表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/93

8.大作戦(笑)

 まあでも、実際、不思議なことに、俺は髪を何色にも出来た。だが、生まれたての状態から、2歳くらいまで一気に成長出来たのにそれ以上にはなれなかった。そこは、なんなら16歳くらいまで大きくなれれば、心と体に違和感がないのだけれど。


 贅沢は言うまい。手が人型なのはとっても安心するから。

「ふだんは、このすがたで、すごすぅ!」とウキウキしながら言ったが、待ったがかかってしまった。

「我が君、そうでなくても、一週間後に城内の者にする、イレギュラー満載の言い訳を考えているところなんですよ。これ以上増やすのはどうなんでしょうか?」とビリーヤでさえ難しい顔をしている。

 流石に、そう言われると仕方ない。徐徐に、おいおいやっていこう。


 という訳で、【ビカッ】と、ドラゴンに戻った。

「これは、これでしっくりくるのが不思議だな。俺はもうドラゴンなんだなぁ」と滑舌良くしゃべる。これも不思議。どう考えてもドラゴンの方が流暢に話せそうにないのにな。


 そして、ふと思った。ドラゴンでも好きな色に変えられるんじゃないか?

【ビカッ】おお~。出来た!某ゲームのラギアなんとかって水竜をイメージした格好いい姿になる予定だったが、大きさも丸っこさもそのままのかわいいブルードラゴンになってしまった。

「きゃーーー!!!」とサリアが飛びついてきて、抱っこされた。

 ???どうした???しっかりものの姉御肌サリアさんや。

「なんて、なんてお可愛いお姿でしょう!」目がハートだ。しばらく離してくれそうにないので、あきらめの境地だ。


「我が君、素晴らしいですね。何色にもなれるのなら、次は是非、緑か、茶色でお願いします」とカマラテも鼻息が荒い。ここの人達は、ブラックドラゴン以外でも、自分の種族の色に大変こだわりがあるようだ。

 そして、よくよく聞くと、ドラゴンは出生率が低く、滅多に赤子が生まれないようだ。城郭内で卵が生まれたとしても城郭の外の領地で孵化、成長させて、人型になれるようになってから城郭内に帰ってくるそうだ。育休凄いな、人型って10歳くらいで出来るようになるって言ってたような。2千年も寿命があるとスケールがデカい。


 10歳で人型か。そういえば、最初に会った時に、ビリーヤが大まかに説明してくれていたな。そりゃあドラゴンの種族には人型赤ちゃんがいない訳だ。

 子育ては領地に帰ってからするなら、城下育ちにとっては、赤ちゃんドラゴンもさぞ珍しいだろう。

 エリートコースまっしぐらのここに居る5人の黒角持ちは、孵化して黒角が確認されてからすぐ、城下暮らで、側近競争漬けらしいからね。ああ、考えるとなんか不憫なやつらだな。

 10歳を超えてからの訓練の時は、訓練場が城壁のすぐ外側に設けられているので、そこでドラゴンに戻って訓練するらしいので、城郭内に引きこもっていた訳ではないんだろうが・・・

 訓練場か、楽しそうだな。今度見に行ってみよう!


 そして、二週間後、城内の恐ろしいほどの視線を一身に浴びている俺。そう、飛んでいます。

 《徐徐においおいに大作戦》実行中なのだ。

 一週間でポツポツとしゃべりだし、「なんと、成長著しい!」と宰相府に集っていた臣下一同を驚かせ、ようやく落ち着いてきたので、第二弾で飛んでいるわけだが、快適だ。短い脚でチマチマ歩くことも、誰かに抱っこされることもなく自由に好きな所へ行ける!


 それでは、いざ!探検だ!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ