「寛容は、人間の尊厳を守り、多様性を認めることです。」
「寛容は、人間の尊厳を守り、多様性を認めることです。」
実は寛容なほうがモテ派だったりする。
そう教わった。
お父さんから。
「実は今日、隣のイアちゃんの誕生日なんすよ」
ほうほうこれは。
「イアちゃんってどんな子なんだい?」
そうして、となりの教室へと、山田についていった。
「あいつがやんす」
「そうかあ、悲しいな」
「なんでやんすか」
「それはね、まあ知っている人だからだよ」
とある研究施設の助手をしていた。
あまり言えないとある研究施設だ。
昔のことだ、あまり語らない。
「本名を教えてやろうか」
「え、スパイや、犯人なんでやんすか?」
「友子だよ」
「ともこ?」
山田ははてなの顔になっている。
彼、いいや彼女のことはよくわかっている。
彼女のことだ。
あまり寛容になっては……
「付き合ってたりするでやんすか?」
「まあ、知り合いなだけだよ」
「本当に美女でやんすよね?」
まあなと返して俺は裾やかに席に戻った。
山田は見とれていた。
「なあイアちゃんのことは知っているか?」
大柄の男が言った。
「まあいろいろある」
湯浅に告げた。
「俺は告白しようと思う」
湯浅。
「応援するぞ」
湯浅は黙っていた。
多分すべてをわかっているだろう。
俺は決して分かりあわないとは思わない。
そんな俺に笑みがこぼれた。
「成染めええええええええええええ」
イヤがそう言っていた。
多分だが、ばれてしまったのだろう。
「と、いいやイヤ頑張れ」
「ふざけんな!」
湯浅がかなわないなとみているが、心なしか挑戦者のような目つきになった。
あー複雑だなこの野郎。