九話 ~笑顔と不安と焦り~
まだ週末課題がたくさん残っているため、文章が短いかと思いますがお許しください。
朝、目を覚まし、ようやくハンター試験に合格した喜びを感じた。
まぁ、試験内容はあれだったけど。
『おぉ、おぬし起きたのか。時間があるときにライセンスを取りに行くのじゃぞ。』
『ライセンス??』
『昨日ハンター試験に合格したじゃろうが。ハンターはライセンスを紹介所に提示せんとクエストが受けられんのじゃ。』
そうだったのか。それなら早いとこ取りに行って簡単なクエストでもやってみるか。
そう思い、俺は宿を出て、紹介所へ向かった。
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まだ朝も早いのにこの町はもう働いているのか。
少し驚いた。なんせまだ7時台なのにたくさんの人が物を買ったり売ったり、話したりしているのだから。
俺は口から眠気が漏れ出さないよう押さえ込み、眠い目をこすりながらさらに歩いた。
しばらく歩くと紹介所のカウンターが見えてきた。
ただ、そのカウンターの人と話すためか、一人の女の子がオレンジの髪と一緒に飛び跳ねていた。
『あ~~~!!!お兄ちゃんだ!!!』
そう言って少女がこっちを指差す。
俺は、誰のことだろう? と後ろを振り向くがそこには誰もいない。
『もぅ!! なんでとぼけるのさ!!私のこと忘れちゃったの??』
『いや、ロコのことは覚えてるよ?? でも、なんで俺のことをお兄ちゃんって呼ぶんだよ?』
俺は当然の疑問をぶつけた。
するとロコは首を小さく傾げて、人差し指を口に当てる。
『お兄ちゃんいなくて憧れてたから♪』
当然のように言ってくる。でも、憧れてたって言ったときにロコの目が少し寂しそうに見えた。
『それに、壱夜は見た目はOKだし、優しそうだから♪お兄ちゃんにけって~♪』
嬉しそうに腕に抱きついてくる。
『俺に拒否権って言うのはないのか??』
あきらめているけど形だけでも…と思った。
『ないよっ☆ミ』
ウィンクしながら嬉しそうに言う。
でも、こんな嬉しそうにされたら断れないな。
『それじゃあ、改めてよろしくな、ロコ。』
そう言って握手しようと手を出す。
『うん、よろしく。お兄ちゃん♪』
そう言って手を握ってくれた。
でも、手を離してくれない。そろそろ握手終わりじゃないか??
『ロコ、握手…少し長くないか??』
返事がない。無視された。
『お~い。ロコ??』
『どうしたの?お兄ちゃん♪』
『握手長くないか??』
『………。』
はい、無視です。無視されました。
『握手…まぁいいや。それで、モコはどうして紹介所にいたんだ??』
『私もハンターなんだよ??クエストやろうと思ったんだけど、一人じゃできなくて。だから、Fランクのハンターの人探しにきたの♪ お兄ちゃんハンターになれた??』
『あぁ、それでライセンスを受け取りにな。俺がライセンス受け取ったら一緒に探してやるよ。』
こいつの能力があったから試験受かったようなもんだし、これくらいはな。
『ホントに!?じゃあお願いしちゃおっかなぁ~☆』
『それじゃ、ちょっと待ってろよ。』
そう言って俺は手を離した。
『えぇ~!!』
ロコは口をへの字にして、不機嫌を身体全体で表している。
具体的には俺の胸をポコポコ叩いてくる。ちょっと可愛いかも。
『わたしもいく~~~!!一緒にいくぅ~~!!』
そういってまた手を握ってきた。
こいつは駄々っ子か。まぁ、ライセンス受け取るだけだからな。
俺はちょっと口から笑みがこぼれてしまった。
『わかったよ。じゃあ一緒にな。』
そういって、俺も手を握り返した。
手を握りながらカウンターに行き、お姉さんに声をかける。
『すみません、柊 壱夜 と言うのですが、ハンターライセンスはありますか??』
『少々お待ちください。』
営業スマイルを浮かべ、お姉さんは奥へ行った。
すると、すぐにこの前のジェントルマンもとい所長が出てきた。
『壱夜くん、ですね?? 少しお話があるので一緒に来てもらっていいですか?? もしよろしければ、そちらのお嬢さんもご一緒に。』
俺とロコは不思議に思いつつ、はい、と答えた。
『桔梗さん、この人たちを所長室へご案内してもらえますか??』
さっきのカウンターのお姉さんに向かって言う。桔梗って名前なんだ。
『はい、わかりました。』
ついてきてください。そう言われ、後ろに並んで歩いてく。
その途中、二人で小声で話していた。
(どうしたんだろう??)
(お兄ちゃん、なにかしたんじゃない??)
(思い当たることないって)
俺は内心あせっていた。
(わたしのとき、こんなことなかったもん。)
その言葉にさらにあせる。
焦りがピークに達しそうなところで、つきました。こちらでお待ちください。といわれた。
そして、桔梗はまた営業スマイルを浮かべてカウンターへ戻っていった。
どうして、簡単にライセンスをくれないのだろう、不安と焦りが心の中を満たしていく。
ドアがコンコン、とノックされる。
さてさて、どうなるのでしょ~ww
一つ一つの文の間を短くしました。
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