表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/34

2

「あーあ」

ぼくは大きなためいきをついてから、公園のベンチにどっかりと腰をおろした。

どうして最近こんないやなことがつづくのだろう。

階段からおちて足を骨折したせいで、せっかくとれそうだった野球部のレギュラーの座ものがすし、

入院しているあいだに親友があたらしい友達をつくってしまった。

それにがんばって勉強をしているのに、テストの点数もあまりあがらない。

どうしてぼくばかりこんなにもついてないんだろう。

気がつけばいつもそのことばかりが頭をよぎる。

神様なんているのだろうか。少なくともいまのぼくに神様はいないだろう。

だれかを恨むことしかできないこんな自分にも、自己嫌悪してしまう。


そんななかで空の青さばかりすがすがしくて、よけいにいらいらする。

目のまえの遊具でおもいっきりあそぶこどもたちがうらやましい。

なにかをおもいっきりしたい、やりたい、叫びたい。

そうしたら、できたら、このもやもやも晴れるだろうか。

でももうなにもしたくない。

もういっそのこと、このまますわった状態で石になりたい。

なにも感じたくない、みたくない。


「あーあ」

また大きなため息を胃からもやもやといっしょにだした。

でもすっきりしたのは一瞬だけで、また余計にいらいらした。

足元の蟻をふみつぶしてみても、蟻はぼくをばかにするように靴のすきまからでていく。

蟻までにもばかにされるなんて、とぼくは苦笑した。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ