11.角の謎
さて、人型の見た目と、ドラゴンの種族、タイプが密接に関係しているので、角はどうかと質問してみた。が、まさかの全く関係ないとのことだった。
「とはいえ、誰も見いだせていないだけで、実は何か規則性があるのかもしれないですよ?」とカマラテはいう。
彼女の角はクルンと螺旋状の羊っぽいやつだ。
女性だから無いとか小さいとかはなく、皆似たようなサイズ感の角を持っているように見える。形は様々だけど。
「親から子に受け継がれることもないですし、種族ごとに系統があるというものでもないですし、男女も、タイプも関係なしに、沢山の角の形が現れますよ」
「ふ~ん。何か法則あるかなぁ~?面白そう!色々聞いて回ってみよう!因みに俺は?このちっちゃい角はどんな形になるの?」
「赤子の時はまだ確かではないんです。先端が見えているだけですから。でも我が君は、すでに先が折れているように見えるので、丸みのある角ではなく、複数に枝分かれするビリーヤのものか、ジグザクのティルマイル、もしくはサリアの、根元がちょっと太めで中ほどから後方に折れている形のようになるのではないでしょうか」
「そうなの!どれも格好いいから、どれでもいいや!」
でも折角の角なんだ。格好いいのがいいよな。まあでも見渡してみても、どれもみな格好いい。ロイドのドリルみたいになっているヤツなんてすっごく素敵だ。これとは系統が違うなんて残念。
あらためて鏡に自分の角を映してみる。うん、ちっちゃい、でも確かに内側にカクッってなっている個所がある。楽しみだなぁ。
6階の宰相府に行って、ロイドに職員の個人情報ファイルをみせてもらおうと訪ねてみた。
「個人情報?」
「そう。だれが、どの種族で、どんな能力があって、タイプは何で、住んでいる所はどこで、とか、とにかくいろんな事が書いてあるヤツ。見せて!」
「はいはい、人材リストならございますよ。こちらでございます。種族ごとに、城内に入れる人数、城郭内に住める人数が決まっておりますからな。そのリストは、その数を分かり易くするために使ってございます」と言って、渡されたリスト。
「・・・」まさか!俺、字が読めなかった。うそ~!嘘だって言って~!
数百万年以上も誰も関連性の見いだせない角の謎を、お昼ごはんの後に暢気に、解明だ~!なんてしている場合ではなかった。
俺は、今更、字の勉強をしなくちゃいけないんだ。この楔形文字のような字を!
普通に話せるのに、なんで!?文字もインプットしておいて!神様!
リストを手に固まった俺をみて、ロイドが心配そうに、声をかけてくれる。
「ありがとう、大丈夫。俺、字が読めないみたいだよ。トホホだよ」
「それは……まだ、生後一月でございますので、当然かと。お話できるだけでも素晴らしいのですから」
「う~ん。複雑。文字を覚える教材ちょうだい。かんばるよ」
渡された教材が大きくて手で持てないので、浮かせて運ぼうとしたら、
「我が君!魔法は、まだ、使えないことになっておりますので、教材は私がお運びします」と言われてしまった。なんだか、ままならない。
小さなストレスを溜めこむ最恐ブラックドラゴンとは、これいかに。




