【幕間】不思議な女の子 1
割り込み投稿になってしまいました。
シャイラの仲良し、ロッシェルの語りで φ(・ω・ )
「・・・う・・・ん・・・んっ! わわわ!」
私が朝ベッドで目覚めたら────
目の前に誰かの、どアップが!!
「おはよう、ロッシェル。よく眠っていたね。お体はいかがですか?」
「ヒッ!? び、びっくりしたぁ〜・・・おはよ、シャイラ。何で私が起きるのを見てたのよ?」
転んでケガをした私のヒザの血を、チドメグサを使って止めてくれたのをきっかけに、すっごい仲良しになったシャイラ。二つ年下の女の子。
「それは私のご主人様からの言いつけだからだよ? 私はこの孤児院とロッシェルを護らなければならない」
・・・ご主人様って??
「シスターエルザ、ロッシェルが起きたよ!」
「あっ、シスターエルザまでいたっ!」
ベッドの脇の椅子に座ったシスターエルザが、私の足元でうつ伏せて寝ていた。
「・・・あらッ!? イヤだわ。わたくし、いつの間にか眠ってしまって・・・。二人とももう起きていたのね。ロッシェル、気分はどう?」
二人とも私に一晩ついていたの? なんで?
「どうって? 私は普通だよ?」
シャイラの言ったご主人様って、大シスターのこと? シスターエルザと一緒に私を一晩見ているように頼まれたってこと?
・・・そう言えば、ここは医務室。どうして私、医務室で寝ているの? 昨夜はちゃんと自分のベッドで寝ていたはずなのに。
なんだか頭がモヤる。
────ハッ!!
そうだよッ! 私、夜中におトイレに起きて、隣のベッドにシャイラがいなくって、シャイラもおトイレだと思ったら、そこにもいなくって、心配になって探してたら、階段の下から少し灯りが漏れてて、声もしたから怖いけど、行ってみたんだ。
したら、大広間でシャイラが知らない大人たちからイジメられてて、シスターたちもいたのに、誰も助けてあげないから、私が立ちはだかって─────
それから・・・?? わかんない。モヤモヤ。
「二人とも少し待っててね。わたくし、大シスターを呼んで来ますから」
シスターエルザが、部屋からいそいそと出て行った。
「・・・ねえ、シャイラ。私、あんまよく覚えてないんだけど、ゆうべ、金持ちっぽい大人たちに連れ去られそうになってなかった?」
「・・・まあね。けど、もうここには来ないよ。・・・あの人たちは後5年くらいかな? それまでは油断ならないけどね」
どういう意味 (´・ω・`)? なんだか、今日のシャイラは変。
「・・・シャイラ? やっぱ昨夜はショックだったんだね。今朝はなんか変だよ? 大丈夫?」
「・・・そりゃ私は影だし」
「・・・影?」
「うん。私は影」
やっぱ変だ・・・
慰めてあげなくちゃ。
「シャイラ、後で私のクマのぬいぐるみを特別に貸してあげるからねッ」
「・・・よくわかんないけど、うん。お言葉に甘えて」
ふたつの足音が近づいて来て、パッと部屋の扉が開いた。
シスターエルザが大シスターを連れて戻って来た。
「ロッシェル、起きたのですね。どこか体に痛いところはありませんか? ちょっと見てみましょう。横になってお腹を見せて」
私はいつもと変わりはないけど、シスターたちが妙に真剣だったから従った。
「問題なさそうですね。では、シスターエルザ。朝食の用意が出来るまで、この子たちのこと引き継ぎお願いします」
大シスターは、こんな朝早くから忙しそう。テキパキと指示を出し、去って行った。
「良かったわ。ロッシェルは問題は無いようですが、大シスターがいいと言うまで外遊びは禁止です。神様が良い子のロッシェルを救って下さいました。お着替えしたら、さっそく祭壇にお祈りに参りましょうね」
「((( ;゜Д゜))) そ、そんな・・・外遊び禁止!! しかもまだ薄暗い早朝からお祈りって・・・?」
「ガマンしなよロッシェル。元はと言えば私のせいだし、外遊び禁止もお祈りも付き合うよ」
「あら? 良かったわね、ロッシェル」
全然良くないて・・・・
*
あの日の朝から、なんとなくシャイラの様子が変わったような? どんな風にって言われてもうまく言えない。
他の子たちは、そんなこと無いって言う。確かにシャイラの顔をまじまじ見ても、いつものシャイラなんだけどね・・・
私たちが仲良しだってことも変わりはない。
なんとなく違和感はあれど、やっぱシャイラはシャイラだし、私たちは今までとなんら変わるとこともなく過ごしていた。
*
────そして、春から夏真っ盛りになった。
わーい! 今日は待ちに待った森のロッジ宿泊の日。私、晴れてくれることをこの1週間ずーっとお祈りしてたんだ。
私たち、ボーイスカウトのボランティアの人たちに連れられて、キャンプ体験に行けるんだよ! 森を探検するの。川で釣りもするんだって。 どこかのお金もちの人が匿名で、孤児にも楽しいキャンプ体験させてあげたいと言って私たちの孤児院に寄付をしてくれたお陰だよ。
────この時はワクワクしかなかった。
まさか、命寸でのことが起こるなんて!
森の道をロッジに向かってぞろぞろ歩いていた。途中からは馬車で行けないの。
いつもと違う森林の空気。緑濃い涼やかな風。
聞こえてくるのは普段とは違う鳥の声。
歩くのはゴツゴツした細い道、ところどころに丸太の階段。
いつもと違うとこをみんなで歩くだけですんごく楽し〜い! ((o(´∀`)o))
切り株がたくさんあって開けた場所に差し掛かった所で休憩になった。
シャイラと私はふたつ並んだ切り株に、向かい合わせに腰かけておしゃべり。
────それは一瞬のことだったの。
「危ないっ!」
シャイラが突然立ち上がって、私の両肩を突き飛ばした。同時に後ろから、シュンッって鋭く風を切る音が聞こえたの。
私の頭の上をスレスレに、飛んで来た何かが通り過ぎた。
私は後ろに倒れながら確かに見たよ?
シャイラの胸に、矢が突き刺さるのを!!
────なのに?
「大丈夫? ごめんね、ロッシェル。不意打ちだったから」
地面に仰向けに倒れた私の顔を一番最初にのぞき込んだのはシャイラだった。
「イテテ・・・私は大丈夫だけど・・・」
「ほら、私の手につかまって」
私の両手を引っ張るシャイラには、血も流れてないし怪我もない。
矢がシャイラの体をすり抜けた???
私の見間違い・・・?
「ウソだろう! 流れ矢だ! 誰だッ! ここは禁猟区だぞ!!」
矢は、シャイラを通り越し、後方の草むらに矢が突き刺さっていたの。
辺りがざわめき始めた。大人たち数人が、緊張感と怒りを発しながら辺りを警戒に走った。
結局、矢を放った密猟者は見つからなかった。
その時はそれだけで済んだんだけど────




