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2話 警告

 倒れているルークを上から見下ろすヘレナ。表情は普段と変わらないが冷徹な雰囲気が彼女の周りに漂わせる。


 「調子に…乗るんじゃねえ」


 彼が荒々しく声を出した後、ヘレナは高く飛びルークに狙いを定め蹴りを放つ。その蹴りは彼女の脚力と落下の勢いで物凄い威力になっているが、彼は横に転びギリギリ回避する。石で作られた床は大きく穴が開く。


 「おい、ヘレナ手を貸そうか?」


 「バカね、手貸さなくても大丈夫だわ。久々に強そうな敵と出会えたからね。見てあの楽しそうな顔」


 「わ、分からん」


 アリスはヘレナが楽しそうな雰囲気を感じ取る。久々に少し戦える敵がいたことに内心嬉しかったのだ。


 「生け捕りはやめだ。絶対にぶっ殺す。確実にぶっ殺す。殺す、殺す!」


 ルークは腰に掛けてある剣を持ち彼女に何度も斬りかかるのに対し、彼女は難なくそれを全て最小限の動きで避けていく。


 「クソ…クソクソ、クソが」


 彼には焦りと恐怖が徐々に大きくなってきている。その影響として、剣をただただ振り回すだけの酷いものになっていた。そして、彼がヘレナに向かって突きを繰り出そうとした時だった。ルークが気付いた時には彼女は剣の上に立っていた。


 「あーあ、あの様子だと冷めちゃったみたいだわ」


 「こいつらももっともっと強ければ楽しめたんだがな」


 ヴォルグとアリスは二人の戦いを、いや、一方的な暴力を見ていた。


 剣の上に突っ立っている彼女は、ルークの頭にめがけてサマーソルトキックを決め倒れた彼の頭を掴み持ち上げる。


 「ア”…ア、ガァァァァ」


 頭蓋が砕かれる生々しい音が嫌でも聞こえる一方、アリスは良い音だとうっとりしている。そしてついにルークの顔が握りつぶされる。


 「うっし、終わったか。アリス、死体処理は任せたぞ」


 「分かったわ。まずはそのキモイ男の死体は持っていく。そいつの血でどこの国の者か身元を調べる必要があるからね。あとこのことについてはハイゼン様にお伝えしなきゃ」


 アリスは顔が無いルークの死体を担いでどこかに移動する。


 その日の夜。アリスは魔術で死体を処理とともに、ルークの血を採取をし身元を調べる作業をやっている。


 「…なるほどね。サルヴィア王国の騎士団第3師団の団長。意外とお偉いさんなのね。ッフッフッフ、アハハハハハ。私たちに剣を向けた事後悔しなさい」


 彼女はカラスに変身し、夜の空に消えていく。


 サルヴィア王国・騎士団会議室より、ルークが帰ってこないことに皆ざわつく。


 「あやつが帰ってこない。性格はあれだが実力は本物なのだ。ルークを襲ったやつは相当手練れだな」


 「どうします?全員で突撃しまs」


 「ッフッフそれはさせないわ」


 「誰だ」


 明らかにこの場にいない者の声がする。12人の騎士達は皆警戒態勢に入り、剣を構える者もいた。


 「ここよ。こ、こ」


 声をした方向に目を向けるとそこには窓にカラスがいた。そのカラスは段々とアリスの姿に戻っていく。


 「何者だ貴様」


 「警告しに来たの。今すぐ貴方たちを倒せるけど今はそういう時期じゃないの。あ、これお返しね」


 アリスは魔法でルークの首をその場に出現させる。本来首はヘレナによって潰されてしまったが、アリスの復元魔法により綺麗な死ぬ前のものになっている。


 「貴様、タダで済むと思うなよ」


 「それは怖いわねえ。私は穏便に済ませるために来たの」


 アリスは騎士達に杖を向ける。


 「良い?私たちはルークと戦い共に死んだ。もうこの事件は解決した」


 そのセリフを何度も何度も言い聞かせるように、杖をゆっくり回しながら言う。すると、騎士たちの眼には光が無くなり催眠状態に入ってる。


 「この事件、かい…け…つ、した」


 「ハインケル伯爵を襲った族は、ルークと一緒に戦死した」


 「そうよ、その調子よ。素直でいい子じゃない、み ん な」


 一通りやることが終わったアリスは再びカラスに変身して夜の空へと飛んでいく。その日の夜は謎の笑い声が空から聞こえたと、一部の国民の間で噂になっている。


 「戻ってきたわよ」


 「おう、ご苦労さんだな」


 「あいつらに催眠するの楽勝だわ」


 「さすがだな、魔術の天才いや鬼才とも言うべきか」


 「…私はそんなんじゃないよ。それに眠くなってきたし寝るわ」


 「ああ、おやすみ」


 次の日の朝王国では、ルークとその部下の追悼式が行われる。


 「きっと、賊ども強かったんでしょう。首だけ見つかって本当に良かった」


 「気に食わない奴だったが、いなくなってみると悲しいものだ」


 「やつの死を乗り越えていき、私たちはもっと強くならなきゃ」


 その式は騎士団と貴族と王族をも参加する大きい式だった。ある者は悲しみ、ある者は自分の強さを再認識し、彼に恨みがある者は嘲笑う者もいた。

ハイゼン「お前、噛ませ犬感半端なかったな」


ルーク「だってもう出番これっきりだし、もういいかなって」


ハイゼン「諦めたらそこでってやつでっせ」


ルーク「じゃあどうすればいいねん」


ハイゼン「うーん、この後書きストーリーにちょくちょく出てみるとか?」


ルーク「よっしゃああ、無理矢理にでもでてやるぜ」


ハイゼン「こいつ、本編のルークよりも面倒くさくなってきたな」

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