表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

プロローグ

 ある雨の日、男は森の中で走っていた。地面を水溜まりを必死に蹴った所為でズボンと靴は泥まみれに加え、傘もさしていないので全身びしょ濡れ。


 「彼は何処に逃げたのかね」


 「魔法で追跡しているので大丈夫です」


 どうやら男は何者からか逃げている様子。逃げる事しか頭にないのか走る姿も不格好で、顔は恐怖に支配されたような表情をしている。


 「ッヴ」


 背中から凄まじいほどの電撃を喰らい男はそのまま倒れていく。もう立ち上がることができない痺れが全身を襲う。男の頭に<死>という言葉が浮かびあがる。


 「嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」


 「ようやく捕まえましたよ」


 「すみません。私の不手際で」


 「結果的に捕まえたので問題なしです。アリスよ気にすることはありません」


 「お、お前らは一体、一体何者なんだ」


 捕まった男は聞き出す。体が痺れて顔が動かせないので二人の全体像は見えなかった。声からするに男と女だろうと予想する。


 「僕たちはただ、世界を壊し再び創造すること」


 そう言った男は倒れている彼に近づく。<世界を美しくしよう>そういった男は黒のオーバーコートをしており、顔はフードの影で見えなかった。全身を見た後、雷が落ちてくる。その光で黒のフードコートをした男の顔が見えた。その顔は、悪魔のように笑っている顔だった。


 「少し眠ってもらうわよ」


 女は倒れている彼に向けて呪文を唱えたら彼は眠ってしまう。寝た彼はオーバーコートの男に担がられ女とともにどこかに去る。


 「こ、ここは、どこ、どこだ」


 彼は椅子に縛られていた。辺りを見渡すと4人ほどの黒づくめの人達に囲まれており、目の前には階段がありその上に椅子に座りながら頬杖をついた人がいる。


 「この者どういたしましょうか」


 ある男が目の前の座っている男に向けて言い出した。確実に何かされると思った彼は恐怖により冷や汗が滝のように流れる。


 「悪魔の召喚には新鮮な心臓が必要だ。よってその者を生きたまま心臓を綺麗に取り出せ」


 低く冷めたような声が辺りに響く。生きたまま、残酷な言葉が彼の耳に届き暴れる。


 「嫌だ、死にたくない。お願いだ、この事は誰にも…ン”ン”」


 何故か突然喋れなくなってしまい彼の顔は涙でグシャグシャになる。まだまだ生きたい、妻や娘に会いたいという思いが彼の心の中で廻る。


 「うるさいわね、ハイゼン様に失礼じゃない」


 喋れなくなったのはアリスの魔法によるものだった。目の前に座っている男の名前がハイゼンと呼ばれる男は立ち上がる。


 「汝らはなんぞや」


 彼は4人に語り掛ける。悪魔的な笑みを浮かべて、低く冷たい声が辺りに響く。


 「「「我らはハーケンバルケン。この世を無に返し、再び創造する者なり」」」


 「(く…狂ってる)」


 狂気、その言葉が非常に似合う。リーダーであろう人は何度も何度も仲間に語り掛け、その人たちも何度も何度も嬉々として答えていた。


 「では、そろそろ始めよう。エレナよ取り出せ」


 エレナと呼ばれる彼女は、この中で最も無口な女性であり表情をあまり表に出さない人物。他の者はハイゼンの問いに答えたが、彼女ただ一人声を出していない。それは、無口故の性格のためだった。


 彼女はゆっくりと捕まった男の目の前に座り、着ているロングコートのフードを取る。男は彼女の長い耳を見て驚く。なぜならそれは、誇り高いエルフ族と同じ特徴をしているからだ。彼女、エレナは正真正銘のエルフ族。人間との関わりを拒絶しているその種族がなぜここにいるのか、男はそう思う。しかし、その疑問は今はどうでもよく今は恐怖という感情が勝る。


 「ヴ…ン”、ンンンン」


 必死で藻掻くも自身の体が何一つ動かない。ヘレナはゆっくりとしゃがんだ後、ヘレナの腕は勢いよく男の胸に突き刺す。男の体どころか椅子の背もたれすらもヘレナの腕によって貫通された。その手には真っ赤に輝く心臓が握られる。彼女は表情一つも変えずにこれを遂行し、男は絶命。


 「あの細い腕でよくもまあ、出来るもんだね」


 「ああ、関心するぜ。リーダーを抜きにして俺らの中では一番強いからな。体術も力も馬鹿にできん」


 ヘレナに関心の眼で見る男性二人。


 「ね~ね~、それ見せてよ」


 アリスはヘレナに心臓を見せてとお願いをし、見せてもらう。


 「いつ見ても綺麗ね。新鮮な人の心臓」


 それに惚れ惚れしているアリスは、ついヘレナから心臓を取りペロッと舐める。


 「良いわねえ、この味。うっとりしちゃうわ」


 「充分に楽しんだろ、早くハイゼン様に渡しな」


 「言われなくても渡しますう。はい、どうぞ」


 アリスはハイゼンの前で膝を付き、心臓を両手で持ち上げる。


 「まだ楽しんでいないのなら後でも構わない」


 「いえ、大丈夫です」


 彼は心臓を懐にしまう。


 「さあ、素材集めはまだ始まったばかり。この調子で頼むぞ」


 「「「御意」」」


 4人ともハイゼンに首を垂れる。その時、運命が歪む音が鳴り、その音は誰も気づいていないし気付かない。

ハイゼン「ねえねえ、ヘレナ。この細い体からどうやってあんな力がでるの?」


 そういい彼は彼女の腕や足をベタベタ触り始める。ヘレナはそれをセクハラと受け取り、ハイゼンに回し蹴りを与える。


ハイゼン「アベシッ!」


アリス「ちょっと、何やってんのよ。体触りたいんなら私を触ってよ」


ハイゼン「アリス、ちょっと思ったけどさ。エルフって他の種族と比べて体が少し細いよね。でもあの彼女胸大きいじゃん。でもあんたは体は普通位だけど、胸小s」


アリス「いやあああああああ」


ハイゼンのセリフが言い終わる前にアリスが彼にビンタをする。ビンタを喰らった彼はその場に倒れこむ。


アリス「こんな奴ほっといて一緒にご飯食べましょ、ヘレナ」


ヘレナ「コクッ」


ヘレナは頷く。


男1・2「なんだありゃ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ