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ドラゴンとは、これいかに  作者: グーグー


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21/93

21.認識阻害

 因みに、説明すると、俺の人型の顔は写真で見た前世の2歳の頃の俺、そのままだ。めちゃくちゃ可愛いと近所で評判だったと、写真を見る度に母が言っていた。

 その後に、小学生になる頃には普通になっちゃったのよねぇ、とも言っていた。俺の見頃はあと、数年だ。悲しい。


 この顔を、変えようとしてみよう。

 まず、鼻を高くするか?子どもの鼻があんまり高いと、違和感しかないけど、まあ、実験だし。

『鼻高くなれ』と念じる。鏡を見ると2センチほど高くなった。

「やら。こわい!」すぐに元に戻す。


 皆を見る。

「ね。こんなかんじでやっちぇみて!」

「こんな感じって。念じるだけで顔が変えられるなんて、我が君だけの気がします」とビリーヤは諦めている。

「あきらめたら、そこでしあいはちゅうりょうなんらよ!」とスポコンスピリットを説く俺。


 そして皆で色々試したが、結局は失敗に終わった。だめか。

「じゃあ、おれぇ、やってあげゆね!」といって、4人一遍に魔法をかけようとすると、ティルマイルが、

「お待ちください我が君!先程、鼻を高くしたら違和感がございましたよね。我々も長く親しんできた顔が変わるのはいささか、とまどいがございます。顔を物理的に変えるのではなくて、認識阻害を試して、違う顔に見えるかやってみますので、それでご勘弁いただけないでしょうか?」と、早口で捲し立てた。

「にんしきしょがい?」それでいいなら、簡単そうだ。


 そんなの出来るのなら、なんで最初から、それをやらないんだ?と、不思議そうな顔をすると。

「認識阻害は、力が同等もしくは上位の者には見破られますのよ。ですから、使う者はほとんどおりませんの。我々が使っても我が君には普通に見えるということですわ」

「そもそも、城の侵入路を一般人に誤魔化すなど、建築関係に特化した魔法ですので、顔に使うという発想がございませんでした。黒角だらけの城内では意味もないですしね」

「やってみて!じょうかまちだと、やくにたつはじゅ!」


「自分以外の人の顔に見えるようにするって言われても、漠然として難しいですね」カマラテは悩んでいる。

「そうですわね。誰かに似せるとかだとやりやすいかしら。私は亡くなったおばあ様にしますわ」とサリアは即決。


 結果、無事、みんな認識阻害の魔法で変身じゃないけど、目くらましができた。ま、俺には、少し紗がかかったかな~?くらいに見えるだけだけど。

 4人はお互いに、いつもの姿に見えるが、炎天下に日陰にいる人のように黒っぽく見えているらしい。

「城内の仲間に見られたら、僕たち怪しさマックスですよ」とビリーヤが嘆くので、城下に出てから魔法をかけることにした。


 そして、今日の俺は、レッドドラゴン!赤ちゃんサイズだけど超格好いいんだ。

 この色もまた、じゃんけんで決めたんだけど、ティルマイルが異常に強い。よってティルマイルのファイアドラゴン色だ。ビリーヤはガックリと項垂れている。

 じゃんけん。訓練で強くなれるのか?がんばれビリーヤ。


 **<閑話>ビリーヤ視点**

 僕はじゃんけんが弱いようだ。我が君が教えてくださった平和的に勝負がつくものだが、いかんせん、練習すれば勝てるようになるとも思えない、非情な戦いだ。

 それに、世界の基準は4分割なのに、なぜか3つのパターンで勝負をつけるんだ。このあたりのルールを変えれば、僕にも勝機がある、気がする。我が君にご相談させていただこう。

 *****


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