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0「黒煙」
「平和だなあ。」
澄みわたるような青空。
建ち並ぶ建物を見ながら1人の少年が呟く。
ここは廃れたビルの屋上。
都市一帯を見渡せる彼のお気に入りのスポットだ。
ただしその景色に映るのは廃墟とかした建物群。
ある時を境に人の生活が止まってしまった都市である。
少年は灰色のパーカーに分厚い靴。
頭には不思議な形の帽子をかぶっている。
この都市には似合わない、丈の長い三角帽子。
いわゆる魔法使いの帽子だ。どこで使うか分からない紫の水晶で作られたゴーグルが乗っかっている。
「お?」
響き渡る爆発音と共に黒煙が上がった。
この辺りで爆発が起こるのはそう珍しいことではない。
しかし、少年は立ち上がり少し背伸びをしてから呟く。
「よし、行くか。」
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