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1話 ちょっとした出来事

 「悪魔を召喚するための儀式素材は集まったかな」


 「ええ、順調に集まっていますよ。後はエキドナのウロコだけです」


 彼らは悪魔召喚のために人間の心臓・マーメイドの尾鰭・砂土竜の爪を時間は掛ったが難なく集める。これらは通常一般の人間にとっては手に入れにくい物だ。特にマーメイドの尾鰭は売ると国一つ買えるほどの価値がある。残りのエキドナのウロコもまた幻獣と呼ばれる魔物からの素材だった。


 「私とカズヤはその素材を取りに行こう。残りの者はここの砦を守るように」


 「「「御意のままに」」」


 カズヤと呼ばれる人は、カタナという武器を使って戦う。出身は服装から見るに極東にある島国出身のようだ。カズヤとハイゼンはその素材を取りに出かける。


 時は同じくしてサルヴィア王国の騎士団会議室にて。


 「報告です。一昨日、ハインケル伯爵が行方不明になりました。おそらく出張の帰りにて何者かが襲われたと推測します」


 「大方、魔物にでも襲われたんじゃないの?」


 かったるそうな騎士が言う。この会議に出席している12人の騎士はどれも強者揃いである。


 「その場合、遺体が発見されます。それに護衛も付いており」


 「もういい。報告はそれだけか」


 「…はい」


 「ッチ、それだけかよ」


 「そんな事を言うなルークよ。貴族の間ではもう有名になっておる。早く遺体でも見つけなければ」


 「ああったよ。でも、どこで襲われたか粗方予想できる。そこに俺の部隊でも手配しとくぜ」


 「ああよろしく頼むよルーク殿」


 これにて短い王国騎士達の会議が終わる。


 「クックック、野党どもめ、貴族のお偉いさんに手出したこと後悔するんだな。こいつらを捕まえりゃあ、お金がたっぷりだ。感謝するぜギャッハハハハハハハ!!」


 会議室に一人残ったルークが声を高々に笑う。


 ハーケンバルケン砦内より、残った3人はカズヤとハイゼンが帰って来るまでのんびりと待っている。


 「暇だ。なんかこう暴れまわりたいぜ」


 「我慢しなさいよヴォルグ。いずれ全力で暴れることになるんだから」


 巨大な槌を素振りをしながら答える男の名はヴォルグ。筋骨隆々で体格もでかく、補助魔法も使える元々は僧侶だった模様。


 「それにしてもあんたが元僧侶だったとこと驚いたわ。存外に驚いたわ」


 「俺はヘレナだな。弓を持てば後衛、外せば前衛文句なしの性能だ。エルフ族で弓が上手いのは驚かないが俺より力がある」


 そんな会話をしている二人の間にヘレナが入って来る。


 「おう、どうしたんだヘレナ」


 彼女の手には新聞が握られている。その新聞は一昨日襲った御一行の荷物から拝借した物だった。そしてその新聞のとある一面を二人に見せる。


 「えーっと、勇者がエキドナ討伐に出発する。到着は明後日の模様。あ、ハイゼン様と被るじゃない」


 「人類最強、剣姫、戦乙女(ヴァルキュリア)等、様々な異名を持つ彼女が何でエキドナを討伐するんだ?」


 三人が一緒に新聞を読み始める。ヘレナがとある一文に指を指す。


 「なるほど、魔界に行くためねえ」


 「ま、出会っても何とかなるだろ。ちと好戦的な性格だが大丈夫だ」


 「何言ってんのよ、ここにいる全員、好戦的じゃない」


 ヴォルグとアリスが笑う。その笑いは思い出したように大声で笑う。


 次の日のお昼時。この砦内でいきなり誰かが襲撃され、ゆっくりと過ごす3人の周りに鎧を身に着けた人たちが集まり、剣を向ける。


 「動くな!」


 「意外とあっさり捕まえたぜこりゃあ。この俺ルークが長になるのも遠くねえな」


 一人の豪華な鎧を着ている男が簡単に捕まえたと思い興奮気味に発言、そしてアリスとヘレナの体をじっくり舐めまわすような眼を彼女らは感じ取った。


 「おーっとこれはこれは、お美しい女性がいるではないか。しかもその内1人は容姿端麗の種族で有名なエルフ。お前ら、生きたまま捕まえろ。この俺がたっぷりと可愛がってやるからよおお」


 「あら、そんな簡単じゃないわよ。私たちを捕まえることが」


 アリスが目を細め口角をゆっくりと上げ、ヴォルグもヘレナも戦闘準備に入りる。


 「ヘレナはあのキモイ男をやっちゃって、その力見せてやりなよ」


 「ここ崩壊するかもしれねえ、その時はごめんな」


 「この場所は私たちのじゃないからいいわよ。また放浪すればいいじゃない」


 「フッ、だな。そうだな」


 「貴様ら何を笑って…ヴッ」


 どうやらヘレナが素早くルークの元に近づき、その勢いで彼にボディーブローをする。ヘレナの拳がルークの鎧を貫き、前に倒れこむ彼を回し蹴りにより後ろにいた部下も一緒にぶっ飛ぶ。


 「な、なんて奴だ。このミスリルで作られた頑丈な鎧が」


 冷や汗がダラダラと流れ込む。本能的に争ってはいけない、そう感じるほど二人の実力の差が離れている。いや、離れすぎたのだ。


 「く…来るな、来るんじゃねえよ化け物が。おいお前ら俺を守…れ」


 周りにいたはずの部下は、ヴォルグの大きな槌によって飛ばされたり虫のように潰されており、アリスの魔法で黒焦げになっている者、骨だけになっている者もいた。


 そんなこともお構いなしにヘレナはゆっくりとゆっくりとルークの元へ歩く。

ハイゼン「ねえ、僕の出番まだかな」


カズヤ「もうちょっと先ですね」


ハイゼン「主人公最強ってタグがあるのに僕まだ何もやってないし、これだとヘレナ最強に変わっちゃうよ」


カズヤ「まだまだ物語始まったばかりなので、気長に待ちましょう」


ハイゼン「ではそこの読者、評価と感想よろしくね!」キラーン


カズヤ「…何をやってるんですか」


ハイゼン「多くの人に読んでもらうためのおまじない」


カズヤ「は…はあ(何言ってんだ)」

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― 新着の感想 ―
[一言] おー、テンプレ的展開かと思いましたが結構ダークな展開ですね。ダークファンタジーは大好きです。ダークに書かないつもりでもなってしまうぐらい好きです。今後の展開に期待しています。
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