十九話 ~戦闘~
久々の戦闘。
戦闘シーンを文字に表すことが大変苦手な作者でございますww
それと7万ヒット感謝です!!
ありがとうございます。
いまは怯えている場合じゃない!!
討伐すべき魔物が目の前にいるんだから。
ドーエンたちに向き直る。
5メートルほどの猪だ。うん。
猪にしか見えないや。
油断している俺に向かって一頭のドーエンが突っ込んできた。
速いっ!!
間一髪で俺は横に転がり回避する。
ズドっ!!
俺の後ろの木にドーエンの角が突き刺さる。
しかし、その角が刺さった場所から木が折れた。
二頭いるから一頭を引き離して戦った方が楽だな。
『ロコ!! エルー!! 俺がこいつをひきつけるから、二人で一頭を倒してくれ!!』
俺はそう言い木々の間を疾走する。
木を縫うように走る俺の後ろをドーエンが木などないように駆けてくる。
後ろから恐怖が近づいているのがわかる。
ある程度離れたところで俺はドーエンに向き直る。
そして、突進してきたドーエンを回避し、すぐに体勢を整える。
ドーエンは一度木に刺さり、木をなぎ倒しまたこちらへ向かってくる。
それをまたかわす。今度は影斬丸を構え、突進に備える。
しかし、ドーエンは突進してこない。
地面を足で引掻きこちらの様子をうかがっている。
…少しは知能もあるのか。
こいつ相手にうまく組み合わせることができたなら…。
俺は影遊を重視した戦闘に切り替えることにした。
氷柱を、雷を纏うイメージを持ち作り上げた。
……あれ?? そこに現れたのは普通の氷柱だった。
しかし、刺さったら電気が…と思いドーエンに向けて飛ばす。
ドーエンはそれをあっさりよけながらこちらへ突進してきた。
俺は再び横に転がりよけようとする。
だが、ドーエンは甘くなかった。
なにっ!?
俺がいた地点とほぼ同位置でストップし、こちらに向き直り角を俺に向かって振り上げる。
ガギンっ!!!
影斬丸と角とがぶつかり合い、火花を散らす。
それと同時に俺の腕から身体全体に鈍い衝撃が広がった。
まずい、この威力がもし防げずに一発でも当たったら、どうなってしまうのだろう……。
俺は距離をとり、再び影遊を試みる。
今度は氷柱が爆ぜるイメージを持ち作り上げる。
俺はドーエンに向かってそれを飛翔させる。
ドーエンに避けられる刹那の瞬間、氷柱が爆発にドーエンに氷の破片を刺す。
ブォォォォォ!!!
痛みに悶え、苦しそうに血を流しながら鳴き声をあげるドーエン。
爆ぜることはできた。
とりあえず、今のところはこれで十分だ。
俺は二本の氷柱を作り、左の氷柱は右に、右の氷柱は左に変化することを付加する。
そして、再びドーエンに放つ。
ドーエンは当たらないと判断したのか、こちらへ突っ込んでくる。
しかし、ドーエンの横を過ぎようとした瞬間、二本の氷柱がドーエンの腹部と眼に突き刺さる。
眼に刺さった一本がドーエンの視力を奪ったのだろう。
ドーエンはいろんな方向に向かって突進している。
俺の方向にも来るが狙ってはいないだろう。
見えてないなら後は楽だな。
俺は直線の動きしかしないドーエンの突進を避け、影斬丸で切り裂く。
ドーエンは小さな声とともに地面に沈み込んだ。
『ふぅ…』
俺は安心したのかため息が漏れた。そして、影斬丸を手から消した。
そして、倒したドーエンに近づき、その姿を見る。
その瞬間!!
ドーエンが最後の力を振り絞り、こちらに角を振り上げた。
まずい!! もう影斬丸は消してしまった。 今から出しても当たってしまう!!
俺は少しでもダメージを減らそうと眼前に手を組み、防御を試みた。
眼をつむって衝撃に備える……おかしい、いつまで待っても衝撃が来ない。
俺は意を決して防御をとき、目を開く。
目の前には血を流し、倒れているドーエン。
息もしていない。 絶命しているようだ。
俺は、魔物との命を懸けた争いを舐めていたことを改めて気づかされた。
倒したドーエンに感謝の念を抱きつつ、俺はロコとエルーの方に向かった。
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俺は二人のコンビネーションに驚いている。
いま、目の前には青い炎が広がっている。 このあたりだけ木や草がほとんど燃え尽きている。
ロコが瞬間移動でドーエンに的を絞られないようにしつつ、切りかかり、また逃げる。
そして、ロコを狙ってドーエンが突進を仕掛けるところに上空から青い炎が流星のように降り注ぐ。
ドーエンはそれを食らって動けない。そこにロコが切りかかり再び流星が降り注ぐ。
すでにドーエンの身体は血だらけになり、表面は黒こげになっている。
倒れるのも時間の問題だ。
ドーエンにほとんど攻撃させず、翻弄している。
再びすさまじい流星が降り注ぎ、土煙で周りが見えなくなる。
土煙が晴れたところに立っていたのはロコだけだった。
わずかな戦闘だったが、ドーエンなんてたいした敵ではないというような戦いぶりだった。
「俺も頑張らないと…」 心の中でそんなことを思っていた。
すると、向こうから
『お兄ちゃんも倒したんだ♪ 一人で倒すなんてすごいじゃん♪』
ロコが無邪気に笑っている。
『ありがとう。 ロコもすごいな』
そういって頭を撫でてあげると嬉しそうにしてる。
『ロコちゃーん!! ずるいですー!! 壱夜さん、私も撫でてくださいー!!』
さっきまでいた黒龍は姿を消し、エルーがこちらへ走ってきていた。
『撫でてくーださい♪』
エルーがニコニコしながら俺を見ている。素直にかわいいと思ってしまう。
『エルーも頑張ったな』
俺はエルーの頭も撫でてあげる。
すると、心地よさそうに目を細め、まるでリスのようなカワイイ顔に変わっている。
『エルー!! お兄ちゃんは私のもの!!』
『違うもーん、壱夜さんはエルーのだもんー』
また、言い争いが…。
『『それなら…』』
…嫌な予感が
『『どっちがいいですか!?』』
やっぱりーー!!!
ここの返答はドーエンとの戦闘より、重要だ…。
『えー…っと…』
俺は悩む。 どうする俺!? どうする作者!?
そんなことを考えていると…
『お前はどちらの者でもないよ、自分のことは自分で決めなさい』
天から声が聞こえた。 まぁ作者さんが教えをあげたんだけど。
そうだな…壱夜はそう思って
『俺はどちらか一人だけのものじゃないよ、だから仲良くしてね』
そういってやると
『『…はい///』』
二人とも納得してくれた。
なかなかに頑張った!
これから眠りに入りますww
おやすみーzzz