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「聞いたわ、サリーちゃんの話!よくやった!」


頭を撫で回してこようとするお母様の手を避ける。

帰宅した私たちは、着替えてリビングで話をしながら

お茶を飲んで今日の話をしていた。


「ルマンド夫人は一応、化粧品店の顧客なんだけど、買わないくせにサンプルばかり持って帰るのよね~」

「そうか......」


お父様は新聞を読みながら相槌をしている。


「ジュリも15歳で学校に行くでしょ?学校が始まる前にお友達がいた方がいいんじゃないかって事で皇后様がお付き合いのある家紋の、同じ学年の子達をお茶会に呼んでくれたのよ」


サリーとは仲良くなれそうもないが、3人とは仲良くなれそうで良かった、と胸を撫でおろす。

夕食も終わり、寝る支度を整えその日はすぐに眠りについた。

-------------


今日は、ドレスの整理をしようと思う。

私のクローゼットには、水色や黄色やピンクと淡くてパステルカラーのワンピースが多い。

でも私は前世を思い出してしまったので、私の趣味ではないパステルカラーのワンピースやドレスを着るのは抵抗があった。

今日は一番地味なベージュのワンピースに決め、服も仕立て直さないとダメだなと思った。



髪を専属侍女のラムに編んでもらい、完成。

今日は、左側に編み下してもらった。

朝食を食べ、午前中は家庭教師の授業をこなしてから、私宛に来た手紙に目を通す。


『近々、ジュリの家に遊びに行きます』カルル

『カルルから、明日ジュリの家に遊びに行こって誘われました。会えるの楽しみにしています』アリア

『俺も行くからねーん』アディ


全部の内容を要約すると、明日みんなが遊びに来るってことかな?


午後は、アーティ家の専属シェフに頼んでおいた、とっておきのお菓子達をもって、侍女のラムを連れて、私を助けてくれた神父のいる協会に遊びに来た。

お母様、お父様は事前にしっかりとした寄付金やお礼にもう行ってきたと言っていたので、私もお礼に行くことにした。


「アーティ伯爵家のジュリです、先日は、危ないところを助けて頂いたみたいで、ありがとうございました。」

「ようこそ、無事回復できたと聞いていましたが、お会い出来て安心しました!

こんなところですが、子供たちと遊んであげてください」


ここの教会は、王妃様の慈善事業で、孤児院も経営している協会だった。


「お姉さん綺麗~!」

「いい匂いがするよ~!」


若い女性がくるのは珍しいのか、子供たちが寄ってきた。


「はじめまして、ジュリよ。みんなにお土産を持ってきたから、食べましょう」

「「「わーーい」」」

「みんな呼んでくる~!」


孤児院の食堂に子供たちと移動すると、同じくらいの女性がいた。


「初めまして、マーシャです。ここの孤児院出身で働かせて頂いてます」

「ジュリです、神父様に助けて頂いたのでお礼に参りました、よろしくお願いします、この子は、私の侍女のラムです」


ラムもペコっと挨拶をし、子供たちに手を引かれ、席につく。

マーシャがお菓子のバスケットを子供たちから受け取り、中身を人数分に分けていく。

この孤児院には14人の子供達がいると、事前にお礼に来ていた両親から聞いていたので、それよりは多めに用意してきたクッキー。

『クマの形のやつがいい~!』『大きいのは俺のだ!』と、子供達の言い争いは絶えない、次持ってくる時は、形もそろえて貰おうと思った。


みんなでクッキーと牛乳を飲み、おやつを終えると『ジュリ姉ちゃん、案内してあげる!』と、また子供達に手を引かれ、中庭に移動し、みんなで花冠を作ったり、日本でいう、バトミントンのような遊びをして過ごした。


「ジュリおねえちゃんまた来てね~!」


そして私はお迎えの馬車が到着し帰宅し、夕食を食べ、寝る支度を整え眠りについた。


起きてからは何時に来るかわからない来客に向け、支度をする。

王城ほどの華やかなお庭ではないけど、お庭にテーブルをセットし、お茶の支度をした。

ほどなくして、アリア、カルル、アディの順番に到着した。


色とりどりのマカロンや、ブラウニー、クッキー、ケーキ。

アーティ家のシェフ達が頑張ってくれた綺麗なお菓子達が並ぶ。

飲み物は、フルーツを絞ったジュースと、私は紅茶を飲みたいので紅茶も用意した。


「みなさん、適正は調べました??」

「物心がついた時、すぐやらされたなぁ、アディと一緒に」


この世界には魔法が存在していて、適正とは、火、水、雷、土、光、闇の、適正を検査するのだ。

検査方法は、水晶に手をかざすだけ、私はまだ検査を受けていなかった。


「アリアは何適正だったの?」

「私は水晶が水色になってから冷気が出ましたの、

水属性と、氷属性もありましたわ」


水属性を持つ子に限り、たまに氷属性をもつ子が生まれる。

氷属性は極めて稀、光魔法使いは、癒しの力が使えるためヒーラーになることが多い。

私を治してくれた治癒魔法師がそれである。

治癒魔法を使える光属性は人数が少なく、治癒を受けるのは貴族しか払えないくらい沢山のお金がかかる。

なので光属性に生まれ治癒魔法が使えるほど魔力が高かったら将来安泰と言われている。

闇属性は、記述が少なくわからないが、氷属性は、万物を模倣でき、攻撃力も高いのだ。

これほど便利な属性は無いだろう


「たしか、火だと赤く、風は緑、雷は黄色でしたよね?」


乙女ゲームみたいな世界だなと思いながらも、前世では空想の物だった魔法にわくわくした。


「僕は火と、風の属性だったよ」


カルルは王族なので2種の属性を持っている。

王家には代々仕えている妖精のようなものがいるみたいで、その妖精が火属性なんだとか。


「アディは?」

「俺んち、土属性しか生まれないのよ、もちろん俺も」

「ジュリは検査してないの?」

「まだしてなくて・・・」

「その話になるかなぁと思って、水晶持ってきたんだけど、使う?」


カルルの持ってきていた大きめの鞄から、透き通った水晶玉がでてきた。


「準備良すぎない?ありがとう!!!!ドキドキするんだけど!!!」


今日検査が出来るなんて思ってなかったので、とてもテンションが上がる私を見て、カルルは顔を赤く染めた。

サイドテーブルみたいな小さなテーブルを侍女に持ってきてもらった。


「まず、見本を見せるわね」


アリアが水晶に両手をかざすと、水色に光り輝く、ほどなくして冷気を帯びた白い煙のようなものが出る。


「すごい・・・これが氷属性ね」

「俺の土属性もみる?」

「見たい!」

「しかたないなあ」


アディが交代で水晶に手をかざすと、水晶が茶色く濁った色に変化した。


「おぉ・・・」

「久しぶりに見たな、丸いうんこ」

「下品よ、やめなさい」

「酷いなあ、じゃ、次カルルね」

「僕はいいよ、ジュリのために持ってきたんだし」

「え、みんなの見たいな」


カルルも水晶に手をかざすと、次は、赤く炎のようなメラメラとした色、熱感が伝わってくる色になった。

ほどなくして、風の突風が吹いているような揺らぎが現れる。


「ほぉ、ダブル属性だとこう反応するのか、なんかとっても綺麗」

「うんこの後だから、きれいに見えるよな」

「だからうんこやめぇぇぇい!」


アリアのチョップが、カルルの肩にヒットする。


「ジュリもやってみようよ!」


アリアに押され水晶に手をかざして、こんな感じかな?魔力を込める。

私の水晶は、黄色く光を放ち、バチバチと電気のような稲妻が走る。


「ジュリは雷属性か、扱いにくいって言われてるからがんばれ」


カルルにかたをポンっとたたかれる。

雷かぁ~乙女ゲームとかだったらヒロインは光属性とか、悪役令嬢なら闇属性とかなのに、雷属性って、もはやその他でしかない。

わくわくとがっかりが入り混じった感情になってしまったのは内緒の話。

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