二話 ~再会~
11月28日編集
俺と雪菜は他愛もない話をしながら歩いてようやくブルメルの町についた。
30分ほどの道のりを二人で話しながら歩いていたので、打ち解けてきた。
同じくらいだから敬語をつけないでください。と言われたので、敬語は使わないようにしているのだが、雪菜は敬語をはずさない。
理由を聞いたら、彼女にとって敬語を使うことがフォーマルで外すと話しにくいそうだ。
なんとも厄介。
まぁ、結論を言えば、そんな感じの仲になったんだ!!
それじゃ、ブルメルの町を紹介しましょう。
建物がたくさん並んでいる。日本で言うと東京みたい。
しかし、日本と違うところがある。
あれ、なんだろう。
日本にはないよなぁ…。 教科書で見たことがあるくらいだ。
町の中心に大きな建物。
しかも、西洋風の大きなお城のようなものが建っている。
『なぁ雪菜、あそこにお城が建ってるけど、王様でも住んでるのか?』
『はい。でも壱夜さん。そんなことも知らないなんて、本当にこの辺の人じゃないんですね』
『ん……あぁ、そうなんだ。 だから、雪菜に会わなかったらちょっと危なかったな』
はははと乾いた笑いをこぼす俺。
あー、元の世界に戻りたい気持ちとこの世界を楽しみたい気持ちが混ざって疲れる…。
俺がそういうと雪菜はまた歩き出した。
そして、突然止まると
『ここなんてどうでしょう?』
雪菜の指の先を見ると、CROWと書かれた看板がぶら下がっていて、古そうだが、不思議と嫌悪感を感じなかった。
『なにが、どうでしょう? なんだ??』
突然、どうでしょうって言われても…。
雪菜の家なのかな??
『もう、最初に宿をって言ったのは壱夜さんですよ?? ひどいですよ』
雪菜はほっぺをぷくっと膨らませてすねている。
『悪い!! 雪菜と話すのが楽しくてつい忘れてたっ!!』
『…そういうことなら許しますけど…それで、ここが私のオススメの宿なんですけどどうでしょう??』
『雪菜のオススメなら迷わず今日はここに泊まるよ。ありがとな。』
『いえいえ。 では、私はまた、明日の夜最初に会った草原にいると思うので、明日来てくださいね。それでは、おやすみなさい。』
そんな言葉を残して雪菜は走っていった。
また明日の夜…か。今日はいろいろありすぎて疲れた。
もう、寝たい。
そう思って宿の扉を開けた。
ギギィーーー。
『いらっしゃい』
『本屋のばばぁ!?!?!?』
そこには白髪頭のおばちゃんがいた。
元の世界で見たばばぁ!! たしかにあのばばぁじゃねー
『なんじゃい初対面でやぶから棒に。失礼じゃろうて。』
あれ?? 初対面?? じゃあ違うのかな??
『あ、ごめんなさい。』
『しかし、いい男じゃのぉ。わしが10年若かったら。どうじゃ、このあと…
『言わせねーよ!?!?!?』
このばばぁも本屋のばばぁと同じ思考してやがった!!
『…すまん。 若い男に興奮してもうた。 それでおぬしは客かい?』
ようやく本題か。
『あぁ、明日まで泊めてほしいんだ。部屋はあるか?』
『もちろんあるとも。一泊なら6000ルギーじゃよ。』
…ルギー?聞いたことない単位だ。
やばい、異世界って言うことを考えてなかった。
焦りながら俺は財布を見る。当然のように見慣れた諭吉さんが顔を出す。
ゆきちさぁぁぁぁぁ~~~~~ん!!!
今までは諭吉さんいてほしかったよ…でもいまは諭吉さんじゃないほうがよかった…。
ねぇ、ルギーって…なんですか…??
どうしよう、どうしようとぶつぶつ呟いていたらおばちゃんが
『お金…ないのかい?』
と訊ねてきた。
その目には暖かさと……冷ややかさが一緒にうつっていました…。
異世界での…同情。
『うん…実は…ね』
正直に答えた。すると、
『しょうがないねぇ…つけといちゃるから明日から稼ぐんじゃよ?この町はハンターとか稼ぎ口がたくさんあるんじゃて』
『ありがとうおばちゃん!!!!』
今は女神にも見える不気味な顔。
まぁ、直視しなければ俺にとっての女神だ!!
直視しなければ
そんな失礼なことを考えていると
『じゃから今夜はゆっくり休んで、明日から頑張るんじゃよ』
『おう!あ、それと。お願いついでにもうひとつ。ハンターってどんな仕事なんだ?』
『そんなことも知らんのかい!? ハンターってのはね? この世界にいる魔物を倒す仕事じゃよ。昔は魔王が率いていたが、今は魔王がいるかさえもわからんのぉ』
そんな仕事があったのか。知らなかった。
『この町は有名なハンターを多く他の町に出してるからハンターの仕事が多いんじゃよ。最近なら雪菜やヒメが有名かのぉ』
雪菜!?
あいつそんなに有名なハンターだったんだなぁ…。
今度戦い方とか、いろいろ教えてもらおうかなぁ
『ありがと、おばちゃん。明日から頑張るよ。おやすみ』
そういって部屋に入った。
というか、すぐに意識が飛んでいった。
異世界にきてしまった…そんなことを考えていたのは部屋に入った一瞬で
布団を見た瞬間から、寝ることに意識が移ってしまった。
だから、俺はすぐに寝れる準備をして、布団に入った。
そして、まさに今、意識が手放された。
編集が大変です