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文学

醜い老婆

作者: 千路文也

 とある村には心底汚らしく醜態を晒している老婆がいた。その老婆は常に卑しい笑みを浮かべながら若者に近づき、自分の仕事を他人にやらせるような残忍な行為をしていた。そんな人間に明るい未来が訪れないのは周知の事実だった。ある日、老婆は十字架に四肢を縛られて、村人から石を投げつけられていた。皆が彼女に向かって罵倒の限りを尽くしていた。


「この糞女。今まで俺を散々いたぶりやがって!」


「俺達が神様に変わって罰を与えてやる。覚悟しろ!」


 石を投げつけられて老婆の顔は傷だらけになっていた。元々気分を害する顔をしていたのだが、怪我をして更に拍車がかかっていた。性格は人相に現れると言われるが、老婆の顔は今世紀最大級に醜く腫れあがっている。顔からポタポタと血を流し命乞いまで始めた。


「ゆ、許しておくれ……」


 目から涙を浮かべているが、心から反省している筈も無い。悪人に容赦などしてはいけないのだ。村人は何処からか槍を取り出して、老婆の胸に突き刺した。老婆はそれで絶叫を上げたがそれ以上は何も喋らなかった。涙を流したまま絶命したのだ。これには住人達も笑いが止まらず、今晩は村全体が宴が行われたそうな。


「ああ、愉快愉快。あのばあさんが死んでくれて助かったわい」


 ふと外を見ると、カラス達が新鮮な生肉を突いていた。目の玉をくりぬかれ内臓をクチバシでえぐり取られている。醜い老婆に相応しい最後ではなかろうか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 老婆がした悪事とはなんだったのでしょうか。 誰が縛り付けたのか、その最後の引き金はどういった点だったのか。 色んな背景が気になりました。
2015/03/29 22:01 退会済み
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