サラダとドレッシング - 年齢制限に悩む
泰香は年齢制限の設定である〈R15〉とか〈R18〉の基準がよく分からなかった。〈保険でR15〉と〈R15〉の違いもよく分からなかった。〈R18〉は別のサイトに投稿されてしまうことだけは理解した。後は取りあえず気にしないでおこう。どうせ私そんな事書けないし……。
泰香は小説教室の宿題に取り組んだ。今日のお題は、お昼に食べたものを題材に掌編小説を書くというものだった。
——
公園の中にあるすり鉢状の大きなお椀のような場所に七、八人の少女達が集まっていた。みんなできゃっきゃと言いながら、おし合いへし合いして遊んでいた。夏の暑い日だった。誰かが水を撒いた。またきゃっきゃと言って駆け回った。初々しい肌にとりついた水滴が宝石のように輝いていた。誰かが暑いねと言った。別の誰かが脱いじゃおうと言った。少女達はお互いの服を脱がしっこして素っ裸になった。また、きゃっきゃと言いながらおし合いへし合いして遊んだ。お互いに抱きついたり、ちょっとだけ膨らみ始めたおっぱいを触ったりして遊んでいた。
お椀の端の階段の上に卑猥な笑みを浮かべたおじさんが佇んでいた。少女達はそのおじさんに気付いて押し黙った。恐る恐るおじさんの方を見上げた。おじさんは大きくておどろおどろしい瓢箪のようなものを少女達に見せつけた。少女達はきゃあと言って顔を手で覆った。怖いのと好奇心がせめぎ合い、顔を覆った手の隙間からおじさんの瓢箪を見上げた。おじさんはそれを手で揉み始めた。瓢箪はどんどん大きくなった。そのすり鉢状の場所から出るには、たった一つしかない階段を登らないといけないのに、その階段の上におじさんが立っていた。少女達は逃げることもできず、おじさんの瓢箪を見上げるしかなかった。
突然、大きくなった瓢箪の先っぽから白くて酸っぱい匂いのするどろっとした液体が飛び出した。それは少女達の頭の上から降って来た。少女達はきゃあと言って逃げ回った。ぬるぬるとした感触が少女達を襲った。それは何度もほとばしり、少女達のいるところに容赦なくまきちらされた。水々しい少女達の肌は、白くて酸っぱい匂いのするどろっとした液体に覆われた。きゃあという悲鳴と、はあはあという息づかいがすり鉢状のお椀の中に響いた。
——
泰香はダイニングテーブルに突っ伏して眠っていた。テーブルの上に野菜の入ったサラダボウルと、ドレッシングの容器が置かれていた。