4話 病の村
雨が降る中、昼に焔山を出た二人は村に着いた時はもう夜になっていた。
村に着いた二人が最初に気がついた事は村全体に薄い黒い霧が漂っていたことだ。
「これは瘴気ね。この薄さから見ると妖怪は別の場所にいるようね。静、私はこの村の村長に話を聞いてくるから貴女はこの周辺を調べておいて」
「わかりました姉様」
静に指示を出し、二人は一時別行動をとる事にした。
奏は静と別れ村長の家に向かった。
窓の隙間から蝋燭の灯が漏れていて、まだ起きているようだ。
「夜分に思う仕分けありません。この家に村長は居りますか?」
戸を叩き中へ呼びかけると中から若い女の声が返ってきた。
「どちらさまですか?」
「焔神社の巫女、崇焔奏と申します。少し話を聞かせてもらえませんか?」
奏がそう答えると戸がゆっくりと横に開いた。開いた隙間から女の顔が覗きこちらを確認していた。
「巫女様どうぞ中へ」
出迎えたのは奏より少し年上の女性だった。
中に入ると中年の男性が布団の上に寝ていて顔色が悪かった。奏の目先に気がついた女性が説明をしてくれた。
「すみません父がこんな状態で。今村では流行病が蔓延していてそれに父も罹ってしまい・・・」
彼女は村長の娘のようだ。彼女の説明を聞いて奏はここに来た訳を話した。
「その事についてなんだけど、私がここに来たのも、病と謎の獣の叫び声の噂を聞いて調べに来たの。協力してもらえるかしら?」
「はい、構いませんよ」
彼女が素直に承諾してくれた。
「一つ目の質問、いつ頃から病が広まったの?」
「えっと、一昨日の昼ぐらいから体調を崩し始める人が出始め今日までに多数の人が臥せってしまいました」
「そう、じゃあ二つ目謎の叫びって聞いたことある?」
二つ目の質問を聞いた時彼女の肩が震えたように見えた。
「そ、それは・・・・」
震えが少しずつ大きくなり、言葉が出なかった。
「どうしたの、もしかして何か見たの?」
彼女は瞼を閉じ息を整え、意を決して続きを話した。
「実は私一昨日の夜に見たのです。遠目でしたからよく見えませんでしたけど、山の中に赤い眼をした人が歩いて、何かを引きずって歩いてました」
話を聞いて頭の中を整理していた。
「話してくれてありがとう、助かりました。村に悪しき空気が流れているようなので後で清めておきます。そうすればお父様も少しは良くなるでしょ」
「本当ですか!ありがとうございます!!」
それから彼女の家から出て奏の中から赤い光が出て、彼女を中心に半球体で村を包み始め黒い霧が徐々に消えていった。これは焔の巫女が使う浄化の炎。邪悪な気を浄化し正常にする力だ。
静と分かれた場所に戻り彼女の戻りを待っていた。
しばらくすると山の方から静がやって来た。
「お疲れ、静。瘴気は浄化しといたわ、そっちはどうだった?」
「お姉さまもお疲れ様です。村の周りは特に以上はありませんでしたが、少し山の中を見てきた所山は瘴気が濃く木や草が枯れており、山の中腹を目指して伸びていました」
「そう、なら今すぐ山に行きそいつを追うわよ」
「はい」
山に向かう二人をいつの間にか雨が止み雲が晴れ、月の光が二人を照らしていた。