表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

サラダとドレッシング - 年齢制限に悩む

 泰香は年齢制限の設定である〈R15〉とか〈R18〉の基準がよく分からなかった。〈保険でR15〉と〈R15〉の違いもよく分からなかった。〈R18〉は別のサイトに投稿されてしまうことだけは理解した。後は取りあえず気にしないでおこう。どうせ私そんな事書けないし……。


 泰香は小説教室の宿題に取り組んだ。今日のお題は、お昼に食べたものを題材に掌編小説を書くというものだった。


 ——


 公園の中にあるすり鉢状の大きなお椀のような場所に七、八人の少女達が集まっていた。みんなできゃっきゃと言いながら、おし合いへし合いして遊んでいた。夏の暑い日だった。誰かが水を撒いた。またきゃっきゃと言って駆け回った。初々しい肌にとりついた水滴が宝石のように輝いていた。誰かが暑いねと言った。別の誰かが脱いじゃおうと言った。少女達はお互いの服を脱がしっこして素っ裸になった。また、きゃっきゃと言いながらおし合いへし合いして遊んだ。お互いに抱きついたり、ちょっとだけ膨らみ始めたおっぱいを触ったりして遊んでいた。


 お椀の端の階段の上に卑猥な笑みを浮かべたおじさんが佇んでいた。少女達はそのおじさんに気付いて押し黙った。恐る恐るおじさんの方を見上げた。おじさんは大きくておどろおどろしい瓢箪(ひょうたん)のようなものを少女達に見せつけた。少女達はきゃあと言って顔を手で覆った。怖いのと好奇心がせめぎ合い、顔を覆った手の隙間からおじさんの瓢箪を見上げた。おじさんはそれを手で揉み始めた。瓢箪はどんどん大きくなった。そのすり鉢状の場所から出るには、たった一つしかない階段を登らないといけないのに、その階段の上におじさんが立っていた。少女達は逃げることもできず、おじさんの瓢箪を見上げるしかなかった。


 突然、大きくなった瓢箪の先っぽから白くて酸っぱい匂いのするどろっとした液体が飛び出した。それは少女達の頭の上から降って来た。少女達はきゃあと言って逃げ回った。ぬるぬるとした感触が少女達を襲った。それは何度もほとばしり、少女達のいるところに容赦なくまきちらされた。水々しい少女達の肌は、白くて酸っぱい匂いのするどろっとした液体に覆われた。きゃあという悲鳴と、はあはあという息づかいがすり鉢状のお椀の中に響いた。


 ——


 泰香(やすか)はダイニングテーブルに()()して眠っていた。テーブルの上に野菜の入ったサラダボウルと、ドレッシングの容器が置かれていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ