黒マントは一呼吸置く。


「このパイリアとシヴァニアとの戦いをな……」

記念すべき第100話だけど短いです笑

とりあえず今までありがとうございました!そして今後もよろしくお願いします!

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