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あたち、姫

作者: 浅葱

すいません、ただの親ばか記録です。

 今日もママは産まれて間もないあたちに言う。


「いいこと? 残り物に福はないの。そんなことを言うのは負け惜しみなのよ!」


 って。

 一体何を指して「残り物に福はない」なんて言ってるのかイミフメーなんだけど。

 でも先人の言葉ってやつだから聞いておいてあげるわ。

 だってあたち、姫だし。


 *  *


 やっと寝返りが打てるようになって、嬉しくてころんころんしてるあたちをママがだっこする。


「姫、かわいーかわいーかわいーかわいー、ああもうかわいーい!」


 ママはあたちをだっこする時その単語しか知らないみたい。

 あたちもっところんころんしたいの。

 でもママが嬉しそうだから我慢してあげるわ。

 だってあたち、姫だし。


 *  *


 ママがくれたタオルをだっこしてうとうとしてたらお兄ちゃんがきたの。

 あたちをなでなでして、


「赤ちゃん、かわいーね」


 っていうの。

 そのおかげであたち目が覚めちゃったの。

 でもママもそういうお兄ちゃんに嬉しそうだからえへへって笑ってあげるわ。

 だってあたち、姫だし。


 *  *


 なんだか気持ち悪くなってきて、ふえふえ泣いてたらパパが帰ってきたの。


「眠いのかな。お風呂入るか」


 ってお風呂の準備してあたちをお風呂に入れたの。

 気持ち悪いのよーどうにかしてよー。

 でもお湯に浸かって楽しくなってきたからばしゃばしゃしていっぱい遊んであげるわ。

 だってあたち、姫だし。


 *  *


 ある日ママが銀色の物を口の前に出して「あーん」って言うの。


「苺だよーおいしいよー」


 って口を開けた瞬間に入れられちゃったの。

 何これ? いつものおっぱいと違うじゃない?

 でも味わってみたらなんだか甘酸っぱくて不思議な食感だから食べてあげるわ。

 だってあたち、姫だし。


 *  *


 寝る時顔を覆ってないと落ち着かないの。お気に入りのタオルで顔を覆ってぐーすかぴー。


「ひ、姫っ、姫ぇぇぇえええええっっ!!?」


 ママに見つかってタオルを取られちゃった。

 ひどいひどいこれが一番落ち着くのに~~。

 でもいっぱい泣いたら、ママがだっこしてそーっと高い高いしてそれからずーっとだっこしてくれたから許してあげるわ。

 だってあたち、姫だし。


 *  *


 寒い冬は鼻が詰まって気持ち悪いの。


「さー、姫。鼻吸いしよーか」


 ママがにこにこしながら鼻吸い器であたちの鼻を容赦なく吸うの。

 ちょっと! なんか気持ち悪いのよ、それ!

 でも何度も吸われてるうちに吸われると鼻が楽になるってことがわかったから抵抗しないであげるわ。

 だってあたち、姫だし。



 信じられないけどママにもうーんと小さい頃があって、その頃は


「小さい姫」


 って呼ばれてたんだって。

 本当のお姫様になれるかどうかは貴女次第。

 でも後悔のないように過ごしてね。

 やっぱりママの言うことは難しくてわからないけど、いつもにこにこしてるからあんまり後悔ってなさそう。

 大好きなママの言葉だから聞いてあげるわ。


 だって、あたち姫だから。

2/9 9:24 なんかまとまりが悪いので最後一部付け足ししました。


2/11 1:32 お気に入りの膝掛けタオルが真っ赤でぼあぼあしてるのです。それで顔を覆うのです。おかげで主人が「ホヤそっくり」と言っていました。それはそれでどうかと思うんだ。

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