交流
2時間ぐらい歩いた頃に小さな人間の村が見えた。そして、日中も堂々と歩く異様なスケルトンを警戒し村の男達に襲われた。
まぁ当然の事だと思う。私が彼らの立場でも同じ事をしたであろう。
さていかがしたものかと悩んでいると奥から老婆が出てきた。
「この世に彷徨い続けるものよ、この集落に用がなければ立ち去ってはくれまいか」
と魂に直接声が聞こえた。
私はびっくりしつつ色々教えて欲しいことがある旨を伝えようと話そうとするがカタカタ顎の骨がなるのみだった。
とりあえず、バンザイをして敵対心がない事を伝える。
そしたら、老婆が服から何かを取り出し近くの若者に話しかけて、こちらに投げてきてビー玉のような球が足元に転がる。
「そちらをお使いください。伝えたい事を魔力に乗せてビー玉に流し込んでください。」
またも魂に話しかけれ、ビー玉を拾い指示されたとおりにすると球から
「こちらに危害を加える意思はない。色々教えてほしい事がある」
とビー球から声が出て話す事ができた。
老婆は悩んだような仕草を取り、集落の男達と何やら話始めた。
少し経つと老婆より
「申し訳ないが、完全に信用ができないため集落にあげる事はできかねます。しかし、私の知っていることであればでその場でよろしければお答えしましょう」と言ってきた。
私も「いきなりスケルトンを信用せよという方が無理な話と私も思う。この世界のことを聞けるだけでもありがたいことだ」と返答。
その言葉を聞いて若者に支えられつつ老婆が出てきて私と対峙した。
「わしはルーベイをと申す。彷徨えるものよ、もし名前が有れば教えては頂けないか。」
名前か。
当然転生の前の名前はあるが、異世界で骨でありながら武を示していく身として、ここでは武骨と名乗っていこう。
「はじめまして、私は武骨と申します。別の世界より武の可能性を示すためこの世界にきて旅をしております。まだきて間もないため色々教えて頂きたく思います。」
こうして異世界で人の交流が始まった。