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ぼくはその日、公園にもういちど足を運んだ。
でも、みどりはいなかった。
あくるひも、あくるひも、みどりはそこに、存在すら示さなかった。
うあなだれることにも、ぼくはただ慣らされて、このままおとなになるのだろうか。
ただ、あきらめだけをおぼえて、おとなになっていくのだろうか。
梅雨があけた、空の蒼さをいまは忌々しく感じた。
きみがいない世界が、こんなにも寂しいものだということをぼくは知る。
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「おまえ恋してるだろ」
ぼくのことなんてお見通し、とでもいいたげな表情をうかべて、机に突っ伏していたぼくに逢坂が言った。
「だったら」
「協力、しようかなって」
「むり」
あっさりと断って、ぼくはまた昼寝をはじめた。
逢坂がぼくを起こそうと、必死でぼくの肩をゆさぶる。
「なんだようっとうしいな」
「協力させろ」
「だから、いらないっつってんじゃん」
ぼくの冷たい反応をみて逢坂はからだをくねらせながら、
「もう、しろちゃんつめたーい」
とか女子っぽく高い声でいってきた。
クラスのみんなからの視線がぼくたちをとらえる。ああ、最悪だ。
「おまえ、まじうっとうしい」
きっと逢坂を遊び半分でにらむと、逢坂はしぶしぶぼくのとなりの席についた。
「なんでそこすわんの」
「おれのかってでしょ」
開き直りやがって、とこころの中で呪詛をとなえた。
逢坂は鬱陶しいけれど、みどりにあえなくてしょげこんでいるぼくのこころを、すこしだけほぐしてくれた。




