14「心当たり」
今回の襲撃。
ユウドラにはひとつ心当たりがあった。
黄金級を操れるとしたら、
あいつだ。
魔王「ヨネ」
西にあるヴァンパイアの国、そのトップだ。
ヴァンパイア。
人間とは違う、別の種族。
狡猾で戦闘を好む彼らは、
終焉大戦後、突如として現れた。
その起源はあまり分かっていないが、
人間とグノースの混血である説が今の常識である。
そのヴァンパイア達に、最近「王」ができたらしい。
プライドの高い彼らのことだ。
そう簡単に上に立てるものではない。
それほどの力があるのだろう。
普段は特に干渉してくることもないので、
国としても彼らのことは容認しているらしい。
今回の襲撃が彼らの仕業であると思った理由。
それを、ユウドラは皆に話し始める。
まず、第一に黄金級を従えられる可能性を持った実力の者を俺は知らない。
だからと言って、従えられるとも思っていないが。
そして2つ目。
噂だが、
彼らヴァンパイアはグノースとある程度コミュニケーションが取れるという。
この要素が絡んでくるか分からないが。
そして3つ目。
結論に至ったのはこの要素が大きい。
ドラゴンの中から見つけた魔術には
不和エネルギーに「秩序」属性の魔力が混ざっていた。
不和エネルギーとは、
主にグノースの持っているエネルギーのことだ。
まだ謎が多く、様々な研究が進められている。
人間にとっての生命エネルギーに近いものだと言われている。
その不和エネルギーに秩序属性の魔力が混じっていた。
そんな状態になるのは、
不和エネルギーを持っているヴァンパイアだけだ。
それに、魔王ヨネは秩序魔術の使い手だと聞いている。
一通り話したあと、
それぞれ作戦を立てるため、
別々に行動することになった。
「少なくとも容疑者として上がっている以上、
本人に会ってみるしかないな。」
そう言ってユウドラは集落をあとにする。




