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ペチュニアの花

作者: 桜華咲良

何時だったろうか、この花を育て始めたのは。何時ものように庭で水をあげている時に、ふとそんなことを考えた。意外と、昔の事はわりと簡単に忘れ去ってしまうもので、俺にはその検討もつかない。

気付いた時には育てていた。何故か大切にしていた。虫が付くのを嫌い、雑草が生えるのを嫌い、枯れるのを嫌いながら、この鉢植えに植えられたペチュニアを大切に守った。

「お前ずーっと花の世話ばっかりしてるよな。そこがお前の良いところでもあるんだろうけど。」

小さい頃からの親友は、呆れながら、水をやる俺を見ていた。

「親友として言うけど、お前流石にそろそろ告白したらどうだ?」

「誰に?」

「誰って…分かってるくせに。」

「さぁわからないね。」

「はぐらかすの下手すぎるぞー。」

随分前から悟られてること知ってたし、どうはぐらかしても意味がないこと位はわかってる。

「早く告白しないと、他の野郎にとられるぞ。」

出来ないから、こうやって片想いを続けている。そこまでは流石に読んでくれないらしい。

「青春を楽しもうという思いはないのか。お前には。」

「楽しんでるよ。」

「片想いする事がか?」

「じゃあ、君のように彼女を取っ替え引っ替えすることが青春なのかい?また最近別れ引っ付いたって噂だけど今度は誰と?」

こういうと、親友は黙り混んだ。丁度じょうろの水が無くなったので、じょうろを片付けようと家の方へを歩き出す。

「おい」

中に入る直前に、親友は僕を呼び止めた。

「なに?」

「いいこと教えてやる。彼女、明日誕生日だ。」

「………いきなり何を言い出すんだい?」

「じゃあな。」

一方的に情報を与えて、親友は立ち去った。そうか、もうそんな時期か、何かプレゼントを持っていかないといけないな。前に貰ったし、お返しもかねて。

何を持っていこうか、と一瞬悩もうとして、俺は選択肢が数少ないことに気づく。時間も時間だし、これから買いにいくのも難しい。今僕の回りで一番良いもの。そう考えると、答えはひとつしかなかった。

翌日。学校に小さいながらも花束を持っていった。鮮やかな青色の花束を。

渡そうと休み時間花束を持って彼女を探した。「何処にいるか知ってる?」彼女と仲の良い友達に聞いてみると口を揃えて知らないという。何処にいるのだろうか。そうやっているうちに最初の休み時間が終わり、次の時間まで待つことにした。


次の休み時間。簡単に見つける事ができた。彼女の友達が教えてくれたから。

「やっと見つけた、あのこれ、お「ごめんなさい!」」

え?

「今付き合ってる人いるんで…ごめんなさい。」

そういって彼女は走り去っていった。

そこからしばらく記憶がない。






「災難だったなぁ間違われるなんて。」

「まぁ場所がな…誰もいない所だったしな…」

「おーい」

「おーい水こぼれてるぞ。」

「おーい聞こえてるのか!」

「え?あっ」

気付いた時には、少し寂しくなった鉢植えに、俺は大量に水をあげていたらしい。

「やっとまともに反応してくれたな。」

親友曰く、あれから今まで生返事だったようだ。渡しそびれた花束も何処かに行ってしまったらしい。

「うん。本当に災難だったよ。」

「お前、案外落ち込んでないな。」

「もう十分落ち込んでるよ。」

目線を下げると紙袋が見えた。あの紙袋は…去年彼女から貰ったプレゼントと同じ袋だ。

「どうしたんだいその紙袋。」

特に意味もなく聞いたつもりだったが、

「えっあこれかこれはあのまぁ…あれだ気に入ったから買ったんだよ。」

ちょっと慌てた様子だった。

「まぁあれだ。行きなり花束差し出されたら、勘違いもするだろう。」

「うんそうだね。」

「そういうところをお前もっと考えないとなぁ。」

「そうかもしれない。」

「まぁまだそういう経験が…」

「君良いものをあげるよ。」

僕はそう言って鉢植えにあった全部のペチュニアを切り取って、彼に渡した。

「お前…大切にしてた花なのに…良いのか?」

「うん、もういいんだ。この花を育てるのをやめるよ。」

私なりの青春とは何かについて書いて見ました。きっととても理解されにくいでしょう。でも良いんです。青春ってそんなものだから


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