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その時、霞み始めた目に映ったモノは……。
「……ギャ……ギャオ……」
「……ギャ……ギャオ……」
「ギャっ……」
(以下略)
森から出て来た、色は違うけど外観はほぼ同じ6匹のモフモフ・チビ恐竜。
「ん……?」
スーちゃんが、その6匹を見て首を傾げ……。
「ふみゅふみゅ、ふみゅふみゅふみゅみゅ〜」
あたしを背中に乗っけてる恐竜の説明(?)を聞くと、大体判ったという表情になり……いや、恐竜の「大体判ったという表情」がどんな感じか説明し難いけど、ともかく、そう云う感じの顔だ。
そして、スーちゃんは深呼吸をすると……。
震えた。
空気が……地面が……木々が……。
地面から……小石が浮き上がっている。
史上最強の肉食動物にふさわしい怒りの叫びが……阿蘇山の周囲の草原に轟いた。
キーン……。
耳が聞こえ……あ……何だ……何で、あたしを背中に乗っけてる恐竜が走り出し……。
ふらふらになってるあたしは背中からズリ落ち……。
痛い。
死ぬ。
助けて……。
あたし……このまま……こんな馬鹿馬鹿しい死に方……えっ?
目の前では……もっと馬鹿馬鹿しい光景が……。
スーちゃん以外の計8匹の恐竜がまとまって泣き出していて……ああ……そりゃ、さっきのあれは……スーちゃんが味方だとしてもかなり怖かったかも……。




