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ドラゴンとは、これいかに  作者: グーグー


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23/93

23.危険なドラゴン

 今日は、ロイドと側近に、学校についての相談をするよ。

 正確な名称は黒龍城下初等園。4歳から人型になれるまでのドラゴン姿の者が通う学園だ。初等園の次は中等園、高等園とあるらしい。


「俺は是非学校に行ってみたい。でも黒龍王じゃ他の生徒がビビっちゃうっていうのなら、勿論、色を変えて行くよ!物騒な事、念じることもしないし!」と猛アピール。


「姿を変えて一般人として通われますと、無礼を働く者が出てまいります。そんな時に、いかに対応するかが問題となるかと思います」

「そうですよ。我らがいちいちそれらの者に注意してまわるとなると、異質さが目立って、我が君があらゆる色に変化できるとバレてしまうのではないですか?」

「そこは、これからもお忍びをするのであれば、絶対に秘密にするべき事項でございましょう?」

 側近たちは就学の難しさをアピール。平行線だ。


 ロイドが、

「我が君、学園は4歳からですぞ。まだまだ時間はあります。そこはゆっくり考えても間に合いましょう」と言う。

「え?俺……、そうだな。なんか、前世で高校に入学したてだったから、そのあたりの学年に編入する感覚だったよ。生まれたばっかりのドラゴンだったよね、今。あと4年近くあるのか」と、しょんぼりする。


 すると、雨が降り始める。しとしとから、一気にザーザー降りに変わる。ゲリラ豪雨だ。あまりの天気の急変に異変を察知するのは容易だった。

「我が君、気を落ち着けてくださいませ。なんとか、方法を考えましょう」と側近がなだめるが、俺は自分で自分をコントロールできなかった。

 こんな、入学年齢の壁なんて、どうしようもない事で、怒りも、悲しみもしていないはずだけど、なんでだろう?ちょっとがっかりしただけなのに……。

 俺、やっぱり危険なドラゴンだった。それの方が、悲しい。

 そう思った瞬間【ドガンッ】と音がするほどの雨音に変わった。これは真剣にヤバいやつだろう。


「我が君!」とサリアが駆け寄ってきて抱きしめられる。

「赤子のドラゴンは皆、誰でも、ちょっと癇癪持ちですわ。我が君だけではございません。ですから、なんの心配もありません」と言い切ってくれる。


 的確に俺の不安を察してくれるサリアに感謝だ。「みんな同じだ」と言われて落ち着く元日本人気質もあるのか?俺は徐々に落ち着いて、雨が止んだ。

 そして、被害があんまり出ていないといいけどと思いながらも、お昼寝モードになってしまった。ごめんなさい。


 **ロイド視点**

 我が君は流石の黒龍王でいらっしゃる。報告によると、先程の雨は城下のみならず、全世界に及んだようだ。被害は数カ所で浸水被害がみられたが大事にはなっていないようだ。ま、これは、歴代の黒龍王の癇癪に比べると、ということになるのだが。


「ロイド様、我ら側近は、多少の無理をしてでも、我が君の願いを叶えて差し上げたいと思います」

 ティルマイルを筆頭に4人の側近は、早めに就学をさせることに前向きのようだ。

「早めにとは言ってもな、我が君はまだ生後4か月だ。流暢にお話なさるので、忘れがちだが、体は小さく、どう考えても就学児童に違和感なく混じれるとは思えない」

「そこは規格外の我が君でございます。今は出来ないとおっしゃっていましたが、多少訓練すれば、人型の赤子が2歳児相当とやらに急成長したように、ドラゴンでも大きさが変えられるようになるやもしれません」

「そうですね!まずは黒の森で試してみましょう!」

 前向きな側近達だ。この者達に任せておいて大丈夫であろう。

「それでは、任せた。報告はもれなくあげるように」

 *****


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