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トラとシノの戦国ものかたり外伝(備中高松城攻め奇譚 わらび餅好きの女幽霊と優しき男達)  作者: 野松 彦秋
第4章 誘拐事件

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大太刀(長さとその重さ)

適性試験の結果が発表されて、直ぐに月清から訓練を受ける者は招集された。


適正試験に合格した4名には、能島での訓練で関係を築いた庄九朗、松田がおり、久之助としても能島訓練の延長の様な思いがあった。


能島の6人組以外の者で、新たに加わったのが鳥越佐兵衛である。


鳥越は、6尺(約182cm)の体躯の持ち主で30歳、宗治の直属部隊に属していた彼は力持ちで知られていた人物である。


数年前、戦場で動けなくなった者を、自分の背中に背負いながら、押し寄せる敵を薙ぎ払い、無事帰還した逸話を持つ。


戦場で名のある武将を討ち取ったという輝かしい武功には未だ恵まれていなかったが、城主宗治は寡黙で必要な事しかいわず、いつも人とは群れない彼が仲間を背負って奮闘した事実を知り、それ以降心の中で彼を評価し、頼りにしていた。


今回適正試験で鳥越は、右足の片足立ちでは成功したが左足では失敗していた、彼以外にも数名片足のみ成功した者達がいたが、宗治の後押しで最終的に鳥越に決めたのであった。


4人が招集された場所で待っていると、月清が大太刀を2本持って現れた。


2本の大太刀は長さが違う。短い方は6尺(約182㎝)、長い方は、8尺(242㎝)【刀身6尺(182㎝)、柄2尺(60㎝)】の長さだった。


刀を置くと、月清は4人に挨拶をし、語り出した。


『今日から、お主らに我が刀法を学んでもらう。我が刀法は、大太刀を使う刀法である。こんな長物、お主ら見た事無いのではないか?。』


『明の国では、古来より敵の騎馬隊と戦う際に長物を使う。』


『相手の馬の足を、両断して、馬から落とされた兵を切るという戦法、その戦法の名を取って、その時使う大太刀をを明の国では斬馬刀と呼ぶ。』


『まあ、口で言ってもピンとこないだろうから、先ずはワシの剣技を見てもらおうかの・・・。』


『お主ら、危険だから、ワシの周りから離れて、ああ、あの木の下で見るがよろしかろう、とにかく離れるのじゃ。』


月清は、4人が離れるのを確認すると、短い大太刀を鞘から出した。


刀身を一度立てたかと思うと、刀身が横に流れ、そしてゆっくり回転し始める。


刀身が長すぎる為、月清が刀を振り回す姿は、槍を振り回している様に見えた。


刀が回転する度に少しずつ刀の速度が増し、上下、左右と綺麗に流れる、速度が最高に達すると、月清の体と一刀は一体と化し、刃がついてるコマが回っている様であった。


正にコマが生きており、踊る様に縦横無尽に自由に空間を滑走している様であった。


一度、動きに魅入られると、その空間に引き込まれる様な美しさが其処にはあった、剣技と形容するモノではなく、舞いであった。


始めて対峙する者は、舞を見ている内に切り殺される、正に死の舞という名前が相応しい剣技であった。

刃は、下から突き上げ、上から一刀両断する動き、そして止めの突きをして、月清の実演は終了した。


『どうだ!感じは伝わったであろう。フハァッ、フフゥ、あ~疲れた。』と月清は辛そうに声を出した。


わずか数分の舞で、肩で息をする月清の頭からは大量の汗がふき出ていた。


『ハァ~、いや、やはり齢だな、ア~ッ、こんなに疲れるとは思わなかったぞ。』と、無理して語り続ける月清は、そう言いながら、刀を地面に刺し、杖にして立ち呼吸を整える事に努める。


やっと呼吸を整えた月清は、4人に自分の傍に戻る様に、手で4人を招く。4人が傍にくると、久之助を指名し、刀を持てと指示を出した。


指示を受け、月清から刀を渡された久之助は、刀の重さに驚いた。


大太刀の重さは、月清が使った短いほうでも6斤(約3.6㎏)有り、長い方の重さは8.5斤(約5.1㎏)である。


久之助はその重さを感じ、初めて月清の疲労度、回転を柱とした刀法の理由、そしてその破壊力を理解したのであった。


『重いじゃろ、その重さを使いこなせれば、馬の両足なんぞ、簡単じゃ。』


『お主らには、この刀法を極めてもらうぞ・・・。』と言って、月清は4人の顔を見回した。4人の修業が始まったのである。


その日、同じ高松城で桐浦秀久(きりうら ひでひさ)傅役(もりやく)として宗治の息子原三郎に習字を教えていた。


『原三郎様、字は人の心をを表します、字はなるべく大きく書く。上手い下手は、人の評価ですが、大きく書く事は自分で決める事ができる。思いっきり元気に大きく書いて下さい。』と秀久が言うと、原三郎は素直に半紙にはみ出るぐらいの大きい字を書いた。


『良い字ですな、見ている爺が元気になるくらい、大きく良い字じゃ、今度は紙に収まるぐらいの少し小さめに字を書いてみましょう。』


『小さくし過ぎても駄目ですじゃ、さあ、・・・・おお、今度はちょうどの大きさじゃ、源三郎様は筋が良いなあ。』


その様子を見ていた鶴姫は、まるで仲の良い祖父と孫のやり取りをみている様な感覚になっていた。


桐浦殿は、子供の育て方を心得ておるなと感心しながら見ていたのである。

『面白かった!』


『続きが気になる、読みたい!』


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