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雅楽~妖狐~  作者:
1/5

序幕

 初投稿です。前からこういうのを書いてみたいな~と思っていてついやっちゃいました☆文章が変でも許して下さい(人'д`o)

 

 今日から始まる夏休み、初日から雲一つ無く綺麗な空が晴れわたっており人々は、前から計画していた家族旅行や友達と遊びに行く人や外で元気良く走る子供たちの声が聞こえた。

 そんな中太陽の下一人の10代後半ぐらいの若い男が、暑そうにシャツの襟を引っ張りながら人気が無い路地を歩いていた。

「はぁ~、なんで僕がこんな暑い日に骨董屋に行かなければならないんだよ、あのクソ爺め・・・」

 彼は一人ぶつぶつと愚痴を零しながら数時間前の事を思い出した。

 


 

 時計の針がもうすぐで昼の1時になりそうな時間帯なのにまだカーテンを閉め切り冷房の効いた部屋のベットに気持ちよさそうに彼は寝ていた。

 だが、そんな幸せな時間も終わりを告げるように部屋の外から声が聞こえてきた。

「ワシの愛しい孫や、頼みたいことがあるんじゃがいいか?」

「んー、ムリ」

 部屋の外から祖父の声が聞こえてきたが、めんどくさかったので断った。

「な!用件も聞かずに断るとは爺は悲しいぞ、昔はジジ、ジジと言ってワシの後を付いてきていた可愛い孫がこんな薄情者に育ちおって!オヨオヨ」

 下手な泣き真似が部屋に響き渡って来て無視しようとしたが、相手は一向に止める気配がなっかのでこっちが先に根負けしてしまった。

「あーもうわかったよ、わかりました僕の負けです。ですからそんな下手な泣き真似止めてください」

 彼はめんどくさそうに体を起こしてドアを開けると祖父が泣き真似を止め、大げさに喜んできた。

「おぉ、そうか!流石ワシの孫じゃ、信じていたぞ!じゃあここに書いてある骨董屋に荷物を取りに行って来てくれ」

 祖父はそう言って地図を渡してきた。

「え、使い?こんな暑い日に?嫌だよ、自分で行って来てよ」

「!?孫よ主はワシに死ねと言うのか!こんな年寄りを外に出して熱中症になって死ねと!オヨオヨ、バアさんや孫がひどいんじゃ、オヨオヨ」

 祖父がまた下手な泣き真似をしながら祖母の元へ泣き付きに行こうとしていた。

「わー!わかったよ!行くよ、行けばいいんでしょ!」

 祖母は家の人の中で一番怖い人だからやめてほしいよ。



 そんな事を思い出していたら目的地の骨董屋に着いていた。ここの店主と家の爺は古くからの付き合いらしく今回は、なんか面白いものが手に入ったから譲ってくれるらしい。

 店内に入ってみるとカビ臭く少し埃も溜まっていて商売をする気があるのかが疑わしい店だ。

「あの~、すいみません何方かいらっしゃいませんか?」

 店の奥に呼びかけてみて少し間を置いてから声が返ってきた。

「お、やっと来たか待っていたよ」

 奥から眼鏡をかけた気の優しそうなお爺さんが出てきた。

「ほれ、これをお前さん所の爺さんに届けてくれ。割れやすいから注意してな」

 店主はそう言い古臭い木箱を渡してきた。

「何が入ってるんですか?」

 少し気になって聞いてみて店主の顔を見たら鼻の穴を広げて「待ってました」みたいな顔をしていた。

「これは世界の卵だ」

「?」

「これを育てたきった時新しい世界が誕生するらしい」

「はぁ、新しい世界ですか」

「と、言っても俺はやったことが無いし興味もないからな後の詳しい事はお前さん所の爺さんに聞いてくれ」

 店主との話も終わり、お礼を言って店を出たのだった。


 骨董屋から帰宅し祖父の部屋に直行した。

「爺さん荷物持ってきたよ」

「お、すまんの可愛い孫を使いなんぞに出して」

 祖父は涙を拭く真似をして誤ってきたが、無視してさっき店主が話した事が気になって聞いてみた。

「ねぇ、この荷物なんだけど・・・」

 と、彼が質問しようとした時祖父が口を愉快そうに歪めて見て来た。

「孫よそれが気になるのか?教えて欲しいのか?どうしよっかな~、どうしてもって言うなら教えてやらんことは無いがの~」

 ホホホと勿体ぶったように笑っていてムカついてきた。

「別に良いよ。はい荷物、じゃあ僕はもう一眠りするね」

 素っ気無く答えて自分の部屋に帰ろうとしたら、祖父が慌てて引止めに来た。

「嘘!爺さんが悪かった。だから爺さんを捨てないで!」

「なら最初っから素直に言ってよ」

 祖父が少し恨めしそうな目で見ていたが無視。そしてやっと観念して話し始めた。

「これは世界の卵というらしい、理想な世界、見てみたかった世界観、良い物語等この卵を育てた人が満足した時世界が生まれるといわれている」

 そう言いながら木箱を開けると中には、手の平サイズ球体型のクリスタルが入っていた。祖父がそのクリスタルをこっちに渡してきた。

「ほれ、ワシから可愛い孫へのプレゼントじゃ」

「え、僕に?要らないよそんな物」

 あ、つい本音が出てしまった。

「な!?孫よ爺の贈り物を要らないと!なんて薄情な孫じゃ!オヨオヨ、バアさんや孫がー・・・」

「わー!お婆さんに言わないで!貰うよから!!」

「そうか、そうかそれは良かった。しっかり育てるのだぞ」

 祖父は満面の笑みを浮かばせてクリスタルを渡してきた。

「で、これどう育てるの?」

「ふむ、それは深夜の2時に己の血を卵に注げば準備完了じゃ」

 いきなり祖父が怖いこと言い始めたよ・・・。

「え、何それコワ・・・やっぱ要らない」

「バアさんや――」

「あーーーー!!」



 時計の針がもうすぐ深夜の2時を指そうとしていた。

「もうそろそろ2時か、さてやってみますか」

 テーブルには祖父から貰った球体型のクリスタルと果物ナイフが置いてあった。彼は果物ナイフを手に取り指先をクリスタルの真上に持ってきた。

 そしてナイフの先で人差し指の表面を少し切ってそこから血が溢れてきて、その血を一滴二滴クリスタルに垂らした。

 血をかけてから数分待ってみたが何も起こらない。

「・・・・馬鹿ばかし、寝よ」

 ベットに寝ようとした時、部屋の中からガラスが割れる様な澄んだ音が響いてきた。

「ん?」

 気になって背後を振り返り辺りを見回してみると音はテーブルに置いてあるクリスタルからのようだ。

 テーブルに近づいて見て見るとクリスタルの全体にひび割れしていた。

「やっば壊しちゃったかな」

 彼が心配そうにクリスタルを見ていたらひび割れがどんどん細かくなって行き甲高い音を響かせて砕けてしまった。

 が、クリスタルは無くなってしまったがその中から紅色の球体が浮かび上がってきた。

「な、なんだよこれ」

 彼が驚きの声を上げている間に紅色の球体の周りに瑠璃色の膜が覆い始めて紅色を飲み込み大きさが水晶玉ぐらいの大きさに生長し、その球から瑠璃色の光が部屋全体を覆ったのだった。



 


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