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「あーあ」
ぼくは大きなためいきをついてから、公園のベンチにどっかりと腰をおろした。
どうして最近こんないやなことがつづくのだろう。
階段からおちて足を骨折したせいで、せっかくとれそうだった野球部のレギュラーの座ものがすし、
入院しているあいだに親友があたらしい友達をつくってしまった。
それにがんばって勉強をしているのに、テストの点数もあまりあがらない。
どうしてぼくばかりこんなにもついてないんだろう。
気がつけばいつもそのことばかりが頭をよぎる。
神様なんているのだろうか。少なくともいまのぼくに神様はいないだろう。
だれかを恨むことしかできないこんな自分にも、自己嫌悪してしまう。
そんななかで空の青さばかりすがすがしくて、よけいにいらいらする。
目のまえの遊具でおもいっきりあそぶこどもたちがうらやましい。
なにかをおもいっきりしたい、やりたい、叫びたい。
そうしたら、できたら、このもやもやも晴れるだろうか。
でももうなにもしたくない。
もういっそのこと、このまますわった状態で石になりたい。
なにも感じたくない、みたくない。
「あーあ」
また大きなため息を胃からもやもやといっしょにだした。
でもすっきりしたのは一瞬だけで、また余計にいらいらした。
足元の蟻をふみつぶしてみても、蟻はぼくをばかにするように靴のすきまからでていく。
蟻までにもばかにされるなんて、とぼくは苦笑した。